菩提樹とは?どんな花が咲く?特徴や花言葉・仏教とのつながりも解説

菩提樹とは?どんな花が咲く?特徴や花言葉・仏教とのつながりも解説

菩提樹は、日本の寺院の境内などでよく見かけられる大きな木です。菩提樹といえば、お釈迦さまのエピソードや、ヨーロッパの菩提樹並木を思い浮かべる人もいるでしょう。それぞれ別の木であったり近縁種であったりします。その背景や特徴、菩提樹の花や花言葉を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.菩提樹(ボダイジュ)とは
  2. 2.菩提樹の特徴
  3. 3.菩提樹の種類・仲間
  4. 4.菩提樹の花言葉
  5. 5.菩提樹のご縁を楽しもう!

菩提樹(ボダイジュ)とは

出典:写真AC

菩提樹は、中国原産の落葉高木です。日本で育てられるようになったのは、臨済宗の栄西が中国の天台山万年寺から持ち帰ったのが始まりと伝えられています。その後、次第に日本各地の寺院に植えられるようになり、樹齢を重ねた菩提樹のいくつかは、各県の天然記念物に指定されています。

基本情報

名前 菩提樹
分類 落葉高木
学名 Tilia miqueliana Maxim
科・属名 アオイ科・シナノキ属
樹高 7m~20m
開花時期 5月~6月頃
花の色 クリーム色~黄色
実のなる時期 9月~10月
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 寺院の境内や公園に植栽、街路樹
栽培の可否 広いスペースが必要

名前の由来

菩提樹の名前の由来は、バーリー語・サンスクリット語で悟りを意味する「bodhi(ボーディ)」です。釈迦が樹下で悟りを開いたことから、「悟り(ボーディ)の木」として知られるようになります。「ボーディ」の音を中国では「菩提」の字で表したため、日本でもその表記を取り入れて菩提の樹、菩提樹と呼ぶようになりました。

インドボダイジュや仏教とのかかわり

Photo by tracie7779

釈迦が悟りを開いたときに座っていたのは、インドボダイジュの下でした。インドボダイジュは、日本で菩提樹と呼ばれているアオイ科シナノキ属の木ではなく、クワ科イチジク属の熱帯植物です。寒さに弱いなどの理由で当時の日本では育てられなかったため、葉の形の似た中国原産のシナノキ属の木が代用として各地の寺に植えられ、菩提樹と呼ばれるようになったという説が一般的です。

ボタ爺

ボタ爺

つまり、仏教的には、インドボダイジュが元祖菩提樹なんじゃよ。

お寺に植えたシナノキ属の木が菩提樹の名前で定着したので、クワ科の菩提樹を「インド」ボダイジュと呼んでいるわけね!

インドボダイジュの特徴

出典:写真AC

インドボダイジュ(学名:Ficus religiosa)は、インド~東南アジアに分布するクワ科イチジク属の熱帯植物です。樹高は20m前後で、幹にはシナノキ属の菩提樹のような縦の裂け目はありません。葉は心形(ハート形)で、先が長く伸びているのが特徴です。生育環境によっては、気根(きこん)が発生して絡みつきます。開花時期は初夏で、イチジクのように花嚢(かのう)のなかに花を付けます。

菩提樹の特徴

特徴①樹形

シナノキ属の菩提樹はこんもり繁り、樹形は円蓋または卵型です。枝分かれしやすく、低い位置での分枝もよく見られます。樹高は10mほどに伸び、20m近く育つこともあります。

特徴②幹

菩提樹の幹は紫がかった灰色です。樹齢を重ねると幹回りも太くなり、表皮の縦の裂け目が顕著になります。比較的すべらかなインドボダイジュの幹とは大きく異なる点です。

特徴③葉

Photo byHans

菩提樹の葉は、互い違いにつきます。葉の形は、縁にギザギザが入る浅めのハート型です。葉の裏側には、放射状の細い星状毛(せいじょうもう)が密集していて白っぽく見えます。

