サラシナショウマとは?岐阜などに生息する植物の特徴や育て方をご紹介!

サラシナショウマとは?岐阜などに生息する植物の特徴や育て方をご紹介!

サラシナショウマは岐阜を中心とした本州に生息する、ネコのしっぽのような花をつける植物です。山野草ですが、耐寒性もあり日かげでも育ちやすいサラシナショウマ。そんなサラシナショウマの花期や特徴、育て方について詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.サラシナショウマとは
  2. 2.サラシナショウマの特徴
  3. 3.サラシナショウマの仲間
  4. 4.サラシナショウマの育て方
  5. 5.まとめ

サラシナショウマとは

サラシナショウマの名前の由来

Photo by lilli2de

サラシナショウマはキンポウゲ科の多年草で、夏から秋にかけて白い花をたくさんつける山野草です。ヤマショウマ、エゾショウマという別名があります。サラシナショウマの名前は、葉や茎を水にさらしてあくと臭みを抜き、山菜として食べられることに由来して、晒菜(サラシナ)とつきました。升麻(ショウマ)は葉の薬効が麻に似るという意味の中国名です。

ボタニ子

ボタニ子

サラシナショウマのおひたしは苦みが強くて苦手なの。あく抜きが足りなかったのかしら。

サラシナショウマ属は15種

キンポウゲ科サラシナショウマ属に分類される植物は、全部で15種あります。日本に自生するのはサラシナショウマのほかに、オオバショウマ、イヌショウマの3種類です。いずれもCimicifugaという学名が頭につきます。サラシナショウマはCimicifuga simplexという学名です。

Actaea matsumuraeという学名もある

キンポウゲ科のサラシナショウマは属の分類上の変化から、Actaea属に分類されることがあります。そのため、サラシナショウマにはActaea matsumuraeという異なる学名がついています。Actaeaは葉がニワトコに似ていることからつきました。ちなみにCimicifugaは虫も逃げるほどの臭さ、なのだそう。サラシナショウマの葉の臭いからつきました。

ボタニ子

ボタニ子

Actaeaはニワトコという意味のギリシャ語なのよ!

サラシナショウマの花期は夏から秋

Photo by Lida Rose

サラシナショウマはすっと伸びた茎の先に、ネコのしっぽのような花芽のふさをつけます。その重さからか、先端は少しうなだれています。花芽は丸くころころした蕾となり、花開くとたくさんのおしべがあらわれます。サラシナショウマの花期は8月下旬から10月にかけてで、30cmほどの花芽のついた茎が伸びます。

花の色は白

サラシナショウマには花の色が白い品種しかありません。野生種を改良して、育てやすくしたホワイトパールという園芸品種が人気です。また花の色は白ですが、葉がブロンズ色のシンプレックスブラックネグリジェという珍しい種類もあります。

花言葉は「愛嬌」「無邪気」

サラシナショウマの花言葉は「愛嬌」「無邪気」です。花が風に揺れて、つかみどころのない可愛らしい様子からつけられました。その他にも「温かい心」や「雰囲気のいい人」など、ポジティブな花言葉がついています。

生薬として使われるショウマ

サラシナショウマの根や茎は、乾燥させることで漢方薬の生薬として使われています。サラシナショウマの地下茎は、握りこぶしのようなかたまり状のものです。解熱や解毒の効果があり、ショウマを使った漢方薬は現在も市場に流通しています。使われるショウマは中国産が主流です。

サラシナショウマの特徴

葉の特徴

出典:写真AC

サラシナショウマの葉は互い違いに生える、互生です。葉のつく枝には複数の葉が互生し、先端に近づくにつれて小さくなっていきます。葉の臭いは強く、ざくざくと大きな切れ込みが入った丸い形をしています。草丈は120cm近くあり、伸びた茎の先にいくつもの花芽をつけるのが特徴です。

葉の互生とは?

