ビヨウヤナギの育て方
ビヨウヤナギは、樹高が1mほどに成長するため庭木に使用されます。樹勢が強いため、鉢植えには向いていません。グランドカバーとしても利用でき、水やりなどお手入れの面でも鉢植えよりも地植えの方がおすすめです。また、ビヨウヤナギは地植えにすると根がしっかりと張り、たくさんの花を咲かせます。
①育てる場所
ビヨウヤナギは半日陰でも丈夫に育ちますが、日当たりのよい場所を好みます。日当たりがよいと、花付きがよくなるからです。また、秋になるとさび病をおこしやすいため、半日陰でも日が当たり風通しのよい場所を選びましょう。
②用土
ビヨウヤナギは、保水力があり養分を豊富に含んだ土ならば、土質に関係なく育ちます。地植えの場合、庭土に腐葉土と完熟堆肥を少しだけ混ぜ込みましょう。土があうと、グランドカバーになるほど茎がどんどんと伸びていきます。
③植え付けと植え替え
苗の選び方
苗は枝ぶりのきれいなものを選びます。葉が枯れていて、虫に食べられている苗は避けましょう。ヒョロヒョロと徒長したような苗も避けてください。
時期と方法
植え付けと植え替えの適期は、3月~4月の春と9月下旬~10月の秋です。成長期に向けて植えるのであれば、春に行いましょう。
- 苗よりも一回り大きな穴を掘り、苗を植え付ける
- 掘り返した土に腐葉土と完熟堆肥を少し混ぜ、苗のまわりに土を入れる(このとき、割り箸などで根と土をなじませながら植える)
- 最後に、たっぷり水を注ぐ
④水やり
地植えの場合、根付いたら水やりの必要はありません。しかし、真夏の高温期は乾燥するため、朝か夕方に水やりをしましょう。ビヨウヤナギは地植えが基本ですが、鉢植えの場合は、土が乾いたら十分に水を注ぎます。
⑤肥料
ビヨウヤナギは肥料を与えなくても成長します。肥料を施すのであれば、生育を始める前の3月と9月下旬~10月下旬に緩効性化成肥料か固形の油かすを与えましょう。
⑥剪定
ビヨウヤナギの剪定は、3月頃に行います。新しい枝が伸びる前に整えましょう。植え付けて間もない時期は、枯れた古い枝を中心に伸びすぎた枝を剪定します。その後、大きく育ち過ぎた場合は強剪定を行いましょう。
大きさを決める
小さくまとめる場合は、地表から20cm~30cmぐらいの高さで刈り込みます。大きくする場合は、樹形を整える程度に浅く刈り込みましょう。枯れた枝や古い枝は基部から切ります。
⑦病気と害虫
ビヨウヤナギは害虫に強く丈夫な植物ですが、さび病にかかりやすい弱点を持っています。さび病は、気温8℃~19℃の涼しい時期の秋に発生する病気です。葉に茶色の斑点ができ、やがて枯れてしまいます。菌は越冬するため、毎年病気にかかる可能性があるのです。
予防方法
8月下旬~10月にかけて3週間に1回、殺菌剤を散布します。また、落ちた葉は取り除きましょう。秋に風通しをよくするために、古い枝を剪定するのも効果的です。
症状があらわれたら
さび病は周囲に感染して広がるため、症状が出た葉を見つけたら取り除きます。ほかへの感染を防ぐために、ビニール袋などに入れて始末しましょう。
ビヨウヤナギの増やし方
ビヨウヤナギを増やす方法には、挿し木と株分けの2通りがあります。ビヨウヤナギは根付きがよくないため、挿し木よりも株分けのほうが簡単です。
①挿し木
挿し木の適期は、開花前の5月~6月です。挿し穂は、硬くなりかけの若い枝を選びましょう。枝の長さは10cmほどにし、蕾を取り除き、先端には葉を4枚~6枚を残します。用土は挿し木用の土か赤玉土小粒を用意し、挿したら十分に水やりをしましょう。場所は風の当たらない日陰を選び、発根するまで乾かないように管理します。
②株分け
株分けの適期は、3月~4月と9月~10月の年2回です。植えられているビヨウヤナギをスコップで根ごと掘り起こしましょう。清潔でよく切れるハサミで株を切り分け、それぞれ植え付けます。ポイントは、株を小さく分けすぎないことです。
まとめ
ビヨウヤナギは、とても丈夫で育て方も簡単なため初心者向きの植物です。半常緑樹で、花が咲き終わっても庭のグリーンを楽しめます。春に挿し木で増やすことに失敗しても、秋に株分けで再チャレンジしましょう。ぜひ鮮やかで美しいビヨウヤナギを育ててみてください。
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