彼岸花の育て方!植え替えの仕方・夏場・冬場の管理・増やし方まで!

彼岸花の育て方!植え替えの仕方・夏場・冬場の管理・増やし方まで!

秋のお彼岸の時期になると、あちこちに真っ赤な彼岸花が咲きます。この彼岸花を自宅でも咲かせたいけれど、育て方が分からないという方も多いのではないでしょうか。そんな方へ、植え替えの仕方や季節別の管理の方法、増やし方まで、彼岸花の育て方について詳しく説明します。

記事の目次

  1. 1.彼岸花とはどんな花?
  2. 2.彼岸花の育て方①植え方
  3. 3.彼岸花の育て方②季節別の管理
  4. 4.彼岸花の育て方③植え替えの仕方
  5. 5.彼岸花の育て方④増やし方
  6. 6.まとめ

彼岸花とはどんな花?

出典:筆者撮影

秋になると田畑のあぜ道などに燃えるように真っ赤な彼岸花が咲きます。金色に実った稲と赤い彼岸花のコントラストが、日本の秋ならではの郷愁をそそりますね。ではこの彼岸花とはどんな花なのでしょうか。ここではその特徴について詳しくご紹介します。

彼岸花の特徴について

彼岸花はヒガンバナ科リコリス属の多年草です。彼岸花が咲くのは9月ですが、その頃には葉がありません。茎だけがまっすぐに伸びて先端に一輪の真っ赤な花を咲かせます。細長い花びらが外向きにカールして、猫のひげのようなしべが長く伸びているのが特徴的です。彼岸花の葉は花が咲き終わった後から出てきて、秋から春にかけて茂り、夏前には枯れてしまいます。そして夏は休眠時期となり、花も葉もなくなってしまうという不思議な生態を持っています。

彼岸花の球根について

彼岸花は球根植物ですが、実はこの球根には毒性があります。田畑やお墓で彼岸花をよく見かけるのは、この毒性を利用して、モグラや野ネズミなどの被害に合わないように植えられたからです。ただ、口に入れない限りは大丈夫なので、普通に園芸店などでも球根が販売されています。

彼岸花の別名について

出典:筆者撮影

秋のお彼岸の時期に真っ赤な花が咲くので「彼岸花(ひがんばな)」という名前が付きました。また「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という別名もあります。これはサンスクリット語で天界に咲く花という意味があって、おめでたい兆しを意味すると言われています。

少し怖い別名もある

その一方、墓地でよく見かけるので「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」と少し怖い呼び名もあります。両極端なイメージの名前ですが、彼岸花を見て美しいと思う人と摩訶不思議な印象を持つ人の、それぞれがあるからかもしれませんね。

ボタニ子

ボタニ子

燃えるような赤がきれいな彼岸花なのに、どこか不吉なイメージもありますよね~。

彼岸花の育て方①植え方

出典:筆者撮影

彼岸花は球根を植えれば自宅でも簡単に育てられます。そこでまず、球根をどのようにして植えればいいのかについて詳しく説明しましょう。

植える場所

彼岸花の球根は6~8月に植えましょう。日当たりがいい場所を好みますが、明るい半日陰でも十分育ちます。彼岸花を華やかな雰囲気にしたい場合は日当たりがいいところ、逆に少し落ち着いた妖艶な雰囲気で楽しみたい場合は半日陰に植えるといいですね。

名札を立てておくと安心

ただ、彼岸花は夏の間は地上に何も残らなくなります。どこに植えたかわからなくなって、別の植物を植えるために球根を掘り起こしてしまうことがないように、名札を立ててわかるようにしておくといいですね。

土づくり

出典:筆者撮影

彼岸花は水はけのいい土を好みます。赤玉土6:腐葉土4の割合で配合するか、市販の球根用の培養土を使ってもいいですよ。彼岸花は球根から出る根が長く、土の深いところまで伸びるので、地植えの場合は植える場所をよく耕して土を柔らかくしておきます。鉢植えの場合はできるだけ深さがある植木鉢を選ぶようにしましょう。

植えつけ

秋から翌年の春にかけて生育した彼岸花の球根は夏に掘り起こされます。このため、球根は夏から秋にかけて園芸店に出回ります。球根を買ってきたら、乾燥しないように早いうちに土に植えつけるようにしてください。地植えの場合は球根の3倍ほどの間隔で、鉢植えの場合はもう少し狭めの2倍ほどの間隔で植え込むといいでしょう。深さは球根の高さと同じぐらいの穴をあけて、先端が地面から見えくなる程度にかるく土をかぶせます。

