三尺バーベナとは?紫の花の特徴や育て方をご紹介!

三尺バーベナとは?紫の花の特徴や育て方をご紹介!

三尺バーベナは、クマツヅラ科クマツヅラ属のとても丈夫で草丈が高くなる植物です。花期には綺麗な淡紫色の花をつけます。もしかしたら、花は見たことがあるという人がいるかもしれませんね。そんな三尺バーベナの特徴や育て方をご紹介します!

記事の目次

  1. 1.三尺バーベナとはどんな花?
  2. 2.三尺バーベナの育て方
  3. 3.三尺バーベナを育てるときの注意点
  4. 4.三尺バーベナの名前の由来
  5. 5.まとめ

三尺バーベナとはどんな花?

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三尺(サンジャク)バーベナは、クマツヅラ科・クマツヅラ属の越年草、多年草です。南アメリカ原産で、7月~10月に淡い紫色の花を咲かせます。日本には自生していなかった植物ですが、園芸品種として持ち込まれたのがきっかけで現在は帰化植物として自生しています。

基本情報

学名 Verbena bonariensis
分類 クマツヅラ科・クマツヅラ属の越年草、多年草
分布 南アメリカ原産、北海道から九州に帰化
別名 ヤマギハナガサ、バーベナボナリエンシス
花期 7月~10月

花の特徴

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三尺バーベナの花期は7月~10月です。分枝した茎から花序を出し、小さな花を多数つけます。花序についた小さな花は下から順番に開花を迎え、上へ伸びていきます。花の形は筒状花で、先端は5裂に分かれます。花冠である先端は淡い紫色、筒状の基部の部分は赤紫色です。

葉の特徴

葉は、対生です。線形で、葉の縁にはギサギザとした鋸歯があります。葉の基部は、やや茎を抱きますが葉柄はありません。葉の表面は濃い緑色で、裏面は淡緑色をしています。葉には表面と裏面、両方に毛が生えているため、触るとごわごわとしています。

茎の特徴

茎は、四角形でまっすぐと直立します。茎の中は空洞で、切ってみると中が何もないことがわかるでしょう。茎にも毛が生えていて、葉と同様に触るとごわごわするのが特徴です。全体的によく分枝し、草丈が1.5mの高さに達することもあります。

三尺バーベナの育て方

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美しい三尺バーベナの花を「育てたい!」と思ったことがある方もいるかもしれません。ここでは、三尺バーベナの育て方を紹介します。

育てる場所

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三尺バーベナは日当たりがよく、水はけのいい場所で育てるのが基本です。太陽の光を好むため、日陰で育てると花付きが悪くなることがあります。

水やり

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水やりは、土の表面が乾いたら行うようにしましょう。地植えと鉢植えでは水やりの仕方に多少の違いがあります。

地植え

地植えの場合は、雨の水だけで十分なことも多いでしょう。元気に育っているようであれば、水やりは不要です。

鉢植え

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。しかし、土の表面が乾かないで水やりをしてしまうと、根腐れを起こしてしまう可能性があるため注意が必要です。

肥料

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肥料はとくに必要ありません。環境さえ合えば、お手入れをしなくても勝手に育ってくれます。もし与えるとしたら、春先と秋に与えるのがおすすめです。

管理方法

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切り戻し

三尺バーベナは大きくなると1.5mにもなります。そのため、草丈を抑えたい場合には切り戻しをするようにしましょう。切り戻しを行う時期は5月がベストで、切り戻し後は茎が分枝し、たくさんの花をつけるようになります。草丈を伸ばしたい場合には切り戻しは行わなくても大丈夫です。

冬越し

三尺バーベナは、冬の寒さにも夏の暑さにもよく耐えます。そのため、冬越しはとくに必要ありません。冬になると地上部は枯れますが、枯れたら枯れた部分を切ります。あまりにも寒い土地でなければ、三尺バーベナは宿根草なので翌年、芽が出てきます。土が凍るような場所では枯れてしまうため、翌年も育てたいのであれば種子を採取するようにしましょう。

