キンシバイ(金糸梅)とは?名前の由来や特徴・育て方をご紹介!

キンシバイ(金糸梅)とは?名前の由来や特徴・育て方をご紹介!

梅雨の季節に美しい黄金色の花を咲かせるキンシバイ(金糸梅)は、どのような特徴をもつ植物でしょうか?キンシバイ(金糸梅)という名前はどこからついたのでしょうか?キンシバイ(金糸梅)の花の時期や咲き方、名前の由来や育て方、園芸品種も合わせて紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.キンシバイ(金糸梅)とは?
  2. 2.キンシバイ(金糸梅)の花
  3. 3.園芸品種(ヒペリカム・ヒドコート)
  4. 4.その他の品種(トリカラー・西洋キンシバイ・ビヨウヤナギ)
  5. 5.キンシバイとの見分け方
  6. 6.白いギンバイカ(銀梅花)
  7. 7.キンシバイ(金糸梅)の育て方(基本)
  8. 8.キンシバイ(金糸梅)の育て方(増やし方)
  9. 9.キンシバイ(金糸梅)の育て方(剪定)
  10. 10.キンシバイ(金糸梅)の育て方(枯れる)
  11. 11.まとめ

キンシバイ(金糸梅)とは?

出典:写真AC

黄色い花が印象的なキンシバイ(金糸梅)は、どんな花でしょうか?「金糸梅」という名前はどこからついたのでしょうか?花の時期はいつ頃でしょうか?キンシバイ(金糸梅)の基本情報を紹介します。

キンシバイの基本情報

学名 Hypericum patulum
オトギリソウ科
オトギリソウ属
原産地 中国
開花期 5月~7月
花の色 黄色
別名 ピペリカム クサヤマブキ(草山吹)

江戸時代

キンシバイは中国原産の半常緑低木です。日本に持ち込まれたのは江戸時代中期で、その頃から観賞用として栽培されてきました。緑の葉と黄色い花が人気で、近年では庭木としてだけでなく、公園や街路樹としても栽培されるようになりました。また、切り花や華道でも利用されています。

ヒペリカム

「ヒペリカム」は、オトギリソウ科オトギリソウ属の植物で世界に490種も存在します。近年では、その中で園芸種として栽培されているキンシバイやビヨウヤナギなどの種類が「ヒペリカム」と呼ばれることもあります。

名前の由来

キンシバイ「金糸梅」という名は、黄色い雄しべの様子が「金の糸」のように見えることと、少しうつむき加減で開ききらない5片の花びらの様子が「梅」に似ていることからつけられました。

花言葉

明るく元気な黄色い花や、雄しべの様子から「太陽の輝き」「きらめき」という花言葉があります。また、キンシバイは花びらが開ききらない様子から「秘密」という花言葉もあります。

キンシバイ(金糸梅)の花

出典:写真AC

基本情報がわかったところで、キンシバイの花の時期や大きさや形、開花の様子、雄しべと雌しべの様子、葉のつき方、実のつき方、冬の様子など、花の特徴をさらに詳しく見ていきましょう。

花の時期

梅雨の季節に入る6月頃から7月の中頃までが、キンシバイの花の時期です。梅雨のうっとしい季節にも美しく黄色い花を次々に咲かせ、道行く人を楽しませます。また、初夏の青い空にも黄色い花が鮮やかに咲き、目を引きます。

花の特徴

出典:写真AC

キンシバイの花の大きさは2cm~3cmで他の仲間に比べると小さめです。色は美しい黄金色です。雄しべは花の中心に60~80ほど集まり、5つの束になっています。長さは5mmから9mm程度です。その真ん中にある雌しべは根元が膨らみ、長さは雄しべとあまり変わりません。雌しべの柱頭は5つに分かれています。

