枝垂れモミジとは?庭のシンボルツリーにもなる樹木の概要と剪定方法を解説!

枝垂れモミジとは?庭のシンボルツリーにもなる樹木の概要と剪定方法を解説!

枝垂れもみじは和風・洋風どちらにも合わせられるシンボルツリーとして、また庭木として人気があります。新芽も赤い枝垂れもみじは、庭の印象を華やかにしてくれます。そこで本記事では枝垂れもみじの特徴と、失敗しない剪定方法や栽培方法を詳しく解説してあります。

記事の目次

  1. 1.枝垂れもみじとは
  2. 2.枝垂れもみじの特徴
  3. 3.枝垂れもみじの育て方
  4. 4.枝垂れもみじの増やし方
  5. 5.枝垂れもみじの剪定時期
  6. 6.枝垂れもみじの剪定方法
  7. 7.庭のシンボルツリーとしての枝垂れもみじ
  8. 8.枝垂れもみじの種類
  9. 9.その他のモミジの種類
  10. 10.まとめ

枝垂れもみじとは

著者撮影

出典:筆者撮影

枝垂れもみじとは、日本原産であるヤマモミジの枝垂れ性品種のことです。品種は代表的な「手向山」をはじめ数多くあります。赤葉の枝垂れモミジの呼称で別名「ベニシダレ」と呼ばれ、切れ葉の枝垂れ性のモミジが代表的です。

枝垂れもみじの特徴

出典:筆者撮影

枝垂れもみじは、春に出る葉が紅色で、枝が垂れるモミジの総称です。ムクロジ科カエデ属に属し、数多くの品種があります。枝垂れモミジや紅シダレはヤマモミジの園芸品種です。

葉の特徴

枝垂れもみじの葉の特徴は、長さ約5センチ、幅3cmほどで7~9つに裂け、縁にギザギザが目立つことです。また、切れ込みの深いところも特徴とされます。春の出芽は紅く夏は緑色に、秋には黄色あるいは褐色に変化して落葉していきます。この色の変化がとても美しく、趣があるため庭のシンボルツリーとして人気が高いと言えます。

枝垂れもみじの開花

出典:筆者撮影

枝垂れもみじの開花は他のモミジと同様、新葉の展開と共に花が咲きます。花は葉と同じような色合いで、葉の大きさに比べ小さく目立たない特徴があります。開花時期は4月から5月にかけて、小さな花を咲かせます。カエデ類の花は風媒花と言われ、花のあとに翼果とよばれる羽のような種をつけるものが多いです。プロペラのような形で風に運ばれやすいようになっています。

枝垂れもみじの育て方

出典:筆者撮影

枝垂れもみじの育て方を詳しく解説していきます。

栽培場所

鉢植えの場合、日当たりが良く風通しの良い戸外が最適の育て方です。夏は半日陰になるようにして、乾燥を防ぎます。冬は風や霜の当たらない場所に移動させて下さい。庭に地植えの場合は、通気性と水はけがよく、適度な湿度を保つ肥よくな土で育ててみましょう。

用土

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赤玉土(小粒)をベースに腐葉土と黒土を混合します。また、盆栽の用土は赤玉土を単独で用いることもあります。混合比率の目安は、「赤玉土7:腐葉土1:黒土2」と覚えておけば枝垂れもみじの育て方は難しくありません。

水やり

庭に地植えの場合は水やりは基本的には不要です。鉢植えでは、夏期に水切れを起こさないように鉢底から水が流れるくらい十分に行います。水分が不足すると葉がしおれたり湾曲を起こします。

春・秋の水やりの目安

1日に1~2回が最適です。

夏の水やりの目安

1日に2回を目安にして、乾燥に注意しましょう。

冬の水やりの目安

2~3日に1回ほどで構いませんが、極端な乾燥には注意が必要です。

肥料の与え方

出典:筆者撮影

若木であれば、有機性肥料を4月から6月までに施します。成木の場合は落葉後すぐに、有機物と緩効性の化成肥料を混合したものを施し、さらに4月にもう一度与えて下さい。枝垂れもみじは落葉し休眠期に入っても、その後早い時期に吸水を始めるので、遅れないように肥料を施しておくと育て方に失敗がありません。

病気

うどんこ病やすす病が発生しやすいです。うどんこ病は梅雨時期などに発生し、葉が白く粉をふいたような状態になります。また、すす病は成熟した葉がかかりやすい病気です。いずれも風通しをよくして、殺菌剤を与えるなど予防して下さい。育て方のポイントは病気に注意することも大切です。

害虫

出典:筆者撮影

「アブラムシ」「テッポウムシ(ゴマダラカミキリ)」「ミノムシ」「コウモリガ」などが発生します。特に新緑のころのアブラムシは大量に発生するため要注意です。

アブラムシ

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葉に付いたアブラムシは栄養を吸い取ってしまうため樹木の生育が悪くなります。市販の殺虫剤などで早めに退治して下さい。また、庭の他の植物に移ることがないように注意しましょう。

テッポウムシ(ゴマダラカミキリ)

幹をテッポウムシが食害し枝垂れモミジにとって致命傷になることがあります。見つけたら早めの駆除を行いましょう。

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植付け・植替え

鉢植えの場合、2年か3年に1回の割合で植替えを行います。

植替え時期

鉢植えの植替え時期は1月~2月が最適とされます。また、庭に植え替える時期は、2月から3月ごろが適期です。植替えの植穴に、腐葉土などの有機物をよく混ぜてから植付けましょう。

枝垂れもみじの増やし方

園芸品種は挿し木、野生種は実生(タネまき)が一般的な増やし方です。

挿し木のポイント

出典:写真AC

挿し木は難しいとされる枝垂れもみじですが、いくつかのポイントを押さえることで活着率を高めることが出来ます。

挿し木ポイント①

ポイント①は挿し木の時期です。失敗しない適期は5月下旬から7月上旬に行います。

挿し木ポイント②

当年枝の半熟枝を挿し木します。これを10~15cmほどに切って赤玉土などの清潔な用土にさすことがポイントです。

挿し木ポイント③

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ミストざしや密閉ざしを行い、発根促進剤を塗布するなどしておきましょう。こうすることで挿し木の活着率はグンと高くなります。

枝垂れもみじの剪定時期

出典:写真AC

枝垂れもみじをはじめモミジ類の剪定に失敗した経験はありませんか。剪定したはずの枝が逆にドンドンと伸び始めて、改めて樹勢の強いモミジに驚かされることはよくあります。そこで失敗しない剪定方法を解説します。

剪定時期①

枝垂れもみじの剪定時期は初冬から2月になる前が一番最適です。2月になると枝垂れもみじは眠っているように見えても活動を始めています。枝を切ってみると水分が垂れてきますので、活動の判断は分かりやすいです。真冬の剪定を避けたいのであれば落葉後すぐに剪定しましょう。

冬に剪定する理由

なぜ冬の剪定がいいのか、その理由はいくつかあります。

  1. 夏の剪定は樹勢を弱らせるため
  2. 夏の剪定は切った以上に葉が伸びる可能性があるが、冬は伸びない
  3. もみじの休眠期であるため余分な枝や、太い枝を切り落とせる
  4. 蜂や害虫がいない
以上のような理由から落葉後の剪定が最適とされます。

剪定時期②

冬の剪定時期を逃した場合は7月の始め頃に剪定して下さい。この時期の剪定は、樹形を整える程度の徒長枝を切るのみにしましょう。また、どうしても伸びすぎた時には、紅葉を諦めて9月過ぎ頃に行うことも出来ます。

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枝垂れもみじの剪定方法

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