ギョウジャニンニクの特徴・見分け方!イヌサフランとの違いは?

ギョウジャニンニクの特徴・見分け方!イヌサフランとの違いは?

ギョウジャニンニクをご存知ですか?漢字では「行者にんにく」と書く山菜です。山岳修行僧が食べた「にんにく(大蒜)草」であるため「行者」が名に含まれるようになったといわれています。ギョウジャニンニクの特徴やイヌサフランとの違い、見分け方などをご紹介いたします。

記事の目次

  1. 1.ギョウジャニンニクとは?
  2. 2.ギョウジャニンニクの旬の時期
  3. 3.ギョウジャニンニクの産地
  4. 4.ギョウジャニンニクの収穫
  5. 5.ギョウジャニンニクの山菜としての見分け方
  6. 6.ギョウジャニンニクとイヌサフランとの違い・見分け方
  7. 7.まとめ

ギョウジャニンニクとは?

出典:写真AC

ギョウジャニンニクはニンニク・ニラなどと同じユリ科ネギ属の多年草です。日本では近畿地方以北から北海道にわたって見ることができますが、東北より南の場所では高山にしか生えていません。西洋でもramsons(別名:ワイルドガーリック)と呼ばれる山菜を食べますが、ほのかにガーリックのような香りがしたり形が似ていることから、ギョウジャニンニクと翻訳されることがあります。

ギョウジャニンニクの名前の由来

出典:写真AC

ギョウジャニンニクの名前の由来は諸説ありますが、雪解けの春の時期、行者が滋養強壮薬としてギョウジャニンニクを食べていたことから名付けられたという説が有力です。一方、行者は精のつくものを食べると邪念に囚われるので食べてはいけないとされていることから、ギョウジャニンニクを食べることを禁止されていたので名付けられたという説もあります。

ギョウジャニンニクの特徴①におい

出典:写真AC

ネギ属の野菜たちはニラ・ネギ・らっきょうなどのように「においが強い」ものが多いですが、同属のギョウジャニンニクもやはり「強烈なにおい」です。そのにおいはニンニクを超える勢いがあるほどです。なぜならギョウジャニンニクは「アリシン」をニンニクより多く含有しているからです。

ギョウジャニンニクに含まれるアリシン

ギョウジャニンニクの葉をギュッとするとニンニク臭がしてきます。これは傷をつけると「アリシン」というにおいの元となる殺菌成分が出る仕組みになっていて、そのアリシンが出た部分だけがにおうのです。そのためギョウジャニンニクは、傷をつけない限りニンニクのにおいがしない構造です。

ギョウジャニンニクの特徴②味

Photo by jetalone

ギョウジャニンニクは「山菜」として食します。山菜というと若々しい苦味やえぐみがありますが、このギョウジャニンニクにはまったくないのが特徴的です。

ギョウジャニンニクの美味しさ

出典:写真AC

同属のニラのような歯にギュッっと詰まるような食感はなく、このギョウジャニンニクは「ちょうどいいシャキシャキ感」があります。また、ニンニクのような強い味はなく、ほどよいニンニクの香りで万人受けする味となっています。

ギョウジャニンニクの花

Photo by pika1935

6~7月の初夏、上部に白色か淡い紫色の小さな花を多数つけて球状になったものを見ることができ、色も形もネギの花にとてもよく似ています。北海道ではギョウジャニンニクのことを「アイヌネギ」「エゾネギ」のように「ネギ」という表現を入れていますが、ギョウジャニンニクの花がネギの花に似ていることから名付けられたという説があります。

ギョウジャニンニクの旬の時期

出典:写真AC

近年、ギョウジャニンニクの栽培技術が確立され、1月頃からハウス栽培のものを見かけますが、天然や露地栽培のものは他の山菜同様、4月中旬~5月中頃に旬の時期を迎え、北海道以外の産地物も同様に市場に出回ります。

ギョウジャニンニクの産地

出典:写真AC

流通しているギョウジャニンニクのほとんどの産地は北海道です。北海道では先住民のアイヌが食べていた食材であることから「アイヌネギ」「キトビロ」とも呼ばれています。また近年の栽培技術の確立により、東北の山形県鶴岡市・宮城県石巻市、長野県も、北海道に次ぐ産地となり出荷されるようになりました。

ギョウジャニンニクの収穫

出典:写真AC

収穫までに少なくとも3年、株が太く良質なものを収穫できるまでに5~8年かかります。これはギョウジャニンニクの成長の遅さによるもので、ギョウジャニンニクの天然物と露地収穫の物が激減している理由の1つともいわれています。

ギョウジャニンニクの山菜としての見分け方

出典:花ざかりの森

山菜として採取する場合のギョウジャニンニクの見分け方をご紹介します。

山菜としての見分け方①根本

出典:写真AC

ギョウジャニンニクの山菜としての見分け方の1つに「根本」があります。ギョウジャニンニクの根本は「際が網目状の繊維で覆われている」「茎が赤紫色」となっています。

山菜としての見分け方②におい

ギョウジャニンニクの山菜としての見分け方で最も間違いのない方法が「におい」を確かめることです。ギョウジャニンニクの葉をギュッとすると「ニンニク臭」がするので誰にでもすぐにわかります。

ギョウジャニンニクとイヌサフランとの違い・見分け方

出典:写真AC

死亡事故も発生する危険な毒草『イヌサフラン』との違いをまとめました。見分け方のポイントとして「葉っぱの形」「におい」「球根の形」の違いがあります。くれぐれも間違いのないように、十分に注意をしましょう。

■見分け方のポイント

  ギョウジャニンニク イヌサフラン
葉っぱの形 1芽から1~2枚と少ない。形は楕円形で基部が細い 大きな葉がたくさん重なりあっている
葉をギュッとして臭いをかぐ ニンニク臭 無臭
球根の形 細くにおいもある 茶色で丸い

まとめ

出典:写真AC

昔はギョウジャニンニクの流通はほとんどありませんでしたが、ギョウジャニンニクの栽培技術が確立されたことにより、旬の春時期、スーパーでよく見かけるようになってきました。皆さまも、ぜひギョウジャニンニクを探してみてください。

nagomi@0303
ライター

nagomi@0303

葉っぱ好きな「野菜のソムリエ」です

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