互生とは、葉のつき方のことで一本の枝に葉が交互についていくかたちのことです。それぞれの葉が異なる方向を向いていることが特徴です。少しでも多く太陽の光を浴びようとする、植物の工夫が感じられますね。

花と蕾の特徴

Photo by pmmGarak

長い茎の先にたくさんの白い花を、穂のようにつけるサラシナショウマ。遠くから見ると穂のようですが、近づいて花をよく見るとひとつひとつが花火のように開いています。花が開く前の蕾は鈴のような丸い形をしていて、すこし紅色に色づいています。花が開くと花弁やがく片が落ちておしべが残ります。

サラシナショウマには両性花と雄花がある

両性花にはおしべとめしべがありますが、雄花にはおしべだけがついています。一本の花穂に両性花と雄花が入り混じるサラシナショウマ。両性花には何本ものおしべと、5本前後のめしべがついています。茎の先端に近い花芽には両性花が多く、その下側の花芽には雄花が多くみられます。

果実と種の特徴

サラシナショウマの花からは袋状の果実ができます。はじめは緑の果実が次第に茶色く、熟していきます。果実の中には数個のとげとげした種子が入っています。冬が近づくと、茶色く乾燥した袋状の果実がはじけて、種が飛び散るのです。一本のサラシナショウマの花穂から、無数の果実と種ができます。

サラシナショウマの分布

出典:写真AC

サラシナショウマは日本とアジア、中国の北部に分布しています。香川や東京、千葉、埼玉では絶滅危惧種に登録されています。主な生息場所は林の木陰や草原です。

サラシナショウマの名所は岐阜の伊吹山

滋賀と岐阜の県境にある伊吹山。サラシナショウマの名所として知られています。晩夏になると高原の一面が、サラシナショウマにおおわれとても美しいですよ。山歩きスポットとしてもおすすめです。

ボタニ子

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サラシナショウマのほかにもたくさんのお花が見られるのよ!

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サラシナショウマの仲間

キンポウゲ科のサラシナショウマ属で日本に生育しているのは、サラシナショウマのほかには以下の二種です。

イヌショウマ

イヌショウマは草丈がサラシナショウマより低く、関東の以西に分布しているのが特徴です。葉には毛が生え、花芽には柄がないのが特徴です。イヌショウマは薬用にも食用にも使われません。

オオバショウマ

オオバショウマは草丈が120cmほどでサラシナショウマと同じ見た目ですが、分布は本州の南から九州にかけての温帯です。イヌショウマと同じ、柄のない花芽をつけます。また、葉に毛がないのがイヌショウマとの違いです。

ボタニ子

ボタニ子

イヌショウマもオオバショウマも南に生息していて、花がすぐ茎についているのが特徴なのね!

サラシナショウマの育て方

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耐寒性が高く育てやすい

冬場は地下茎だけ残し、地上部は枯れてしまうサラシナショウマ。耐寒性が強く、冬越しの心配もない育てやすい植物です。また、日陰でも育ちやすい特徴から、植えっぱなしでも花を咲かせやすいのも魅力です。

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花期 8月から10月
植え付けと植え替え 4月か10月
種まき 10月
施肥 植え付け、植え替え時のみ

管理場所は?

半日かげの風通しの良い場所が適しています。地植えにする場合は、真夏の直射日光には当たらない木かげなどの場所を選びましょう。鉢植えの場合は、春と秋は日当たりの良い場所で、夏は日かげで管理します。

肥料は植え付けや植え替えの時のみ

通年を通して、肥料は必要としていません。植え替えや植え付けの時に、用土に緩効性の肥料を混ぜ込むだけで十分です。地植えの場合は、腐葉土をいれて土を肥やしておきましょう。

蒸れや乾燥に注意

乾燥には弱いので、特に鉢植えは水切れしないように注意してあげましょう。また、地植えでも他の草が伸びすぎて蒸れてしまうと、蕾が黒く変色して花にならないことがあります。風通しをよくして、乾燥に気を付けましょう。

増やし方は種か株分け

種で増やす場合は、花後の10月にまきましょう。サラシナショウマの種は熟した段階でまくほうが、発芽率が上がります。株分けの場合は春か秋の植え替え時に、地下根を分けて植え付けます。

サラシナショウマの育て方の注意点

  • 真夏の直射日光には当てない
  • 水切れを起こさないように注意する

まとめ

Photo by John Hayes (gravelboy)

サラシナショウマの純白の花の色は、暑い夏を涼しく彩ってくれます。遠くから見ると穂のように見える花は、近づいてみるとまるで印象が異なります。花火のようにひらいた花も、ビーズのように丸まった蕾もとても可憐です。サラシナショウマの名所である伊吹山には、多数の山野草の花が咲き乱れます。ぜひ一度、訪れてみたいものです。

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高山植物の宝庫 伊吹山: Treasure trove of an alpine plant Ibukiyama SlowPhoto

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あき
ライター

あき

4歳1歳を育児しています。中古住宅の庭へ何を植えようか日々模索中です。今年の春はイチゴに挑戦!

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