イチジク(無花果)って花はあるの?いつどこに咲く?花の特徴を解説!

イチジク(無花果)って花はあるの?いつどこに咲く?花の特徴を解説!

無花果は花がない果物という意味なのか、イチジクに花はあるのか、いつどこで花が咲くのか、どうやって実をつけるのか、などイチジクまつわる謎についてまとめました。豊かに果実をつけるイチジクの花言葉の由来についても詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.イチジク(無花果)とは
  2. 2.イチジク(無花果)はいつ咲くの?
  3. 3.イチジク(無花果)の花言葉
  4. 4.まとめ

イチジク(無花果)とは

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イチジクの概要

イチジクはクワ科イチジク属の落葉性の果樹です。樹高2~5mになり、亜熱帯のアラビア半島南部・地中海沿岸地方原産です。熟すと独特の甘みをもち、柔らかくプチプチとした食感がおいしい、日本でも親しまれている果物です。

イチジクの名前

イチジクの英名は“Fig tree”(フィグトゥリー)、学名は“ Ficus carica”(フィカス カリカ)です。イチジクの和名は「無花果」(イチジク)です。別名は「トウガキ」、生薬名は「無花果」で「ムカカ」と読みます。「花のない果物」らしい名前ですね。イチジクの果実には便通を整える作用などがあります。

イチジクの特徴

イチジクは日当たりのよい土地を好む小高木です。受粉樹が不要で、1本だけで結実します。摘花や人工授粉などの作業も不要なので、栽培に手間がかからないので、果樹の中では簡単に育てることができます。寒さにはやや弱く、関東地方以北での地植えの栽培は難しいので、鉢栽培にして、寒い冬は室内で管理すると越冬もできます。

イチジク(無花果)はいつ咲くの?

イチジクの開花時期は6月~9月です。その開花の時期にイチジクの花は咲いているということですが、イチジクの木に花が咲いている姿を見ることはありません。いったいどこに花をつけているのでしょうか。漢字で「無花果」と書きますし、本当に花がないのでしょうか?

イチジクの花はどこにあるの?

イチジクにも花はあります。花は実の中にひっそりと隠れて咲くという、とても変わった性質をもっています。花は咲くのですが、外からは見えないという不思議な植物です。イチジクの実の内側には袋のような空洞があり、その袋の内側に小さな花がぎっしりと並びます。

イチジクの名前の由来

私たちが果実としておいしく食べているイチジクの内側が、実はイチジクの花だったのです。そのようなわけでイチジクには花がありました。ただし外からは花が見えないため、花が咲かないのに実をつけている思われていたのですね。そのため「無花果」という漢字をあてられたといわれています。

イチジクの果実の構造

イチジクの実を半分に切ってみましょう。もっとも外側には白い果肉層があります。その内側に赤いつぶつぶが見えます。これがイチジクの種子です。一般に果物として食用にする部分は、花嚢(かのう)と呼ばれます。イチジクは6月ごろになるとこの花嚢の中で白い花を咲かせます。

イチジクの受粉

6月に花嚢の中で咲いたイチジクの花は、種をつけます。実の中で咲いた花がどんな風に受粉するのか気になるところではないでしょうか。イチジクは他の植物のように風やミツバチが花粉を運んでくれるとも考えられない形状です。イチジクの種は固い殻に守られているため、花粉がはいりこんでいくような隙間があるとも考えられません。

イチジクの受粉の秘密

この秘密のカギを握るのは「イチジクコバチ」という昆虫です。イチジクコバチもイチジクなしでは子孫を残すことができない共生の関係です。野生のイチジクのおしりの小さな穴からこの小さなハエが入り込んで卵を産みます。

イチジクコバチの働き

イチジクコバチの卵はイチジクの花嚢(かのう)の中で孵化(ふか)して、幼虫になります。成虫になったイチジクコバチが他のイチジクに入り込んで産卵します。このときにイチジクコバチの体には、花粉がついています。その花粉によってイチジクは受粉できているのです。

イチジクにはイチジクコバチがいるの?

このようにイチジクは、イチジクコバチの協力によって受粉ができるのです。そうなると私たちが果物として口にするイチジクの中からイチジクコバチが出てくることもあるのでは?と心配になりますが、安心してください。日本にはイチジクコバチはいませんし、単位結果性という受粉することなく実がなる性質を備えているので安心して楽しんでくださいね。

日本のイチジクは挿し木で増える

日本の冬はイチジクコバチにとっては寒すぎるため生きていけません。日本のイチジクは挿し木によって増やしているので、受粉できなくても問題ありません。枝を切って土に挿しておくだけで、次々に増えるなんてすごいですね。

イチジク(無花果)の花言葉

イチジクの花言葉は、「子宝に恵まれる」「実りある恋」です。イチジクの木には多くの実がつくことから、「裕福」「平安」「豊富」などの豊かなで幸せにあふれた状態を表す花言葉が与えられたと考えられます。イチジクの実は妊娠を望む人にはよいとされているので、ぴったりな花言葉ですね。

まとめ

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イチジクの花がいつどこに咲くのかという疑問は解決したでしょうか?イチジクの不思議な魅力を紐解いてみました。「無花果」の漢字があてられた理由がわかりましたね。次にほんのり甘いイチジクの果実を味わうときには、この秘密について、そして豊作を連想させる素敵な花言葉を思い出してみてください。

Frankincense
ライター

Frankincense

オーガニックコスメのスキンケアデザイナー。スキンケアは食べることからはじまると考えています。体の内側と外側からのスキンケアに使用する植物について興味があります。

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