こどもピーマンとは？苦くないピーマンなんてあるの？おすすめの食べ方は？

こどもピーマンは、タキイ種苗が開発して発表した苦くないピーマンで、品種名はピー太郎です。ピーマンからの新種ではなく、トウガラシからの新種になります。ピー太郎の誕生のきっかけは、ハラペーニョの検品中に辛くない個体を発見したためです。苦くないピーマンは偶然の発見が発端でした。

ピー太郎はピーマンと同じように成長します。ピー太郎は長さ10cm程度で先端が鋭く、全体的にピーマンより小ぶりです。トウガラシの中でも強い辛味で知られているハラペーニョが親になりますので、形も似ています。水分が多くて実が厚く、加熱調理はもちろんですが、苦みがないため生でも食べられます。

ピーマンの種類はナス科・トウガラシ属になりますので、トウガラシの分類がされます。辛くないシシトウ・ピーマンの種類は「甘トウガラシ」、辛みのあるものは「トウガラシ」と呼び方が分けられているようです。明治時代からある野菜ですので、呼び方も変化したのでしょう。

こどもピーマンに苦味がないのは、ピーマンの渋み成分であるクエルシトリンが格段に少ないためです。こどもピーマンのクエルシトリン含有量は、通常のピーマンに含まれる量の1/10にまで抑えられています。ピーマンの苦み成分はピー太郎によって解明されたのです。

こどもピーマンが甘いのは、こどもピーマンに含まれる糖の一種のフラクトースの割合が高いためです。一般のピーマンの最も高い糖度が5に対し、こどもピーマンの糖度は7に近く、酸味が強めのフルーツトマトと大きな差がありません。苦みがないだけでなく、甘味も強いと子どもからも喜ばれるでしょう。

こどもピーマンはハラペーニョが親になりますが、辛味成分のカプサイシンが含まれていないため辛味がありません。また酸味も少ないことも証明されています。パプリカとの比較で、クエン酸量がパプリカのおよそ1/7程度ですので、ピーマンの概念が崩される野菜と感じられるでしょう。

一般のピーマンより苦みが少ない分、気になるのは栄養分ではないでしょうか？クエルシトリンが少ないため、ピーマン特有の苦みがないことを前述しました。味が改善されて栄養分に変化があったのか、ここではこどもピーマンの栄養成分をご紹介します。また、おいしいこどもピーマンの見分け方についても解説します。

一般のピーマンと比較すると、ビタミンCが1.5倍、カロテンは2倍含まれています。ビタミンCとカロテンは共通して、皮膚・粘膜の状態維持、生活習慣病の予防効果が期待される成分です。子どもに嫌われるイメージのピーマンですが、栄養がおいしく摂れるでしょう。

表面にツヤがあり鮮やかな緑色、そして張りと弾力があるものを選びましょう。大事な見分けポイントは、先端の表面にヒビのような白い線があることです。こどもピーマンは成熟して甘味が強くなってくると、白い線が出現します。新鮮でより甘味のあるものを楽しめるでしょう。

生でも食べられるこどもピーマンですが、子どもは見た目で食べたくなくなってしまうこともあるでしょう。子どもも大人も楽しめるおすすめのレシピや食べ方を紹介します。苦くないこどもピーマンを、さらにおいしく楽しみましょう。

1. こどもピーマンのヘタは切らずに縦にカットし、種を取り除きます。
2. 玉ねぎをレンジで2分加熱したもの・鶏ひき肉・塩・コショウ・片栗粉を混ぜ合わせ、ピーマンに詰めましょう。
3. ごま油を熱したフライパンで肉詰め部分から焼き、焼き色が付いたら返して蒸し焼きにします。

1. こどもピーマンのヘタ・種を取り、薄くカットし塩でもみます。水分が出てきたら軽く握って水分を抜きましょう。
2. 油を切ったツナ缶とレモン汁・マヨネーズ・コショウを混ぜたものに、こどもピーマンをよく和え、完成になります。火を通さなくても充分においしく食べられます。

こどもピーマンの誕生は、野菜嫌いな子どもたちへの革命ではないでしょうか？まだまだ一般のピーマンと同じようには流通していないので、家庭菜園やネットでの取り寄せでのお試しになるでしょう。ピーマンの概念を崩してくれた、こどもピーマンの味を堪能しましょう！