フランネルフラワーの育て方!栽培のコツは日当たりと水分の管理 | 植物図鑑

学名Actinotus helianthi
和名
別名アクチノータス
英名flannelflower
科・属名セリ科アクチノータス属
原産地オーストラリア
花言葉誠実、高潔、いつも愛して

フランネルフラワーの概要

出典:写真AC

フランネルフラワーはオーストラリアを原産地とし、海岸に近い荒れ地や砂地といった乾燥した土地に自生している植物です。現在国内で流通しているのは岐阜県産のものが主で、日本でも育てやすいように品種改良されています。独特な造形の美しさから、オージープランツのなかでもとても人気の高い花です。

ボタニ子

ボタニ子

オージープランツってなあに?

ボタ爺

ボタ爺

近年、日本に流通しはじめたオーストラリア原産の植物のことじゃ。おしゃれな雰囲気なことと、日本の気候でも育てられるものが多いことが人気の理由じゃな。

基本情報

園芸部類 草花
形態 常緑多年草
草丈 30~60cm
花の色 白、複色
耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや弱い
特性・用途 常緑性・切り花、鉢植え
栽培難易度 ★★★☆☆

特徴

流通しているいくつかの品種の違いは、草丈の高さと花の大きさで、矮性タイプや60cmほどに成長する切り花向きのものがあります。花はどれも白~クリームに、花弁の先端に少しだけグリーンが入る同じような色合いです。

名前の由来

flannelflower(フランネルフラワー)は英語名です。この名前はフランネルフラワーの花、葉、茎のすべてが細かくやわらかな白い毛で覆われ、手触りが毛織物のフランネルに似ていることが由来となっています。

フランネルフラワーの代表品種・種類

①ファンシー・スノー

Photo by JohnJennings995

開花期間が長く、草丈40cmほどに成長するタイプです。鉢植えのほかに切り花やブライダル用にも流通しています。2012-2013ジャパンフラワーセレクションのブリーディング特別賞、受賞品種です。

②天使のウィンク

出典:写真AC

草丈30cmほどの矮性品種で、花は小さいですが多花性でコンパクトにまとまるタイプです。混み合った花を、蒸れや枯れ防止も兼ねて早めに摘み取り、ドライフラワーにして楽しむのもよいでしょう。

フランネルフラワーの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

種まきの時期 5月
植え付けの時期 4~5月、9~10月
肥料の時期 3~6月、9~11月
剪定・植え替えの時期 8月
花が咲く時期/開花時期 4~6月、9~10月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期

栽培適期は?

フランネルフラワーは常緑多年草で、気温が5℃以上あれば冬越しができます。このことから鉢植えを室内で管理すれば、1年を通して栽培適期といえます。種まき、植え付けの春を1年のスタートとし、真夏と真冬に花が休むと考えるとイメージが掴みやすいでしょう。

フランネルフラワーの育て方②栽培環境

Photo by lookscloser

栽培方法

プランター・鉢植え

フランネルフラワーは、できるだけプランターか鉢植えで栽培してください。長くても3年ほどで枯れてしまう短命な多年草ですが、水分の管理と日当たりの確保で、花数多くきれいに咲かせられます。

地植え

日本での地植えは、植物の性質上あまり適していません。フランネルフラワーの栽培は、雨に当てないことが第一条件となります。

育てる場所

室内・屋外

気温が5℃以上あれば屋外に鉢植えを置いていても問題ありませんが、冬場は早めに室内に取り込んだほうが安心です。雨の当たらない場所を確保しましょう。

置き場所・日当たり

花を咲かせるには日当たりのよさが必須です。雨天時は雨の当たらない場所に鉢を移動させてください。

用土

フランネルフラワーは酸性の土を好みます。用土を用意するうえでの注意点は、ホームセンターなどにある「花と野菜の培養土」といったような、pHが調整されたアルカリ性に近い土を使わないことです。同じ理由から苦土石灰も使わないよう気をつけてください。土の配合は、酸度が調整されていないピートモス5、鹿沼土中粒5が適しています。

