接ぎ木苗とは?
接ぎ木の読み方
よく耳にする言葉も漢字にするとパッとわからない時がありますよね。そもそも接ぎ木の読み方ってなんだろう?という方もいるかもしれません。「接ぎ木」と書いて「つぎき」と読みます。
接ぎ木とはどんな方法?
接ぎ木とは根がついている台木を親木として、同じ属の植物の枝や芽(接ぎ穂)を接ぐ方法です。この方法によって両方のよい性質を持った新しい植物を作るこができるという利点があります。
どんな植物で利用されているか?
接ぎ木苗はとても身近な植物で多く利用されています。主にどのようなものがあるかあげてみましょう。
野菜の場合
- トマト
- ナス
- ピーマン
- キュウリ
- スイカ
- メロンなど
果樹や花ものなど
- リンゴ
- ウメ
- ナシ
- ブドウ
- バラ
- サクラ
- ハナミズキ
- サボテンなど
接ぎ木苗と実生苗との違い
実生苗の読み方
簡単な漢字ですがいざ読もうとするとじっせい…?となる方もいるのではないでしょうか。「実生苗」の正しい読み方は「みしょうなえ」です。
実生苗とは?
実生苗は種から育てた苗のことをいいます。種をまいて自分で苗を育てたり、販売されている苗で入手します。
実生苗のメリット
なんといっても一番の利点は安いということです。市販の種を買ってきてご自宅でまけば、一度にたくさん苗を作ることが可能です。またすでに苗で販売されているものも、接ぎ木苗に比べ安いものが多くたくさん植えたい人にはよいでしょう。
実生苗のデメリット
苗の育て方で差が出る
いかに苗をうまく育てるかによってその後の生育が左右されることです。苗の段階でしっかり根が張っていなければ、ひょろっとした弱々しい株になりあまり実をつけにくくなってしまいます。根が強く育っていれば、植え付け後も畑の土にしっかりと根付くためたくさん実を付けるようになります。自分で育苗する場合は、まめな管理で丈夫な苗を作ることが何より大切です。
病気に弱いものもある
耐病性が弱い品種も多く苗もそのままの性質が出てしまうので、接ぎ木苗に比べ病気にかかりやすい場合もあります。
接ぎ木苗のメリットとデメリット
接ぎ木苗のメリット
病気や害虫に強い
優れた性質をもった品種は病害虫に弱いことがあります。抵抗力の高い台木性質は接ぎ木により接ぎ穂にも受けつがれるため、病害虫に強い優れた苗を作ることができるのです。
連作障害に強くなる
小さな畑で家庭菜園をしている方にとって、大きな悩みの一つに連作障害があるのではないでしょうか?毎年限られたスペースで同じ種類の植物を作り続けていくと、土壌の病害虫が増えたり、決まって同じ養分が吸収されていくことで養分バランスが崩れてしまいます。そのため植物の生育がどんどん悪くなってしまいうのです。しかし、接ぎ木苗はそのような連作障害に強い植物を台木に使用するので、家庭菜園にはとても向いているのです。
環境への適応力が高い
環境への適応力には土の温度が大きく関係し、根の伸長に影響を及ぼします。土が低温だと根を張りにくい植物は、低温にも強くしっかり根を張る台木を選ぶことで環境に左右されにくい苗になるのです。
接ぎ木苗のデメリット
よいことばかりの接ぎ木苗ですが、実生苗に比べ値段が高いというデメリットはあります。ホームセンターでも実生苗の2~3倍の値段になりますので、広い畑にたくさん植えたい場合にはコストがかかってしまいます。少しだけ植えたい場合には初期投資は高くても、失敗が少なく安定した収量が得られる接ぎ木苗がやはりオススメです。
出典:写真AC