肥料

彼岸花は秋から翌年の春にかけて伸びる葉で光合成を行い、球根に十分な栄養をため込みます。特に肥料を与えなくても育ちますが、6~8月の植え付け時期に、元肥として牛ふんなどの堆肥や根菜用の化成肥料を施しておくと元気になります。翌年以降は1~2月に寒肥として同じように堆肥や化成肥料を与えてください。栄養が十分与えられた球根はよく太り、毎年きれいな花を咲かせて、球根の増え方も活発になります。

彼岸花の育て方②季節別の管理

出典:筆者撮影

彼岸花は秋から春にかけて葉を茂らせ、夏はその葉も枯れてしまい、秋に茎だけが伸びて花が咲く、という、他の植物とは少し違った生態を持っています。そこで彼岸花の管理の方法を季節別に詳しくご紹介します。

春の管理

春は葉が光合成を行って、球根にしっかり栄養をためる時期になります。このため、葉に十分な光が当たるようにしてやりましょう。春は雑草もどんどん増えてくるので、彼岸花の生育の妨げになるような大きな雑草は取り除く必要があります。また光合成には水分も必要なので、土が乾いているようであれば水やりも忘れないようにしてください。

夏の管理

夏になると葉が枯れてしまい、地上には全く何も無くなってしまいます。このため、つい彼岸花を植えたことさえ忘れがちになってしまうので気をつけましょう。気温が高くなって日照りが続いたようなときは、こまめに水を与えてください。夏の間は草引きをせずに雑草を生やしておくと、土の乾燥を防げますし、強い日差しによる球根の日焼け防止対策にもなります。

秋の管理

出典:筆者撮影

秋は彼岸花の開花時期です。この時期にはしっかりと水やりをしてください。ただ、彼岸花の開花は1週間~10日ほどととても短いので、すぐに枯れてしまいます。花が咲き終わった後もそのまま放置しておくと、球根からどんどん栄養がなくなってしまうので、開花後は早めに茎ごと切ってしまいましょう。しばらくするとちいさな葉が地面に現れ、春にかけて光合成をして球根に栄養を蓄えます。

冬の管理

冬の間も彼岸花の葉は枯れずにそのまま残っています。冬は霜や雪などが気になるところですが、彼岸花は比較的寒さに強いので、特に霜よけ対策などをしなくても大丈夫です。冬の間も葉が光合成を行っているので、枯葉などが葉に覆いかぶさっていたら取り除きましょう。

彼岸花の育て方③植え替えの仕方

出典:筆者撮影

植え替えの時期

彼岸花は球根を分球させる増え方でどんどん株が大きくなります。地植えの場合はそのままでも大丈夫なのですが、鉢植えにした場合は株が窮屈そうになったら植え替えしましょう。植え替えの時期は休眠期の夏が最適です。ただ、彼岸花は植えてから3~4年目ぐらいが一番花つきが多くなるので、しばらくは植え替えしないでそのままにしておくほうがいいでしょう。

植え替えの方法

小さい球根がたくさんついているので、できるだけその球根を痛めないように、優しくていねいに掘り起こしてください。植え替える時期が暑い夏場なので、球根はそのまま放置せずにすぐに植えます。最初に植え込むときと同じように、あまり深植えしないで、球根の下に十分根を伸ばす余裕があるようにしましょう。

彼岸花の育て方④増やし方

出典:筆者撮影

球根を分けて増やす

彼岸花は球根で増える植物です。そのまま植えっぱなしにして3~4年も経つと、地中でどんどん分球して新しい球根ができます。そこで新しくできた球根を別の場所に植え込むことで、簡単に株を増やすことができます。ただ、初めの2~3年は球根が小さいため、花が咲かない場合もあります。

ボタニ子

ボタニ子

なるほど~!しばらく花が咲かないからってあきらめないで、気長に待ってあげればいいのね!

球根を分ける時期と方法

球根を分ける時期は、葉が黄色く変色した後、6~8月が適しています。十分光合成した後なので、球根にも十分栄養が蓄えられて、掘り起こすと分球がたくさんできています。それぞれの球根を傷つけないように気をつけながらそっと優しく小分けにしましょう。後は最初に植えた時と同じように、あまり深植えせず、球根の下に十分根を張るスペースができるように植え込みます。

まとめ

出典:筆者撮影

彼岸花の育て方についてご紹介しましたがお分かりいただけたでしょうか。球根で増えるので、一度植えると特に手間いらずでどんどん株が大きくなります。また、暑さや寒さにも強いのでとても育てやすいです。神秘的な妖艶さがある彼岸花をみなさんのお庭にも植えて、秋の彩りを楽しんでみませんか?

kurumi
ライター

kurumi

バラをこよなく愛しているから、とげに刺されたって負けない!

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