意外と簡単な木酢液の作り方を解説!天然成分で家庭菜園にも安心!

意外と簡単な木酢液の作り方を解説!天然成分で家庭菜園にも安心!

ニンニクやトウガラシなどを漬け込んで作る木酢液は、作り方あ難しそうに見えて、実はとても簡単です。スプレーするだけで虫除けなどの効果があるうえ、自然由来原料で安心して使えます。今回はさまざまな素材を漬け込む木酢液の作り方や使い方を紹介します。

記事の目次

  1. 1.木酢液とは
  2. 2.木酢液に期待できる効果
  3. 3.オリジナル木酢液を作ろう
  4. 4.木酢液使用上の注意
  5. 5.木酢液保管上の注意
  6. 6.まとめ

木酢液とは

木酢液は、木炭を作るときに生じる煙を冷却して製造する液体です。古くは木材の防腐剤にも活用されていました。明治時代ごろから農業に活用され始めたといわれており、現在もその効果について実験や研究がおこなわれています。また農業利用のほかに水虫やアトピー治療、食品添加物として使用されるなど幅広く活躍している植物エキスです。

他の植物と組み合わせて活用できる

Photo bykerdkanno

木酢液のみでも活用できますが、他の植物や卵の殻などを漬け込むだけで簡単にエキスを抽出して使える点が大きな魅力です。あわせる材料によって虫除け効果があったり、病気の予防効果があったり、アミノ酸資材になったりするなどとさまざまなバリエーションがあります。そんなオリジナル木酢液の作り方については後ほどご説明します。

木酢液に期待できる効果

オリジナル木酢液の作り方を説明する前に、木酢液自体の効果を押さえておきましょう。木酢液は有機酸やフェノール類、アルコール類など、なんと200種類以上の成分を含みます。数種類の成分から作られる化学農薬と異なり、それらが互いに作用し合ってさまざまな効果を生み出す点が大きなメリットといえます。

木酢液の効果①虫除け効果

木酢液は農薬のように殺虫作用があるわけではありませんが、植物の健全な生育を助けることで害虫が寄り付きにくくなるといわれています。木酢液を野菜などに葉面散布すると植物体内のたんぱく質合成が助けられ、細胞を丈夫にしてくれるというメカニズムです。

クチクラ層(ワックス層)を強くして防虫

Photo byJerzyGorecki

野菜など植物の表面に存在するのが、クチクラ層(ワックス層)と呼ばれる組織です。ここが強く丈夫であれば害虫の食害を妨ぎやすくなり、さらに病原菌にも侵されにくくなります。また害虫は植物が発する匂いによって集まってくるといわれ、クチクラ層が厚くなることで植物の匂いも漏れにくくなり、虫除けにつながっていると考えられます。

木酢液の効果②土壌中のミネラル吸収を促進する

近年は土壌分析技術や植物体分析技術の向上により、窒素、リン酸、カリといった栄養素だけでなく、幅広いミネラルの重要性が認識されてきています。しかし土壌分析にもとづいてミネラルを施肥しても、植物体が吸収できるかどうかはまた別の問題です。木酢液はそういった土壌中のミネラルを植物が吸いやすい形にしてくれるため、野菜などが健全に生育しやすくなります。

木酢液、竹酢液に含有する酢酸やプロピオン酸類の有機酸が土壌中のミネラルをキレート化し、作物へ吸収しやすくする。

木酢液の効果③土壌病害を減らす

木酢液は、殺虫作用と同様に殺菌作用もありません。厳密にいえば、原液に近いような希釈倍率の低い木酢液なら強い殺菌効果がありますが、あまりに酸度が強いため植物のほうが枯れてしまいます。したがって木酢液は希釈倍率500倍以上の濃度で散布しなければなりません。希釈倍率500倍になると酸度は大分下がり、殺菌作用はほとんどなくなってしまいます。

有用微生物を助けて病原菌を抑える

殺菌作用のない木酢液でどのように病原菌を減らしているのでしょうか。実は木酢液は植物の表面や土壌中にいる有用微生物の増加を助けるはたらきをしています。木酢液に豊富に含まれる有機物が、有用微生物のエサになっているのです。こうして増加した有用微生物が病原菌を抑制し、土壌病害を発生しにくくしているという仕組みです。

次のページでも、木酢液の効果を見ていきます!

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オリジナル木酢液を作ろう

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