キンシバイの開花の様子

キンシバイは、枝の先に少しうつむき加減に花を咲かせます。開花しても花びらが開き切ることはありません。また、梅の花びらに似た5枚の花びらは、ややふっくらと丸みをおびています。キンシバイの花びらには切れ込みがないか、または、なだらかな切れ込みがわずかに見られる程度です。

ボタニ子

ボタニ子

梅雨の季節に開花する黄金色のキンシバイ!元気をもらえそうですね♪

キンシバイ(金糸梅)の葉

出典:写真AC

キンシバイの葉の大きさは、2cmから5cmで長く細い楕円形をしています。少し赤みのある枝に2列対生というつき方で規則正しい並び方をしています。キンシバイの葉は秋には赤く紅葉します。

2列対生(にれつたいせい)とは?

2枚の葉が同じ場所に向き合ってつくつき方を「対生(たいせい)」といいます。キンシバイのように同じ面に2列に並んでつくつき方を「2列対生」といいます。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイの葉は、きちんと並んでお行儀がいいんですね♪

キンシバイ(金糸梅)の実

キンシバイは花が終わり、秋になると実をつけます。雌しべの中が複数の部屋に放射線上に分かれ、熟すと部屋ごとに割れ目ができます。そして実が熟すと割れ目が裂けて種が飛び散ります。このような果実の種類をさく果といいます。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイの実は、5つの部屋に分かれて種を飛ばす「さく果」なのですね!

冬の様子

キンシバイは耐寒性の強い花木ですが、寒冷地では、冬の季節は落葉して越冬します。暖地では冬の季節でも半落葉か、または落葉せずに越冬します。

園芸品種(ヒペリカム・ヒドコート)

出典:写真AC

キンシバイには、花や葉に特徴のある交配種があります。特に代表的な種類として、ヒペリカム・ヒドコートが有名です。キンシバイよりも大きく華やかなことから人気が高く、公園や街路樹にも植えられています。ヒペリカム・ヒドコートについて見ていきましょう。

ボタニ子

ボタニ子

キンシバイとヒドコートって、ホントにそっくり!どこが違うの??

花の時期と開花の様子

ヒペリカム・ヒドコートの花の時期は、キンシバイと同じ梅雨の季節から夏の季節までです。花は上向きか横向きに開花し、花びらは大きく平開します。花びらは5枚で、それぞれの花びらには切れ込みがあります。

花の大きさと色

開花時の花径は、7cmから8cmでキンシバイに比べて華やかで大きな花を咲かせます。花の色はキンシバイに比べると、少し赤味のかかった鮮やかで濃い黄色です。

雄しべと雌しべ

出典:写真AC

ヒペリカム・ヒドコートの雄しべは60本ほどが束になって5つに分かれています。雄しべの長さは、花びらの半分以下の短さです。雌しべは雄しべの真ん中に1本で柱頭は5つに分かれています。雌しべの長さは雄しべよりも長いです。

ヒペリカム・ヒドコートの葉の特徴

ヒペリカム・ヒドコートの葉には、キンシバイとは別の特徴があります。ヒペリカム・ヒドコートの葉は細長い楕円形で、つき方はキンシバイの2列対生に対し、十字対生でつきます。秋には赤く紅葉します。

十字対生とは?

キンシバイの葉が同じ面に2列に並んだ対生(たいせい)に対して、ピペリカム・ヒドコートの葉のように対生した葉が90度ずつねじれてつくつき方を、十字対生(じゅうじたいせい)と言います。

ボタニ子

ボタニ子

なるほど!キンシバイの葉は対生(たいせい)で、ヒドコートの葉は十字対生(じゅうじたいせい)なのね!

ヒペリカム・ヒドコートの実

ヒペリカム・ヒドコートは秋に実をつけます。実の大きさは1cmほどで卵のような形をしています。実の先端には、長い花柱が残っています。

次のページ

その他の品種(トリカラー・西洋キンシバイ・ビヨウヤナギ)

関連記事

Article Ranking