摘心(摘芯)とは?その意味や役割を解説!芯止め・ピンチとの違いは?

摘心(摘芯)とは?その意味や役割を解説!芯止め・ピンチとの違いは?

摘心(摘芯)とは新芽を摘み取ることです。せっかく出てきた新芽を摘み取ることはかわいそうな気もしますが、植物を元気に育てるための方法として摘心(摘芯)はとても重要な役割があります。ここではなぜ摘心が植物の成長に良いのか、摘心の意味や役割を解説します。

記事の目次

  1. 1.摘心(摘芯)とは
  2. 2.摘心(摘芯)の役割
  3. 3.摘心(摘芯)と剪定の違いは?
  4. 4.摘心(摘芯)と芯止め・ピンチの違いは?
  5. 5.摘心(摘芯)の時期とやり方
  6. 6.摘心(摘芯)で収穫量を増やせる野菜
  7. 7.まとめ

摘心(摘芯)とは

まず・・・摘芯なの?摘心なの?どっち?

「摘芯」も「摘芯」どちらも同じ意味だよ!

摘芯は植物の茎の先端を摘み取ること

植物全体をバランスよく丈夫に育てるため

摘心とは、簡単にいえば植物の茎の一番先端にある芽(頂芽)を摘み取る作業のことです。これは葉や花の数を増やしたり、実の質や収穫量を増やすなど植物全体をバランスよく丈夫に育てるために必要な役割でもあります。漢字では「摘芯」と使われることもあり、「摘心」「摘芯」のどちらも使用されます。

摘心(摘芯)の役割

頂芽優勢(ちょうがゆうせい)とは?

先端の芽を優先に栄養を送る

植物には頂芽優勢(ちょうがゆうせい)という性質があります。これは、茎の一番上につく芽に優先して栄養を送り成長させようとするはたらきです。そのため摘心(摘芯)をせずに放っておくと下についた脇芽には栄養が届かず成長できないため株は枝葉や花を増やすことができません。

摘心(摘芯)の効果

脇芽に栄養が届き枝ぶりが良くなる

放っておくとどんどん上に伸びてしまう植物の先端の芽を摘み取ることによって、脇芽に栄養が届くようになります。そのため脇芽が増えて枝ぶりが良くなり、葉を茂らせ花の数や果実の収穫を増やすことができます。このように摘心(摘芯)には植物の成長に必要な栄養をバランスよく届かせるための大事な役割があります。

摘心(摘芯)と剪定の違いは?

Photo byjackmac34

*写真:バラの剪定

「剪定」って言葉もあるじゃない。何が違うの?

剪定とは

余分な枝や茎を切って取り除く作業の総称

剪定とは、植物の成長のバランスを整えるために枝や茎、葉や花を切って取り除く作業の総称です。形を整えて見た目を良くする目的のほかに伸びすぎた枝や茎を切ることで栄養の吸収率をアップさせ植物をたくましく成長させたり、増えすぎた葉や枝を取り除いて風通しを良くすることで病気や害虫などを予防します。

摘心(摘芯)も剪定作業のひとつ

植物が横に広がるように成長させるため茎先を摘み取る摘心(摘芯)は、剪定作業のひとつされており「軽剪定」の種類に分けられています。摘心(摘芯)をすることで花や葉の数を増やしたり実の収穫量が増えたり、植物全体をこんもりと元気に育てることができます。

剪定には「基本剪定」と「軽剪定」がある

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バッサリ切り落とす「基本剪定」と花や実のつきを良くする「軽剪定」

剪定は大きく分けて2種類あり、植物の見栄えを整えたり元気に成長させるために余分な枝や茎をバッサリ切り落とす「基本剪定」と、植物の生育期に株の枝ぶりや花や実のつきを良くするため枝先や茎先を切ったり、枯れてしまった葉や花がらを取り除いて病気や害虫の予防をする「軽剪定」があります。

基本剪定の種類

切り戻し

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切り戻しとは、見栄えを整えながら茂りすぎた枝や茎を切ることです。切り戻しで株の根元にも日が当たるようにすると植物を元気に育てることができ、風通しも良くなるので枯れにくくなります。植物の種類によって切り戻しに適した時期が違ったり、切り戻ししすぎると弱ってしまうことがあるので注意が必要です。

間引き剪定・透かし剪定

間引き剪定とは、植物の形を変えないように成長しすぎた枝や古い枝を枝元から切り落としたり、密集した場所の枝を切って適度な隙間を作り風通しを良くしたりすることで、「透かし剪定」ともいわれます。枝の太さや長さがバラバラの状態だと均等に栄養が届かないため、枝の大きさや葉の付き方が均一になるように切りそろえる剪定の方法です。

仕立て直し

仕立て直しとは、大きく育ちすぎた植物の幹や枝を切って全体的に小さくしたり、見た目のバランスを乱している枝や葉を切って整えたり、鉢植えで元気がなくなった株や大きくなりすぎた株の枝や茎を取り除き、別の鉢に土を変えて植え直したりすることです。

