ベランダなどに現る「赤くて小さな虫」の正体とは?生態と駆除方法を解説!

ベランダなどに現る「赤くて小さな虫」の正体とは?生態と駆除方法を解説!

ポカポカと陽気がよくなる春頃、石の上やアスファルト、コンクリートの上を「赤くて小さな虫」が這い回っているのを見たことがありませんか?大量に発生すると嫌ですよね。「赤くて小さな虫」の生態や、予防方法、駆除方法を解説していきます

記事の目次

  1. 1.小さな赤い虫と住まいの歴史
  2. 2.小さな赤い虫と花粉症
  3. 3.カベアナタカラダニの生態
  4. 4.カベアナタカラダニが発生する原因
  5. 5.カベアナタカラダニの予防方法
  6. 6.建物の点検
  7. 7.建物の補修と家の中での対策
  8. 8.カベアナタカラダニは有害?
  9. 9.カベアナタカラダニの駆除方法について
  10. 10.まとめ

小さな赤い虫と住まいの歴史

小さな赤い虫

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

今では春から夏にかけて大量に発生することで、広く知られている真っ赤なちっちゃい虫が、日本で確認されたのは1980年頃のことです。野外ではアスファルト、住居ではベランダ、庭、家の中、部屋の中などで確認されています。

真っ赤な小さい虫の相談

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

真っ赤なちっちゃい虫が確認されるきっかけは役所や保健所に、真っ赤なちっちゃい虫のことで、全国的に苦情や相談が増加したことからです。今まで見たことがない真っ赤なちっちゃい虫が、ベランダ、庭、家の中、部屋の中まで侵入し、大量に這い回っていたのですから無理もないことです。
 

真っ赤なちっちゃい虫の相談内容とは

・出典:写真AC

出典:写真AC

1.真っ赤なちっちゃい虫が建物や周辺、庭の敷石、アスファルトなどに大量に発生している。
2.真っ赤な色で目立ち、気持ちが悪い。
3.家の中や部屋の中まで侵入してきて不快。
4.干してある洗濯物や布団について不快。
5.毒虫ではないかという恐怖感。
6.駆除の方法を教えて欲しい、駆除をして欲しい。
 

真っ赤な小さい虫と住環境の変化

和風建築から洋風建築へ

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

1980年という年は、それまで和風が一般的だった住宅デザインは、床はフローリングの部屋を取り入れ、洋風デザインへシフトし、住環境も変わっていった時期です。それまでの和風建築では、日本の気候に合った作りで、畳が湿気を吸い、木の縁側があり、家の周りも土が豊富で夏の照り返しも少なく、夏は涼しく過ごせました。

真っ赤な小さい虫と中高層住宅の増加

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

また1980年は日本住宅公団(現:UR都市機構)が供給する東京都の公団住宅(集合住宅)の総管理戸数が100万戸を突破した年でもあります。民間の分譲マンションは、この時代のマンションからオール電化、オートロックの導入、間取りはオール洋室の部屋が特徴的でした。夏の必需品ルームエアコンの普及も伸びました。

真っ赤な小さい虫とコンクリートやアスファルト

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

公団住宅も民間マンションも構造はRC鉄筋コンクリート造りです。住環境に関連して、全国の一般道路のアスファルト舗装化は、1970年代から進められ、オイルショックから回復した1980年代から急速に進展していきました。このように住環境、道路環境の変化は、ちっちゃい赤い虫が大量に発生する下地が作られたのです。
 

小さな赤い虫と花粉症

・出典:写真AC

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春の訪れと赤い小さな虫

春から初夏にかけて、アスファルト、コンクリート、庭石の上を真っ赤なちっちゃい虫がチョロチョロ動き回る風景は、花粉症の季節が訪れを告げるかのようです。ちなみにスギ花粉症が毎年発生するようになったのは1979年からで、日本で真っ赤なちっちゃい虫が確認されたのが1980年頃ということは何か関係があるのでしょうか。

・出典:彫刻家おさむさん写真AC

出典:彫刻家おさむさん写真AC
この真っ赤なちっちゃい虫は、土よりも石の上が好きなようです。

赤い小さな虫の正体は

真っ赤なちっちゃい虫の正式名称

「真っ赤なちっちゃい虫」の正式和名は「カベアナタカラダニ」で学名は(Balaustium murorun(Hermann))といいます。学術的には節足動物門(せっそくどうぶつもん)鋏角亜門(きょうかくあもん)クモ綱(くもこう)ダニ目 ケダニ亜目 タカラダニ科 アナタカラダニ属 に分類されたダニの仲間になります。

名前の由来

「カベアナタカラダニ」は、以前は同属の浜辺の岩の上を這い回っている「ハマベアナタカラダニ」として認知されていました。その後の研究で別の種類だとわかり、アスファルトやコンクリートの上を這い回っている赤いダニを「カベアナタカラダニ」とし、区別しました。

日本と世界のアナタカラダニ

「カベアナタカラダニ」と「ハマベアナタカラダニ」の他に5種類のタカラダニが日本で確認されています。浜辺以外の身近なところで確認されるタカラダニの多くは「カベアナタカラダニ」になります。アナタカラダニは世界で約41種類以上が確認され、世界中に広く分布しています。

ヨーロッパと日本のカベアナタカラダニの関係

近年、遺伝子配列の解析研結果から日本国内に広く分布する「カベアナタカラダニ」の遺伝子が、ヨーロッパの「カベアナタカラダニ」と同一の遺伝子を持っていることがわかり、ヨーロッパからの外来種という仮説がありました。しかし最近の遺伝構造の詳細な解析結果からは疑問があると示されています。

カベアナタカラダニの特徴

・出典:筆者作成

出典:筆者作成

特徴:1

カベアナタカラダニは体長約1mm前後と大きく、全身が鮮やかな赤朱色をしているため容易に肉眼で見つけることが出来ます。胴体、脚はケダニの特徴である無数の毛で覆われています。体の背面に1対の目を持ち、目の後ろにはアナタカラダニの特徴であるウルヌラと呼ばれる穴があります。

特徴:2

幼虫は体長 約0.5mm、体は卵形で背板の形状は成虫に似ていますが、ウルヌラと呼ばれる穴はありません。成虫は身に危険を感じたら、ウルナラから赤い体液を噴出し、その体液には化学物質が含まれていて、仲間には警戒フェロモンとして作用し、敵に対しては防御アロモンとして作用します。

補足説明

フェロモンは同種の個体に影響を及ぼし、アロモンは多種類の動物に影響を及ぼします。平たく言えば、フェロモンは同種間のコミュニケーションに使われます。性フェロモン、集合フェロモン、警戒フェロモンなどです。アロモンは敵の攻撃を弱める働きがあり、スカンクが有名です。

特徴:3

「カベアナタカラダニ」の赤い体は、カロテノイドが豊富に含まれている血リンパ(昆虫の血液)で赤くなっています。この赤色は、捕獲者に対して「危険・悪いもの」と認識させる警告の色になります。それにより、「カベアナタカラダニ」は難を逃れることができます。この警告のことを「アポスマチズム」といいます。

特徴:4

初夏の日差しでコンクリートやアスファルトの表面はかなり熱くなりますが、カベアナタカラダニは短時間であれば高温耐性があります。

特徴:5

カベアナタカラダニは春を告げるように現れ、夏の訪れが近づくと、やがて去っていくのも特徴です。

次のページでは、カベアナタカラダニの生態についてご紹介します。

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カベアナタカラダニの生態

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