「葉焼け」とは?植物の葉が枯れる原因・メカニズムや対処法を解説!

「葉焼け」とは?植物の葉が枯れる原因・メカニズムや対処法を解説!

植物が葉焼けすると葉先やふちが赤や黄色に変色した後、茶色くなって枯れ込んでしまいます。時には植物に大きなダメージを与える葉焼けを防ぐためには、光・水・温度の管理が重要です。葉焼けの原因や症状を知り、もしも葉焼けしたら早めに対処して植物を元気に保ちましょう。

記事の目次

  1. 1.葉焼けとは?
  2. 2.葉焼けの症状
  3. 3.葉焼けの原因
  4. 4.葉焼けになる前の対策
  5. 5.葉焼けの対処法
  6. 6.植物別の対策・対処法
  7. 7.まとめ

葉焼けとは?

Photo by Plant pests and diseases

葉焼けとは、植物の葉の先やふちが赤や黄色に変色したり、茶色く枯れることです。主な原因は強い光で、室内管理していたポトスやパキラなどの観葉植物を急に強い日差しに当てた場合などに起きやすい症状です。葉焼けがひどくなると株が弱ってしまうので、葉焼けさせない環境作りと早めの対処が重要です。

葉焼けの症状

観葉植物などが葉焼けすると緑色色素のクロロフィルが分解されてしまうため、葉が部分的に赤や黄色に変色します。葉先やふちが茶色く枯れるといった症状もよく見られます。変色や枯れ込みは病気のように広がることはありませんが、葉焼けの範囲が広いと葉が枯れ落ちてしまうことがあります。

葉の先端やふちが枯れる

Photo by jeremy_norbury

植物が葉焼けすると葉の先端やふちなど、部分的に葉の緑色が薄くなったり白くなったりする症状が見られます。緑色色素のクロロフィルが分解されるためです。植物のもつ色素の種類や量によって、葉焼け部分が黄色や赤色・黒色になるなどします。葉が茶色く枯れることもあります。

カリウム不足でも似た症状になる

土壌のカリウム不足が原因で葉焼けに似た症状が出る場合があります。葉先やふちが赤や黄色になり、やがて茶色く枯れることになります。カリウムには根を強くする、植物の生理作用を調整する、病気になりにくくする、乾燥や寒さへの耐性を高めるといった働きが知られています。カリウム不足の植物にはカリウムを多く含む液体タイプの肥料を与えましょう。

葉焼けの原因

Photo by Plant pests and diseases

葉焼けの主な原因は光です。水や温度が原因で葉焼けが起こる場合もあります。光が強すぎる場合、葉の温度が上がりすぎる場合、水滴がレンズのような役割をしてしまった場合に植物の葉焼けが起こります。以下でそれぞれの場合について詳しく説明します。

強すぎる光

Photo by Bold Frontiers

葉に当たる光が強すぎると、光合成で光を全て使い切ることができず、余りが発生します。余った分の光は活性酸素となり、葉に多くのダメージを与えます。活性酸素により葉緑素(クロロフィル)が分解されると、葉の緑色が薄くなってしまいます。光エネルギーを吸収する役割を持つ葉緑素が分解されてしまうと光合成を行うことができません。葉は栄養を作ることができず、枯れることになります。

葉の温度上昇

葉は急に強い光に当てられると急に高温にさらされることになります。これにより葉が耐えられる限度以上の高温になってしまうと、葉の細胞はとても弱り、悪くすると死んでしまいます。徐々に温度が上がって行く場合には、葉からの水の蒸散を調節することにより高温でも耐えられますが、いきなり高温にさらされてしまうと葉内の温度調節機能が追い付かなくなってしまうのです。

水が原因となる場合も

Photo bystevepb

雨の後など葉に水がついた状態で夏の強い直射日光が当たった場合にも、葉焼けが起きてしまうことがあります。水がレンズのような役割をして、その部分に光を集めてしまうのです。ビニールハウス内で植物を育てている場合にも、ハウスの屋根にたまった雨水が光を集めてしまい、下にある植物が強い光を受けて葉焼けをしてしまうことがあります。

菌が引き起こす葉焼け病

大豆などの作物では、葉焼け病という病気が知られており、世界のさまざまな国で大きな被害をもたらしています。葉に小さな白っぽい斑点ができ、2mmほどになる頃には茶色~黒色に変色します。ひどい場合は斑点が大きくなり融合して葉全体が枯れ落ちてしまいます。病原菌によるもので、菌が風雨に乗って気孔や傷口から入ることで起こります。

葉焼けになる前の対策

Photo byyanochkandreeva

植物を葉焼けさせないよう対策をしておきましょう。葉焼けを防ぐには、急に植物を外置きにせず徐々に光に慣らすこと、水やりは気温が低い朝か夕方に行うこと、鉢の温度が上がり過ぎないようにコンクリートや地面に直置きしないことが大切です。

少しずつ光に慣らす

室内で育てていた植物を外に出す場合は、少しずつ光に慣らして行くと葉焼けを防止できます。冬に室内に置いていたものを春になって外で育てようとする場合は、明るい日陰に7〜10日置いてから半日陰になる場所に移して7〜10日置き、その後日なたに置くといったように、徐々に日差しを当てる時間を長くするようにしてください。

水やりと鉢の温度に注意する

Photo byannawaldl

水やりのタイミングも大切です。日差しの強い時間は避け、特に夏場は朝や夕方に水やりをするようにします。こうすることで鉢の温度が上がりすぎるのを防ぐことができます。鉢は通気性の良い場所に置きましょう。夏の間は照り返しで鉢が高温になりやすいので、コンクリートや土の上に直接置くことは避け、ケースや台の上にのせましょう。

葉焼けの対処法

観葉植物などが葉焼けしたら、早めに対処してダメージを最小限にとどめましょう。強い日差しが原因である場合が多いので、直射日光が当たる場所から明るい日陰へと植物を移動させることが重要です。葉焼けによってダメージを受けていますので、移動させた植物はそのまましばらく休ませてあげましょう。

一般的な対処法

Photo by yukop

植物が葉焼けしてしまったら、屋外の明るい日陰や室内のレースのカーテン越しなど光が弱い場所へ移動させましょう。移動が難しい場合は遮光ネットを使えば強すぎる日差しを遮ってくれます。葉焼けで変色した部分はそのままの状態でも心配ありませんが、見た目をきれいにしたい場合は変色部分をハサミで切ります。

次のページ

植物別の対策・対処法

関連記事

Article Ranking