フランネルフラワーの育て方③管理のポイント

Photo by JohnJennings995

水やり

フランネルフラワーは過度な湿度を嫌う反面、根が乾燥すると枯れてしまいます。庭植えの場合は降雨のみで、水やりはほとんど問題ありませんが、鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたら乾燥によって根が傷つかないように水を与えましょう。また、加湿にならないように受け皿の水は捨ててください。

肥料

フランネルフラワーは、肥料をたくさん必要とする植物です。しかし、濃度が高いと根が肥料焼けを起こして枯れる原因となります。液肥を与えるときは規定量の倍に薄めて、そのぶん回数を多く与えてください。頻度は10日~2週間に1回ぐらいがよいでしょう。

害虫対策

風通しの悪い場所では、害虫としてハダニがみられます。鉢の置き場所を変えるなどして、生育に適した環境をつくりましょう。また一般的な植物の場合は、葉裏に水をかけることがハダニ発生の防止になりますが、フランネルフラワーの場合は頻繁に水をかけるのは避け、カダンVスプレーなどの薬剤を使用したほうがよいでしょう。

病気対策

湿度が高いと灰色カビ病が発生する場合があります。フランネルフラワーは、株全体に細かい産毛が生えていることからどうしても蒸れやすくなりがちです。枯れ葉や花がらは早めに摘み取り、病気予防のためにも通気性をよくしておきましょう。

「灰色カビ病」とは?原因や対策・対処におすすめの薬剤まで詳しく解説!のイメージ
「灰色カビ病」とは?原因や対策・対処におすすめの薬剤まで詳しく解説!
灰色カビ病がどのような病気かご存じですか?経験した人以外は、よくわからないという方が多いかもしれません。今回は、灰色カビ病の「見分け方」「原因」「対策」などについて詳しく紹介していきます。ポイントを押さえて上手に対処しましょう。

花後の管理

種を採取したい場合は、そのまま放置して種が実るのを待ちましょう。そうでない場合は、蒸れ防止のためにも花がらを摘み取ってください。

フランネルフラワーの育て方④詳しい栽培方法

出典:写真AC

種まき

フランネルフラワーの種は流通していないので、購入した株を成長させて採取してください。挿し木や株分けといった増やし方は適しておらず、種まきが一般的な増やし方です。発芽温度は15~18℃で、発芽までには1カ月ほどかかります。

苗の選び方

フランネルフラワーの種は一般的に流通していないことから、最初は苗からの栽培になります。下葉が枯れあがっておらず、つぼみのたくさんついた苗を選ぶとよいでしょう。また増やした株の譲渡や販売は、法律上禁止されているので注意してください。

※ 繁殖方法は種蒔きです。品種登録されており、法律上フランネルフラワーの種蒔きをして出来た株は他人に譲渡、販売することはまだ出来ません。自分だけで楽しまれてください。

植え替え

フランネルフラワーの植え替えに適した時期は、花後の剪定時期と重なります。根を傷つけないよう土を崩さず、一回り大きな鉢に植え替えてください。

剪定

花後の剪定には株をリフレッシュさせる効果がありますが、強剪定すると枯れてしまうことがあります。剪定する枝茎には必ず葉が残る状態にしておきましょう。

夏越し

真夏の炎天下時には半日陰になる涼しい場所で管理してください。また極端な乾燥を嫌うので、土の表面の乾き具合に気をつけましょう。

冬越し

鉢植えやプランターの場合は室内に取り込んで管理しましょう。その際は日のよく当たる場所においてください。地植えの場合は、ビニールをかけたりマルチングしたりするなどの防寒を施す必要があります。

フランネルフラワーの関連記事

フランネルフラワーとは?特徴・種類や上手な管理のコツをご紹介!のイメージ
フランネルフラワーとは?特徴・種類や上手な管理のコツをご紹介!
フランネルフラワーをご存知ですか?オーストラリアが原産のガーデニングフラワーで、花や葉がフェルトのようにふわふわとしているのが特徴です。開花時期が長く、寄せ植えや切り花としても人気があります。そんなフランネルフラワーの特徴や育て方などをご紹介します。