軽剪定の種類

既述の通り、摘心(摘芯)は「軽剪定」の種類に分けられますが、ほかにも軽剪定には種類がありますので、ご紹介します。

脇芽かき

脇芽かきとは、葉のつけ根や茎の脇から出てくる脇芽(わきめ)を摘み取ることです。栄養が分散しないように実を大きく育てたいときに必要な作業です。また逆に脇芽を利用する種類もあるので適切な栽培方法をおこないましょう。

摘蕾(てきらい)、摘花・摘果(てきか)

摘蕾(てきらい)とは、蕾(つぼみ)を摘み取ること、摘花・摘果(てきか)とは、花や実を摘み取ることです。花や実がつきずぎると株に負担がかかり植物が弱りやすくなります。花の数を調整して開花を長く楽しんだり、実の大きさや質をあげることができます。

摘心(摘芯)と芯止め・ピンチの違いは?

「ピンチ」や「芯止め」って言葉も聞くけど・・・どう違うの?

剪定作業として同じ意味に使われる

「芯止め」や「ピンチ」も「芽を摘む」こと

摘心(摘芯)は、間引きや仕立て直しなどの剪定の作業として位置づけされています。ピンチは英語で「つまむ」という意味があり、また茎の先端につく芽のことを「芯」とも呼ぶため、「芯止め」や「ピンチ」も頂芽の成長を止めるため芽を摘むという同じ意味になります。

摘心(摘芯)の時期とやり方

株が若いうちに

最初の摘心(摘芯)は植え付けから葉が7~8枚になったら始めてみましょう。株が若いうちに全体的な新芽を摘み取ります。順番に伸びてきた茎先を様子をみながら摘心(摘芯)していきましょう。生育期におこないますが生育期は植物によって違うので、事前に調べておくとよいでしょう。

手で摘み取るかハサミで切り取る

摘心(摘芯)のやり方として、手でひねって摘み取るやり方と、ハサミで切り取るやり方があります。ハサミを使う場合は、他の植物と一緒に使用していると病気がうつる可能性があるので、きれいに洗ったり消毒してから使いましょう。

開花の時期に注意する

植物は摘心(摘芯)をしたあと数週間は花が咲かなくなります。花を楽しみたい場合は開花期間が短い花や開花時期に注意しましょう。また摘心(摘芯)をしずぎると弱ってしまう植物もあるので、育てる植物の特徴を調べることも必要です。

摘心(摘芯)で収穫量を増やせる野菜

家庭菜園で収穫量が増やせる野菜をご紹介します。

Photo byDaria-Yakovleva

*写真:トマトとバジル

たくさん実をつける野菜の例

例①トマト、ミニトマト

Photo by iyoupapa

*写真:ミニトマト

トマトは生育するほど実をたくさんつけますが、背丈が高くなりすぎると栄養が届かなくなり良い実ができなくなります。トマトは葉が3枚つくごとに花の房が1段できます。花の房が下から数えて5~6段ついたら摘心(摘芯)のタイミングです。上に葉を2~3枚残してから摘み取りましょう。

例②ゴーヤー

Photo by sayo-tsu

*写真:ゴーヤー

ゴーヤーは親づるから出る脇芽の子づるに実をたくさんつけるため、たくさん収穫したい場合は親づるの本葉が5枚前後ついたころに親づるの頂芽を摘み取ります。子づるは上についた数本だけ選び、下の残りの子づるは摘み取ります。

例③枝豆

枝豆は枝の付け根や節にさやができるため、摘心(摘芯)をすることで枝の数を増やし収穫量を上げることができます。また草丈を低くすることで株が安定し倒れにくくなります。摘心(摘芯)は本葉は5~6枚つき、側枝(そくし)が5本くらい出てきたら頂芽を摘み取りましょう。

葉が茂り収穫量が増える野菜の例

例①バジル

Photo by yuko_ppp2501

*写真:バジル

バジルは花穂が出てくると葉が固くなるので、摘心(摘芯)は7月~8月の花の時期を迎える前におこないましょう。地面から3節ほど成長していれば夏場でなくても摘心(摘芯)ができます。摘み取った葉はそのまま料理にも使えます。

例②シソ

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シソは葉が10枚以上つき、草丈が30cmくらいになってから茎先の芽を摘み取ります。摘心(摘芯)のタイミングが早すぎると葉が成長せず株が弱ってしまうので気をつけましょう。また草丈が高くなりすぎると葉が固くなったり、害虫被害が発生したりするので適度な大きさになったら摘心(摘芯)をおこないましょう。

まとめ

植物を元気に育てる方法のひとつとして摘心(摘芯)は欠かせない大事な作業です。花の開花を長い間楽しむことができたり野菜の収穫が増えたりといいことばかりです。ただ種類によって摘心(摘芯)にむかない植物もあるので育て方に気をつけながら栽培を楽しみましょう。

c.sunpeach
ライター

c.sunpeach

よろしくお願いいたします。

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