剪定

三尺バーベナの剪定は花が終わったあとに行います。花茎を剪定することで、脇芽から新しい花序が出てきて、長く花を楽しめます。冬には地上部が枯れるため、地上部を切り取る剪定を行いましょう。

増やし方

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三尺バーベナの増やし方は3つあります。代表的な増やし方である「株分け」「挿し木」「種子」のやり方を紹介します。

株分け

株分けは、土から引っこ抜いた三尺バーベナを株ごとに切り分ける作業です。4月~5月の時期に行うのがよいとされています。4月~5月は、三尺バーベナがぐんぐん成長する時期です。そのため、株分けをしているときに根を傷つけてしまっても、枯れてしまうリスクは少ないでしょう。とはいえ、株分けを行う際は、根を傷つけないように注意するのが大切です。

挿し木

挿し木は、挿し芽とも呼ばれる増やし方です。時期は6月~7月の梅雨時期に行います。これは、挿し木をしたあとに、水を切らさないようにするためです。やり方は、茎を10cmくらいに切って、土に刺すだけです。明るい半日陰に置き、水をきらさないようにするのがポイントです。大体2週間くらいで根が出てきます。

種子

種子は名前の通り種を取って増やす方法です。三尺バーベナはこぼれた種子で増えることもあります。きちんと種子で増やしたい場合は、花が終わったあとに種子を採取するのがおすすめです。春先の3月~4月に種まきを行い、芽吹くまで水をきらさないようにしましょう。

三尺バーベナを育てるときの注意点

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三尺バーベナを庭で育てるにあたり、いくつか注意点があります。

三尺バーベナは外来種

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三尺バーベナは、南アメリカ原産の植物で本来は日本に自生していない植物です。日本には園芸品種や緑化資材として入ってきたのが最初です。その後、1940年代頃に東海地方での自生が確認されるようになりました。

特定外来生物ではない

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特定外来生物というのは、生態系や農業などに被害を及ぼす恐れのある外来種の中から、駆除や寄生が必要な動植物のことです。「アライグマ」「キョン」「ヌートリア」「カミツキガメ」などが特定外来生物の例に挙げられます。三尺バーベナは特定外来生物に指定はされていませんが、将来的に生態系に害を及ぼす植物として名前が挙がっている植物です。

育てる際の注意点

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三尺バーベナはお店で購入可能です。購入後は、庭から逸脱しないように注意しましょう。三尺バーベナはこぼれた種子でも増えるため、庭以外の生態系に影響が出ないよう管理することが大切です。

三尺バーベナの名前の由来

Photo byHans

三尺バーベナには、3つの呼び方があります。最後に、その呼び方と由来を紹介します。

三尺バーベナ

フリー写真素材ぱくたそ

まず、三尺というのは一尺の3倍の長さで約90cmです。草丈が高くなる植物であることから「三尺」という名前が付けられました。

ヤナギハナガサ

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ヤナギハナガサというのは三尺バーベナの和名です。ヤナギのような細長い葉に、花笠のような花の集まりという立ち姿から、ヤナギハナガサという和名がつけられました。

バーベナ・ボナリエンシス

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バーベナ・ボナリエンシスというのは三尺バーベナの学名でもあり、別名でもあります。ボナリエンシスという言葉は「ブエノスアイレス産の」という意味が込められています。バーベナはヘブライ語で「よい植物」という意味で、バーベナは神聖な植物として知られていました。

まとめ

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三尺バーベナは暑さにも寒さにも耐え、とても丈夫で育てやすい植物です。草丈もあり、たくさん植えられている三尺バーベナはとても見ごたえがあります。ぜひ、三尺バーベナを育ててみてくださいね。その際は、庭から三尺バーベナが外に出ないように気を付けましょう!

高倉
ライター

高倉

植物が好きです!特に野草。そのあたりに生えている雑草と呼ばれる植物です。中でもカタバミを見るとテンションあがります。

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