りんごの表面がベタベタしてるのはワックス?その正体や落とし方を紹介

りんごの表面がベタベタしてるのはワックス?その正体や落とし方を紹介

りんごは栄養豊富な果物です。しかし、表面にワックスが塗られているように感じて皮ごと食べることに抵抗のある方も多いでしょう。そこで、りんごの表面がベタベタしている理由や身体に害はあるのか、海外りんごの人工ワックスの取り方を解説します。

記事の目次

  1. 1.りんごのベタベタの正体
  2. 2.りんごに天然ワックスがついている理由
  3. 3.りんごのワックスの落とし方
  4. 4.りんごの皮に含まれる栄養
  5. 5.輸入りんごの人工ワックス
  6. 6.りんごのベタベタは食べごろのサイン

りんごのベタベタの正体

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りんごは、シャリシャリした食感とあっさりした甘味をもつ果物です。しかし、皮の表面がベタベタしているのが気になる方も多いかもしれません。国産りんごの皮がベタベタしているのは、りんごの表皮細胞から出る「天然ワックス」が原因です。人工的にワックスが塗られているわけではないため、皮ごと食べても大丈夫です。

天然ワックスの成分

りんごの皮の天然ワックス成分は、りんご自身が作り出した「ロウ物質」です。りんごが熟すにつれて、果肉中にリノール酸やオレイン酸などの脂肪酸が増えて皮に含まれる透明なロウ物質を溶かすため、表皮がベタベタした状態になります。油を塗ったような現象から「油あがり」と呼びます。

ロウ物質とは?

ロウ物質は「天然ワックス」とも呼ばれ、パラフィンやアルコール、飽和脂肪酸からできている物質です。これらは、一般的な食品によく含まれている物質で、食べても身体に害はありません。ロウ物質は、品種によって量が異なるため「つがる・ジョナゴールド・紅玉」などは油あがりが多く、「ふじ・王林」は油あがりが少ない品種です。

りんごに天然ワックスがついている理由

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国産りんごの表面がベタベタしているのは、水分の蒸発から乾燥を防ぎ、成熟したりんごの鮮度を守るために発生する自然現象です。きれいに見せるためにワックスを塗ったり、防腐剤などが掛けられていたりするわけではありません。りんご自身からロウ物質が染み出ている状態です。

理由①乾燥を防ぐ

りんごの天然ワックスは、乾燥を防ぐために発生します。天然ワックスで表面を覆うことで水分の蒸発を抑えて乾燥を防ぎ、また微生物が果肉に入るのを防いでいます。劣化を防ぐための防衛術といえるでしょう。

理由②熟成を表す

リノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸は、りんごが熟成するほど増加します。表面がベタベタしている状態は、甘くておいしい新鮮な状態を示しています。完熟したぶどうの表面に「ブルーム」と呼ばれる白い粉がついているのと同じです。

ボタニ子

ボタニ子

皮がベタベタしているときが、食べごろの合図です!

りんごのワックスの落とし方

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国産りんごの天然ワックスは、水や塩など家庭にあるものを使って簡単に落とせます。身体に害のある成分ではないため、落とさず皮ごと食べても大丈夫です。重曹や野菜用洗剤を使った洗い方は、輸入りんごの人工ワックスの取り方にも使えます。

洗い方①流水で洗う

りんごの皮の天然ワックスは、水洗いするだけで問題ありません。表面を回しながら流水で全体を洗いましょう。浸け洗いよりも流水のほうがおすすめです。農薬がわずかに残っている場合も水で洗い落とせます。

洗い方②食品用の重曹で洗う

重曹で洗う場合は、ボウルに水を入れて食品用の重曹を溶かして洗います。使用する重曹は小さじ1杯程度です。りんごを1~2分ほど浸けてからスポンジで擦って洗います。あまり長い時間浸けると、大切な栄養素まで流れ出てしまうため注意しましょう。

洗い方③酢や塩で洗う

酢や塩で洗う場合は、りんごを酢水や塩水に数分間つけて洗います。全体を揉むようにしながら表面を洗いましょう。酢と塩は、りんごの酸化を防ぎ変色も防いでくれます。

落とし方④野菜用洗剤で洗う

りんごの油分は、野菜洗い用洗剤と記載されたもので落とせます。用途欄を確認してから使いましょう。りんごに洗剤を吹きかけて表面を擦って30秒以上しっかりすすぎます。すすぎが足りないと、りんごの果肉に洗剤が染み込んでしまうため、しっかり洗い流すことが大切です。

ボタニ子

ボタニ子

食器洗い洗剤の中で用途欄に「野菜・果物」と記載されている洗剤も使えます。

りんごの皮に含まれる栄養

Photo by yosibiroum

りんごの皮と果肉の間には、ポリフェノールやペクチンが豊富に含まれています。特に、果肉よりも皮に栄養が詰まっているといわれ、栄養をしっかり摂るためには皮ごと食べるほうがおすすめです。ただし皮は消化に悪いため、体調がすぐれない場合や胃が弱っている場合は皮をむいて食べましょう。

皮に含まれるポリフェノールにあるとされる効果

  • エピカテキン…抗酸化作用が高く、免疫力を高める
  • プロシアニジン…アレルギーの改善や美白効果
  • アントシアニン…高血圧の予防や視力の改善

輸入りんごの人工ワックス

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海外から輸入されたりんごは、見た目がツルツルしていることが多いです。輸入に時間がかかるため完熟前のものが出荷され、防虫対策や艶を出しておいしそうに見せるために人工ワックスが塗られています。皮ごと食べるのはおすすめしません。オーガニック栽培の表示や無農薬栽培の記載があるものはワックスが塗られている可能性は低いです。よく見てから購入しましょう。

ボタニ子

ボタニ子

人工ワックスの取り方は、「りんごのワックスの落とし方」を参考にしてください。

りんごのベタベタは食べごろのサイン

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国産りんごの天然ワックスは、甘くておいしい食べごろのサインです。乾燥を防ぎ新鮮さを保つために、りんご自身が生み出している油成分です。皮ごと食べても害はありません。ベタベタした成分の取り方は簡単です。どうしても気になる方は軽く水洗いしてから食べましょう。

sacchi
ライター

sacchi

子育てと介護に励む主婦ライターです。信州の豊かな自然の中で、たくさんの植物に囲まれて育ちました。娘のアトピー改善のために、薬膳料理に奮闘中です。

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