ビヨウヤナギとは?名前の由来などの特徴や栽培管理のコツをご紹介!

ビヨウヤナギとは?名前の由来などの特徴や栽培管理のコツをご紹介!

ビヨウヤナギは梅雨のころに咲きます。花が少ない季節に、華やかな黄色い花を咲かせる貴重な品種です。樹勢が強いため、鉢植えよりも地植えに向いています。この記事では、ビヨウヤナギの特徴と育て方や増やし方を含む栽培管理について見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ビヨウヤナギはどんな花?
  2. 2.ビヨウヤナギの名前の由来
  3. 3.ビヨウヤナギの育て方
  4. 4.ビヨウヤナギの増やし方
  5. 5.まとめ

ビヨウヤナギはどんな花?

Photo by 阿橋花譜 KHQ Flower Guide

ビヨウヤナギの開花時期は6月~7月です。梅雨の時期に咲く花にアジサイがありますが、この時期にアジサイ以外で咲く花は限られています。手入れが簡単で半日陰でも育つため、公園や街路樹などいろいろな場面に使われる便利な植物です。

基本情報

学名 Hypericum chinensis
科名 オトギリソウ科
属名 オトギリソウ属
和名 美容柳、未央柳、美女柳
別名 ヒペリカム・キネンシス
原産地 中国
分類 庭木・花木
形態 低木
樹高 1m~1.5m
開花期 6月~7月
花色 黄色
耐寒性 強い
耐暑性 強い

特徴

雄しべが特徴的

Photo byBluesnap

ビヨウヤナギの花の中心部分には、雌しべを囲むように雄しべが5束あります。雄しべは、ひと束30~40本です。多数の雄しべが、長い雌しべをやさしく包み込むように、上に突き出ています。そのため、花は上に向かって咲きます。花色は鮮やかな黄色です。

庭の植栽に重宝

ビヨウヤナギは耐寒性と耐暑性が強く、1mほどの低木のため庭の隙間をうめるのに重宝されます。ほかの草花と一緒に植栽すると、さらに華やかな庭に仕上がるでしょう。

仲間の種類と品種

ビヨウヤナギはオトギリソウ属です。オトギリソウ属には300以上の種類があります。その種類の中でもオトギリソウ、ヒペリカム、キンシバイが有名な品種です。

オトギリソウ

Photo by papatomom

オトギリソウは多年草で、日本原産のハーブです。同じオトギリソウ属でも、日本で自生する種類や品種は園芸では区別されます。草丈は20cm~80cmで、茎の先に黄色い小花を咲かせます。葉と花には、黒く細かい斑点や黒い線がいくつも入っているのが特徴的です。

ヒペリカム

Photo byDavidReed

ヒペリカムは、オトギリソウ属に分類される半落葉性低木もしくは草花の総称です。枝や茎の先には黄色い5枚の花びらの花が咲きます。花が咲き終えると実をつけ、徐々に赤色に変化します。

キンシバイ

Photo byangelstar

キンシバイは原産地が中国で、日本では江戸時代中期に植栽が始まりました。キンシバイはオトギリソウ属に分類される半落葉性低木です。全体の雰囲気がビヨウヤナギに似ていますが、雄しべが長いのがビヨウヤナギで、短いのがキンシバイと簡単に見分けられます。

ビヨウヤナギの名前の由来

Photo by sakura_chihaya+

ビヨウヤナギは花が美しく、葉や枝先の垂れ下がり具合がヤナギに似ていることから名づけられました。園芸的な呼び名で「ビョウヤナギ」と通称されていますが、植物名としては誤りです。また、江戸時代には「トウキンジョウ(桃金嬢)」と呼ばれていました。

学名の由来

学名「Hypericum(ヒペリカム)」は、ギリシア語の「hyper(上に)」と「eikon(像)」が語源です。ビヨウヤナギが、悪魔よけの像の上に置かれていたことが由来します。これとは別に、ギリシア語の「hypo(下に)」と「erice(草むら)」を語源とする説もあります。

和名の由来

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

和名の「未央柳(ビョウヤナギ)」の由来は、白居易の「長恨歌(チョウゴンカ)」にあります。「太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ」と、玄宗皇帝が未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に例えました。この故事から「未央柳」となり「美容柳(ビヨウヤナギ)」に転じ、「美女柳(ビジョヤナギ)」へと変化したといわれています。

花言葉

Photo byHans

ビヨウヤナギの花言葉は「気高さ」「多感」です。「気高さ」は、花色の黄金色と金糸のような長い雄しべにより、花全体が鮮やかな気品ある輝き生まれることから花言葉がつけられました。「多感」の花言葉は、たくさんの長い雄しべが黄色の花をより華やかな姿に引き立てる様子が由来します。

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ビヨウヤナギの育て方

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