田んぼの上手な代掻き方法とは?目的やトラクター操作のポイントを解説!

田んぼの上手な代掻き方法とは?目的やトラクター操作のポイントを解説!

田植え時期が近くなると、田んぼに水を張ってトラクターが作業をする姿が見られます。この作業は代掻きといって、この工程が後の米作りに影響するとても大事な作業です。この記事では代掻き作業を深く解説し、上手な仕方についてや仕方のポイントを紹介します。

記事の目次

  1. 1.代掻きとは
  2. 2.代掻きの目的
  3. 3.代掻きの仕方①作業時の入れる水の量
  4. 4.代掻きの仕方②トラクターの設定
  5. 5.代掻きの仕方③田んぼでの動き方
  6. 6.代掻きの仕方④畦周りのコツ
  7. 7.代掻きの仕方⑤高低差の付け方
  8. 8.代掻きの仕方⑥その他のポイント
  9. 9.代掻き作業の最新技術がすごい
  10. 10.まとめ

代掻きの仕方①作業時の入れる水の量

代掻きの上手なやり方では、作業時に入れる水の量がポイントです。水の量は土とヒタヒタくらいが調度よく、荒代時では荒起こし作業で発生した土の盛り上がりが、30~50%見えるくらいが目安です。この状態で作業すると、代掻きした部分がよくわかるため、重複して掻くことがなくなります。植代時も同様で、水深2~3cmくらいが理想的な水量です。

水の量は多すぎると失敗しやすい

水の量が多いと、土をより細かくできると思いがちです。しかし、ハローが深く入りすぎて脇に土を寄せてしまったり、ワラや雑草が水に浮いてしまったりと、代掻きの目的を果たせなくなります。

ボタ爺

ボタ爺

代掻きのし過ぎは、苗の活着に悪影響を及ぼすため注意が必要だぞ。

代掻きの仕方②トラクターの設定

回転数

代掻きではハローの回転数の設定もポイントです。回転数はトラクターのPTO(作業用機械の動力)を一番遅い500~600回転に設定するのが目安です。回転が早いと土が細かくなりそうですが、後ろに泥がはねることで凸凹が発生し、雑草やワラをうまくすきこむことができなくなります。

速度と深度

メーター
フリー写真素材ぱくたそ

トラクターの速度は1.5~3.0km/h、深さは10cm程度にするのもポイントです。トラクターの速度はこれより遅すぎると、泥を練りすぎるため排水性が悪化します。逆に早すぎると泥が後ろに跳ねて、雑草などをしっかりすき込めません。荒代時の深度は、荒起こしと同じ設定の10cmにします。

ボタ爺

ボタ爺

植代のロータリー深度は8cmでもよいぞ。負荷も小さく、素早く作業ができてお得じゃぞ。

代掻きの仕方③田んぼでの動き方

荒代の動き方

荒代の動き方

出典:筆者作成

田んぼ上をどのようなコースで代掻きするかも、上手な代掻きのポイントです。作業の準備として、まず田んぼをスケールで測り、トラクターの幅では何列分になるか調べましょう。スタート地点の畦には目印を置くとよいですよ。スタートは図のような8列分の田であれば、進入口の反対になる畦から2列分あけた地点から始めてください。

隣接耕はギリギリをせめる

代掻きで隣接耕(隣の列をそのまま作業すること)を走行するときは、コースがちょうど重なるかどうかのギリギリの位置で作業してください。作業跡がしっかり残るため、ギリギリでも見極めが簡単なことと、ハローの脇によった土で小さな山の列ができるので、植代時のコース取りも間違いにくくなります。

植代の動き方

植代の動き方

出典:筆者作成

植代は図のように、荒代とは逆方向におこないます。荒代と逆に回ることで、荒代の際に残った凸凹を逃がさず平らにできます。コース取りは、荒代のときにできた土盛が目印になるため、土盛を消すように作業してください。植代の最後には、水路からの水が入ってくる水口(みなくち)から水が抜ける水尻(みなじり)まで一直線に走るようにすると、入水時に水がすぐ流れ、田全体に水が広がりやすくなります。

ボタニ子

ボタニ子

次のページでは畦周りや高低差のつけ方について紹介するよ。

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代掻きの仕方④畦周りのコツ

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