寒肥とは?肥料としての役割から、種類や与え方(時期)までご紹介!

寒肥とは?肥料としての役割から、種類や与え方(時期)までご紹介!

寒肥はバラなどの花木や実のなる木に、冬に与える肥料のこと。お礼肥との違いやなぜ休眠期の冬に与えるのか、その効果は?またどういうものが寒肥には適しているのか、臭いが出るというのは本当?もっと手軽な与え方にしたい場合は?など寒肥についてまとめました。

記事の目次

  1. 1.寒肥とは?
  2. 2.寒肥はなぜ冬に必要なのか?
  3. 3.寒肥の種類
  4. 4.寒肥には未発酵のものを選ぶべき?
  5. 5.化成肥料ではいけないのか?
  6. 6.寒肥のやり方
  7. 7.まとめ

寒肥とは?

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寒肥(かんごえ、かんぴ)とは読んで字のごとく、冬の寒い時期に与える肥料のことです。しかし、冬といえば植物にとっては休眠の季節。肥料は必要ないのでは?と思われがちですが、この時期にだからこそやる理由がたくさんあるのです。

主に花木・果樹のためのもの

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寒肥を施すのは、バラ、桜、ツツジなどの花木や、梅、桃といった実をつける庭木に対してがほとんどです。マツやカイヅカイブキなどの常緑樹には、基本的に必要ありません。また、同じ植木でも鉢植えやプランターの場合は施しません。

プランターには要らない?

プランターの場合、必要ないというよりは効果が得られにくいと言った方が良さそうです。温室に置く場合などは、中途半端に肥料が回ってきちんと休眠できなくなる場合もあります。落葉樹やバラなどは冬に植え替えをすると寒肥と似た効果が得られます(ただし、冬の植え替えは向かない種類も多いので注意しましょう)。

「お礼肥」とは違う?

お礼肥というのは、花や実が終わった後で体力を消耗した庭木を回復させるためのもので、時期が違います。花を期待して与えるのが寒肥、お疲れさまの意味で与えるのがお礼肥と思ってください。

寒肥はなぜ冬に必要なのか?

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寒肥を与えるのは12月〜2月。しかし新芽のための肥料なら、春に与えればいいのでは?と思いますよね。わざわざ冬に与える理由は「しばらく寝かせる期間が必要だから」なのです。

冬の間に分解が進む

寒肥によく使われるのは有機質肥料です。人工的な化成肥料とはちがい、有機質の材料は微生物に分解されてはじめて肥料になるという特徴があります。冬の間熟成させて、春にちょうどいいタイミングで根に吸収されるというわけです。

化学肥料とは?成分や特徴・メリットをご紹介!有機肥料との違いは?のイメージ
化学肥料とは?成分や特徴・メリットをご紹介!有機肥料との違いは?
化学肥料には様々な種類がありますが、種類が多すぎてどう使い分ければいいのか分からない、と思ったことはありませんか。有機肥料との違いを整理しながら、化学肥料の長所・短所を解説します。化学肥料の特徴を知ることは、有機肥料を効果的に使うヒントにもなるでしょう。

新芽の時期のための準備

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春になって樹木がまずとりかかるのは、新芽を出すこと。この時期の栄養補給は、その後の一年間にとって非常に重要になってきます。人間に例えるとすれば子供時代の環境が一生を左右する、といったところでしょうか。

寒肥の効果

新芽が動き出すシーズンに十分な栄養が吸収できれば、

  • 葉芽や花芽が増える
  • 実物は甘くなる
  • 病気や虫がつきにくい丈夫な株になる
といったメリットがあります。

雪国ではどうするか

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雪深い地方では、雪と凍った土を掘りおこして寒肥を与えるわけにもいきません。雪国での寒肥には2通りの与え方があります。

  1. 晩秋・・・11月ごろ、葉が落ちてから雪が積もるまでの間に与えます。時期が早すぎると新しく葉を出したりして耐寒性が弱ってしまうので注意が必要です。
  2. 早春・・・雪解け後に与えます。完熟堆肥など、必ず発酵が完全に済んだものを使いましょう。

寒肥の種類

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有機質の肥料といってもさまざまな種類があります。寒肥には何が適しているのでしょうか?

①植物性の堆肥

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堆肥とは、落ち葉や動物のふんなどを、微生物が分解・発酵することによってできたもの。よく使われる「腐葉土」も広葉樹の葉が原料となる堆肥の一種です。また、家庭で出る生ゴミで作ることもできるので、庭木用など少量ですむ場合は試してみるのもいいかもしれません。

肥料分を足して使う

腐葉土やバーク堆肥といった植物性の堆肥は、土の性質を改善してくれて使いやすい反面、肥料としては効果が薄めです。他に鶏糞などの肥料分を混ぜて使うといいでしょう。

②畜糞

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牛糞や鶏糞など、動物のふんでできた肥料です。広義ではこれらも堆肥の仲間に含まれますが、肥料の濃度が高いので別に扱われることが多いようです。特に鶏糞は肥料濃度が化成肥料並みに高いので、使いすぎに注意が必要です。

③油かす

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菜種や大豆など、油を搾り取った後のかすで、チッ素が多く含まれた肥料です。発酵済みのものと未発酵のものがあり、使い方が違うので必ず確認して使うようにしましょう。

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寒肥には未発酵のものを選ぶべき?

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