イタドリとは?山菜としての特徴・効能やおすすめの食べ方までご紹介!

イタドリとは?山菜としての特徴・効能やおすすめの食べ方までご紹介!

「すかんぽ」「かっぽん」「しゃっぽん」「ごんぱち」などの別名をもつイタドリは、古くから親しまれてきた山菜です。この記事では、イタドリの効能や食べ方を紹介します。効能を実感できる食べ方で、イタドリをおいしく味わってみましょう。

記事の目次

  1. 1.春を告げる山菜「イタドリ」とは
  2. 2.イタドリの特徴
  3. 3.イタドリの効能
  4. 4.イタドリをおいしく食べるには?
  5. 5.イタドリのおいしい食べ方
  6. 6.イタドリによる影響
  7. 7.イタドリをおいしく食べてみよう

春を告げる山菜「イタドリ」とは

出典:写真AC

古くから親しまれてきた山菜

イタドリはタデ科ソバカズラ属の多年生植物です。茎は筋が多く赤い斑点があり、道のわきや土手などにはえています。春の若芽の時期(4~5月)の新芽はやわらかく、天ぷらなどの栄養豊富な山菜料理として食べられます。また、民間薬としても親しまれてきました。

生育場所

出典:写真AC

イタドリの原産地は日本、台湾、中国などです。日当たりのよい土手、丘、道ばた、荒地などでもみかけられます。日本では北海道西部より南の野山に広く自生しています。繁殖力が旺盛でイタドリがはえると、ほかの草木を圧倒してしまうほどです。

名前の由来

出典:写真AC

和名のイタドリは、体の痛みのある部分にイタドリをすりつぶしてつけると痛みがやわらぐことから「痛み取り」が転じて「イタドリ」になりました。また、茎の赤い班点を虎の模様に見立てて、漢字では「虎杖」と書きます。

ボタニ子

ボタニ子

葉の表面から糸状のものがでるので「糸取」と書くこともあるよ!

別名が多い山菜

「すかんぽ」も別名のひとつです。茎を折ると「ポン!」と音がして、酸っぱいからスカンポ(酸模)と呼ばれたといわれます。ほかにも「いたずり」「かっぽん」「ごんぱち」「しゃっぽん」「いたんぽ」「どんぐい」「すっぽん」「えったん」「だんち」「すかんこ」など、多くの別名が並びます。呼び名が多いのは、古くから身近にあり、親しまれてきたからなのかもしれません。

ボタ爺

ボタ爺

各地で親しまれてきたから、食べやすい天ぷら以外にも、それぞれの土地でイタドリの料理レシピがあるんじゃな。

イタドリの収穫時期

出典:写真AC

料理に使われるのは、イタドリの新芽の部分です。春(4~5月ごろ)に芽吹くタケノコに似た若い茎は、栄養豊富でほんのり紅色をおびています。春にはみずみずしくやわらかい茎をぽきんと折って皮をむいて食べましょう。葉もやわらかいうちなら、天ぷらなどに調理してみてください。

イタドリの特徴

出典:筆者撮影

イタドリは節が多く、春の芽吹きの季節にはアスパラガスのようです。茎は円柱状で中は空洞になっています。春の茎には赤い班点が現れるのが特徴です。春が過ぎると次第に木質化し、高さは1~2m近くにも達します。

葉の特徴

出典:写真AC

互い違いについた葉は、全体的に丸みがあり先端はとがっています。ところどころに赤い斑点があるのが特徴です。長さは10cm~15cmの卵のような楕円形で、縁はかすかに波打ち、秋になると黄色く変色します。春の若くてやわらかい葉が食用とされます。

花の特徴

出典:写真AC

イタドリの開花時期は春~秋(7~10月ごろ)で、お月見のころに花がよく咲きます。枝の先端に3mmほどの小さな白い花つけ、花弁は雄花より雌花が大きいのが特徴です。雄花は咲いてもすぐに枯れ落ちてしまいます。ときに花の色が赤みをおびることがあり、その花はベニイタドリ(名月草)と呼ばれます。

種の特徴

出典:写真AC

花が咲き終わり秋になると雄株には果実が熟し、特徴的な3枚の翼をつけたハート形の種子は風に運ばれて飛散します。春になるとこの種が芽吹き、地下茎を伸ばし始めます。

ボタニ子

ボタニ子

種がついた状態でドライフラワーにして、観賞用のアレンジメントするのもおすすめよ。

根の特徴

出典:写真AC

イタドリは、刈り取られてもはえてくる強い繁殖力をもっています。この強い生命力の理由は地下茎です。地下茎はどんどん広がり、芽吹いて生息地を広げます。根は冬でも枯れることもなく、切断した根からも発芽します。

ボタ爺

ボタ爺

この根茎部を乾燥させて、生薬に利用するんじゃぞ。

イタドリの効能

Photo byvivi14216

効能の多い生薬として使われてきた歴史がある

古くからイタドリの乾燥した根茎は、虎杖根(コジョウコン)という生薬として使われてきました。虎杖根(コジョウコン)は医薬品原料として扱われています。

効能①止血・痛みを和らげる

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イタドリの若葉は痛みをやわらげる、血を止めるなどの効能が期待できます。「痛みを取る薬」として民間療法として使われてきました。傷口に若い葉をもんで使用します。

効能②便通を促す

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虎杖根に含まれるアントラキノン類には緩下作用があるとされます。この作用で、ゆっくりと下痢を促され、便通を整えるのに効果的です。また、緩下作用による利尿効果や月経不順の緩和も期待できます。

効能を実感できる使い方

  1. 10~11月になってイタドリの茎や葉の部分が枯れたら、根をほりだして水洗いする
  2. 長さ5~10cmほどに切り、風通しのよい場所で乾燥させる(この状態が虎杖根)
  3. 鍋に8~10gの根とコップ3杯の水を加え、水の量が半分になるまで煮詰めてこす
  4. 1日3回に分けて食間に服用する

効能③美肌づくり

フリー写真素材ぱくたそ

イタドリの根の部分にも、薬効の高い成分が含まれています。根には、強い抗酸化作用で知られるポリフェノールの一種である「レスベラトロール」という薬効成分も含まれています。抗酸化作用は体のサビを防ぎ、美肌作りにも効果的です。レスベラトロールは、ブドウの皮や赤ワインに多く含まれるということが知られています。

レスベラトロールの副作用

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レスベラトロールを多量に摂取すると、数日後に腹痛、下痢などの副作用があらわれることが報告されています。妊婦、授乳期の女性、子宮内膜症など女性特有の疾患がある場合は副作用を考慮して摂取を控えましょう。

レスベラトロールを含むサプリメントにはイタドリが使われている?

レスベラトロールを含むサプリメントが流通しています。海外ではイタドリから抽出したものも存在しますが、日本ではイタドリの根は生薬の医薬品原料のため、サプリメントには使用できません。サプリメントにはイタドリではなく、オオイタドリが使用されることがあります。

ボタニ子

ボタニ子

オオイタドリは東北地方、北海道に自生しているよ。草丈が3m、葉の大きさは30cmにもなるの!

ボタ爺

ボタ爺

イタドリとオオイタドリは効能は同じじゃが、オオイタドリは医薬品ではなく、サプリメントへの使用が可能なんじゃよ!

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イタドリをおいしく食べるには?

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