クヌギとは?特徴や利用法を解説!!他の木のどんぐりとの見分け方は?

クヌギとは?特徴や利用法を解説!!他の木のどんぐりとの見分け方は?

里山や雑木林など、案外身近なところにはえているクヌギ。カブトムシが集まる木、どんぐりがなる木としても有名です。ですが、クヌギをじっくりと観察したことは少ないのではないでしょうか。そんなクヌギの特徴、見分け方、利用方法、またどんな場所にクヌギがはえているのか紹介します。

記事の目次

  1. 1.クヌギはどんな樹木?
  2. 2.クヌギと他のどんぐりの見分け方
  3. 3.クヌギの利用方法や用途
  4. 4.クヌギの木がある場所
  5. 5.クヌギに集まる昆虫
  6. 6.クヌギについてのまとめ

クヌギはどんな樹木?

Photo by harum.koh

クヌギはブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。直立した幹は高さ15mにもなります。クヌギは、どんぐりの出来る樹木のひとつで、カブトムシ・クワガタといったたくさんの昆虫も集まってきます。樹液には匂いがあり、その匂いは強烈で遠くまで匂いがとどくだけでなく、クヌギのある雑木林や里山ではまるで、お酒のような発酵した匂いがすることがあります。

基本情報

学名 Quercus acutissima
分類 ブナ科コナラ属の落葉高木
古名 つるばみ
分布 岩手県、山形県以南
花期 4月~5月

葉っぱの特徴

クヌギの葉っぱは互生で、長楕円形の形をしています。葉っぱのまわりは、鋭い鋸歯があり、薄い葉っぱですが触ると硬く、表面につやがあるのも特徴です。

葉っぱの形は同じブナ科であるクリに似ていています。クヌギとクリの見分け方は鋸歯の部分の色が抜けているのがクヌギ、そのまま葉っぱの色と同じなのがクリの葉っぱです。

葉っぱが交互にはえているので、互生ということがわかりますね。

クヌギは、枯れ葉になっても、枝からなかなか落ちないことがあります。これは、完全な枯れ葉になっても離層が形成されていないからです。

葉っぱの先の鋸歯の先の色が緑色ではないのがわかります。クリは、この先まで緑色をしています。

離層とは?

離層とは、葉っぱを枝から落とす働きをする細胞層のことです。葉っぱは、日が短くなり、気温が低下してくると光合成をする力が弱まってきます。そのさいに、葉っぱに残っている栄養素を幹へと回収させますが、これと同時に離層を作り出します。クヌギはこの離層が不完全なため、枯れ葉になっていても枝に葉っぱがついていることがあるのです。

枯れ葉が枝に残ったまま落ちています。クヌギが離層が発達していないのがわかりますね。

花の特徴

Photo by harum.koh

クヌギの花は、雄雌別の風媒花です。4月~5月に葉っぱの展開と合わせて、花を咲かせます。雄花序は前年枝から10cmほど葉っぱが開ききる前に花序が垂れ下がります。花序には軟毛がはえています。雌花は、新しい枝の葉腋につくのが特徴です。因みに、花の匂いはいい匂いではありません。

樹皮・幹の特徴

クヌギの幹はまっすぐと直立し、高さ15mほどに達します。樹皮は、灰褐色の厚いコルク状で、やや深めに不揃いに割れています。クヌギのコルク層は、古いコルク層の上に、新しいコルク層を作っていきます。そのため、樹皮や幹は年々分厚くなっていきます。成長するたびに、コルク層は分厚くなっていくので、幹の上部はコルク層が薄く、幹の下部はコルク層が分厚くなっています。

幹がまっすぐ高く直立するのもクヌギの特徴です。

果実の特徴

クヌギの果実は、どんぐりです。花が咲いてから、翌年の秋に熟します。果実をつけたころは緑色をしていますが、熟すころには茶色になっています。

クヌギとアベマキ

クヌギと同じブナ科であるアベマキですが、クヌギと非常によく似ています。樹高の高さ(アベマキの高さも15mくらいです)もほぼ同じであり、両種ともどんぐりをつけます。この二種は交雑することもあります。交雑したものは、アベクヌギと呼ばれ、アベマキとクヌギ両方の特徴を併せ持ちます。アベマキとクヌギの見分け方は、クヌギよりアベマキの方がコルク層が発達していること、葉っぱが広幅であることなどで見分けられます。また、アベマキはクヌギより個体数が少なく、西日本での分布が多いです。

クヌギと他のどんぐりの見分け方

Photo byklimkin

どんぐりとは、ブナ科に実る果実の総称です。どんぐりは、果実のタイプでは堅果というタイプのものになります。堅果とは、果実の外側が非常に硬くなっている果実のタイプで、種子ではありません。ヤシの果実も堅果の一種ですが、どんぐりについているぼうしがありません。このぼうしは、殻斗(かくと)というものです。ここでは、クヌギと他のどんぐりの見分け方を紹介します。

アベマキのどんぐり

どんぐりの中で、一番クヌギのどんぐりとよく似ています。殻斗はクヌギと同じトゲトゲしていて、どんぐりの形も丸いです。クヌギとアベマキを見分ける方法は、どんぐりで見分けるより、葉っぱで見分ける方が確実に見分けられます。

コナラのどんぐり

コナラの殻斗は、うろこ状の模様をしています。どんぐりの形もクヌギとは違い、丸くはないので見分けることは容易です。コナラのどんぐりは、どんぐりの形が左右対称で、おしり(殻斗が被っていたほうです)がへこまないという特徴があります。

カシワのどんぐり

カシワのどんぐりの、殻斗もクヌギと同じくトゲトゲしています。ですが、クヌギと違うところはどんぐりの形が丸くなく、先が長いというところです。殻斗もクヌギは分厚いのにたいして、カシワはそこまで分厚くありません。なので、クヌギとの見分け方はどんぐりの形を見れば見分けられます。

続いて、シリブカガシのどんぐりとの見分け方を紹介!

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ナラガシワのどんぐり

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