特徴④花

出典:写真AC

菩提樹の花色は淡い黄色で、花びら5枚の一重咲きです。萼片、花びら、しべの順に同系色の色が濃くなっています。花のつき方は集散花序です。花軸の先端にまず花が咲き、その軸の側枝に花が次々に付く咲き方です。1つの花序に3~15個の花が付き、高いところから垂れるように咲くため、開花時期にはほのかに甘い香りが辺りに漂います。

特徴⑤実

菩提樹は秋になると、直径約8mmの堅く茶色い実を結びます。菩提樹の実で数珠が作られることもありますが、市販されている数珠の多くは、別の木の実などで作られたものです。

菩提樹の種類・仲間

セイヨウシナノキ

Photo bywenzlerdesign

セイヨウシナノキ(学名:Tilia×europaea)は、ヨーロッパに広く分布するシナノキ属の仲間で、ナツボダイジュとフユボダイジュの自然交雑種です。樹高は菩提樹より高く、30mを超えることもあります。中世には「自由」を象徴する木でもあり、広場や公園などに植栽され、リンデンと呼ばれて親しまれてきました。開花時期は6月~7月で、ミツバチが多く集まるため蜂蜜が採れます。

リンデンの有名な並木道…ベルリンのウンテル・デン・リンデン!

ボタニ子

ボタニ子

シューベルトの歌曲「菩提樹」は、この木なんだね!

ナツボダイジュ

Photo by Niels J. Buus Madsen

ナツボダイジュ(学名:Tilia platyphyllos)は、アオイ科シナノキ属の高木で、ヨーロッパ中南部の暖かな地域に分布します。1つの花序に付く花数は少なく、雄しべが長めです。葉が大きな種類で、秋には黄金色に色づきます。英語名はbig-leaf lindenです。

フユボダイジュ

Photo by wuestenigel

フユボダイジュ(学名:Tilia cordata Mill)もシナノキ属の仲間で、ヨーロッパからコーカサスの寒い地域に分布します。花や葉がナツボダイジュより小さいのが特徴で、英名はsmall-leaf lindenです。花は1つの花序に多くつき、香りも高く、葉と共にハーブとして用いられます。

シナノキ

シナノキは日本固有種のアオイ科シナノキ属の高木です。樹形や樹高は中国原産の菩提樹によく似ています。主な違いは、シナノキの花は花火のように飛び出したしべ(雄しべと雌しべ)が花びらよりも目立ちます。また、葉裏の星状毛が菩提樹ほど密集していないので白っぽく見えません。シナノキは木材として、ベニア板やアイスクリームのへら(木製のさじ)などに加工されています。

ボタ爺

ボタ爺

シナノキが多く自生する地域だから「シナノ(信濃)」と呼ばれたという説もある。

菩提樹の花言葉

夫婦愛

Photo by Dinesh Valke

菩提樹の花言葉は「夫婦愛」で、ギリシャ神話に由来します。神と知らずにゼウスをもてなした貧しい高齢の夫婦ピレモンとバウキスの願いをゼウスがかなえた逸話です。「死んでも離れることがないように」と願う2人の寿命が尽きるとき、ゼウスは2人をそれぞれ樫の木と菩提樹に変えていつまでも寄り添わせました。

神話の菩提樹は、ナツボダイジュかセイヨウシナノキと思われますが、「夫婦愛」はシナノキ属全体の花言葉になっています。

菩提樹のご縁を楽しもう!

出典:写真AC

シナノキ属の樹木が、縁あって「菩提樹」と呼ばれるようになりました。地域に適したもので代用するいきさつに、仏教の懐の広さを感じる人もいるかもしれませんね。インドボダイジュは、現代では流通や地球温暖化の影響もあって、日本でも観賞用の鉢植え栽培などが可能です。さまざまな菩提樹を楽しみましょう。

Sandy
ライター

Sandy

家庭菜園など庭いじりを楽しんでいます。樹木も好きで、様々な木を植えては剪定に追われています。素敵な写真をシェアしてくださる方々に感謝です。

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