切り花、生け花を身近なアイテムで長持ちさせる方法と使い方
「切り花、生け花を長持ちさせたいけれど延命剤がない」「花束と一緒に延命剤をもらったけれど使い切ってしまった。代用品があれば…」という方に、キッチンにある身近なものでできる延命方法とそのアイテムをご紹介します。
漂白剤
生け花に漂白剤!?と驚かれる方もいるかもしれませんが、漂白剤は生け花を美しい状態で保存するのに一役かってくれます。その理由は、漂白剤に含まれる成分。殺菌作用となり、バクテリアの繁殖を抑える働きをしてくれます。漂白剤の使用量は数滴、水の量にもよりますが、水1Lに対して5滴くらいが目安です。一輪挿しだと1~2滴でOK。入れすぎると保存どころか枯れる原因となりますので注意しましょう。
砂糖
漂白剤とあわせて使いたいのが砂糖です。こちらは花の栄養となり、きれいな状態を保存するのに一役かってくれます。砂糖の使用料の目安は、水の量1Lに対して20g。ただし、漂白剤なしで砂糖だけを使用してしまうと、糖分がバクテリアのエサとなり枯れるのを早めてしまいます。砂糖と漂白剤はセットでつかうとよいでしょう。
サイダー
サイダーはTVでも紹介されたことのある、意外な切り花の保存方法。サイダーに含まれる二酸化炭素が殺菌作用、糖分が栄養となり、保存力を水のみより上げることにつながります。サイダーの使用量は水の量3に対して1がベストです。普段は飲んで美味しいサイダーにも、意外な活用法があるのです。
長持ちの方法がわかったら楽しみ方を考える
花のある暮らし、素敵なのはわかるけれど枯れたりするのを考えるとなかなか取り入れるのが難しいかな…と思ってしまっていた方も、これまで見てきた花の長持ち、きれいな状態で保存する方法で、少しは身近に感じられるようになったでしょうか。長持ち、保存方法がわかったら、つづいて気軽に花を楽しむ方法をみてみましょう。
花束で楽しむ
花を生けるきっかけで多いものとして、花束が家にきたとき、というシチュエーションがあるのではないでしょうか。本来なら水切りなどひとつずつしたいところではありますが、延命剤が一緒にあることも多いので、まずは花束としての形はくずさずに生けるのもよいでしょう。花束に合ったサイズの花瓶を選び、きれいに洗ってから適量の水に延命剤を入れて生けます。
花束を購入する際のワンポイントアドバイス
きれいな花束は贈っても贈られても嬉しいもの。購入時に、お花屋さんに花束のイメージの他に「花瓶にそのまま生けやすいものがよい」「保存がきく長持ちする花がよい」など飾る際の希望も伝えるとよいでしょう。生けやすい長さに調整したり、日持ちのする花材を選んでくれたりします。相談してみるのもいいですね。
一輪挿しで楽しむ
花束ももちろんきれいですが、もっと手軽に花のある暮らしを楽しめるのが一輪挿し。一輪挿しは文字どおり、花1本でかたちになる素敵な生け方のひとつです。洗面所やキッチン、トイレ、デスク上など、小さなスペースにいろどりを添えてくれます。シンプルなだけにセンスが光るのもポイント。一輪挿し用の小さな花瓶はもちろんですが、それ以外にも身近にぴったりなものが。それらをご紹介していきます。
小瓶をつかって
ちょっとしたかわいいドリンクの空き瓶なども、雰囲気が出て一輪挿しやコーナー用の花器としてむいています。お手入れする間に茎が短くなってしまった花なども、気軽に一輪挿し気分で楽しむとよいでしょう。花の種類、長さにもよりますが、かわいいジャムや調味料の空き瓶などもよいですね。
コップをつかって
一輪挿し、というと細長い花瓶を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、必ずしも細長である必要はありません。高さが低めのコップもおすすめです。水の透明感に草花の色も映えて、小さいながらも美しいものです。アンティークな雰囲気がお好きな方は、キャラメルやグリーンの透明タイプのものをつかうと、インテリアにあった生け花になります。また無色透明のものであれば、水の汚れをチェックしやすくよいですね。
コーヒーカップをつかって
お気に入りだったのに欠けてしまい、捨てられずにとってあるコーヒーカップがあれば、それも素敵な花器に大変身します。特に和風の焼き物のカップなどは、素材が土なだけに非常によくマッチします。花だけでなく実ものとの相性もよいのがうれしいところ。一輪挿しくらいの気軽さ、手軽さで飾れるのに、インテリアとしても頼れる花器となってくれます。
一輪挿しのワンポイントアドバイス
水の取りかえも手軽にできるのが一輪挿しのよいところ。こまめに水をかえましょう。花器が小さいため、水の量自体も少量です。漂白剤、砂糖、サイダーなどを使用する場合は、入れる量を気をつけましょう。バラなどのはなやかな花はもちろんですが、一見ちょっと地味かな…と思う花や草花でも、一輪挿しに生けるだけで絵になるから不思議です。生け花初心者の方にもぜひおすすめしたい楽しみ方のひとつです!
コーディネートで楽しむ
花の扱いに慣れてきたら、花のタイプにとどまらず、テーブルコーディネートのテーマカラーに合わせて、部屋のインテリアに合わせてなど、テーマとして大きく楽しむアイテムとして取り入れることもできます。すぐに枯れてしまうことなく長持ちの方法がわかっているからこそ、お手入れしながら形を変えて、コーディネートを楽しむことができるようになります。
動画紹介①(お家でできる簡単いけばな)
動画出典:いけばなの根源 池坊
動画紹介②(お家でできる簡単いけばな)ペットボトル編
動画出典:いけばなの根源 池坊
まとめ
切り花、生け花を長持ちさせる基本的な方法から、キッチンにある漂白剤や砂糖、サイダーなど身近なアイテムをつかう長持ち方法までみてきました。今までなんとなくしていたことも、理由がわかると一段と取り組みやすくなりますね。お気に入りの花を1日でも長く楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてください。
- 1
- 2