クランベリーの育て方!季節に合わせた管理方法や病害虫対策など解説!

クランベリーの育て方!季節に合わせた管理方法や病害虫対策など解説!

コロンと丸い赤い実をつけるクランベリー。かわいらしさにひかれて苗を買ったものの、なかなかうまく育てられない方も多いのではないでしょうか。クランベリーの育て方には少しコツが必要です。季節ごとの管理方法、病害虫対策や増やし方まで詳しく育て方を説明します。

記事の目次

  1. 1.クランベリーとは?
  2. 2.クランベリーの育て方
  3. 3.季節ごとの管理方法
  4. 4.室内で育てるコツは?
  5. 5.クランベリーにつきやすい病害虫
  6. 6.クランベリーの増やし方
  7. 7.たくさん実らせるには?
  8. 8.まとめ

クランベリーとは?

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クランベリーは北米やヨーロッパにおいて、古くから人々の暮らしになじみ深いベリーのひとつです。なかでもクランベリーで作られたソースは、感謝祭やクリスマスなど、イベント料理の彩りには欠かせません。生で食べるには酸味が強く、ジャムやジュース、ケーキなどに加工して利用されます。

クランベリーの基本情報

北海道から沖縄まで日本全国で栽培は可能です。本来は冷涼な気候を好み、ピートモスや腐植質の多い湿地帯でよく育ちます。基本情報は以下の通りです。

科名 ツツジ科
属名 スノキ属

学名

Vaccinium macrocarpon
和名 オオミノツルコケモモ(大実蔓苔桃)
原産地 北アメリカ北部・東部
開花期 6月~7月
果実成熟期 9月~10月

クランベリーの特徴

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樹高は30cmほどの常緑小低木です。横に這うように伸びる性質があり、長いものでは120cmほどまで茎を伸ばします。

かわいらしい小花

初夏に薄い桃色の小花を咲かせます。その形は鶴に似ており、英語で鶴を意味するcrane(クラン)が名前の由来になったとされます。

葉の紅葉も楽しめる

秋には実だけではなく、真っ赤に色づいた葉も楽しめます。近年ではプランターなど、寄せ植えのアクセントとしての利用も増えてきました。葉は落葉せず、春になると再び緑色に戻ります。

クランベリーの種類

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一般的に食用で利用されるクランベリーは、オオミノツルコケモモから選抜されたものです。日本で流通しているものは「クランベリー」や「コケモモ」とだけ記載され、品種名がないものが多くあります。アメリカやカナダで栽培されている品種には以下のようなものがあります。

品種名 性質
アーリー・ブラック 暗紅色で鈴型、早生で生長が早く病気に強い
サールズ 暗紅色で大粒の卵型、貯蔵しやすいが病気に弱い
ジャージー 野生種を選抜せず栽培したため、特性が多様
センテニアル 紅色で大粒の桃型、貯蔵しやすいが病気に弱い
ハウズ 紅色で卵型、晩生で貯蔵しやすいが病気にやや弱い
マクファーリン 暗紅色で大粒の楕円形、豊産性で貯蔵しやすく病気に強い

近縁種は食用に利用しない

同じスノキ属の近縁種に、ツルコケモモ(V.oxycoccus)と、コケモモ(V.vitis-idaea)があります。どちらも北半球の高山帯に分布していますが、野生の実の利用のみで食用として利用はされません。

クランベリーの育て方

園芸店でも実をつけたクランベリーの鉢植えをみかける機会が増えているようです。クランベリーの栽培には、少しコツが必要です。詳しい育て方をご紹介していきます。

育て方①よい苗を選ぶ

まずは、よい苗を手に入れることから始めます。ほとんどはポット苗での入手ですが、枝先が枯れていたり、根がカラカラに乾いていたりするものは避けましょう。病害虫がいないかもしっかりチェックします。太い枝が数本出ていて、葉にツヤがあるものを選びましょう。

育て方②置き場所

ウランベリーは、日当たりと風通しがよい場所を好みます。また、暑さには弱いため、西日が当たるような場所は避けます。室内で管理する場合も、南東向きの日当たりのよい、空調の当たらないところを選びましょう。

育て方②用土

水はけのよい土壌を好みますが、同時に乾燥にも弱く、湿った場所が適しています。また、酸性土壌を好み、最適pHは4~4.5とされます。植え付けるときは、酸度未調整のピートモスや鹿沼土、腐葉土などを多めに混ぜ、水はけと水持ちの両方を補うとよいでしょう。

鉢植えやプランターの場合

鉢植えやプランターなどは地植えに比べて乾燥しやすいため、水持ちのよいピートモスをベースに赤玉土や鹿沼土を配合します。配合例を参考に環境に合わせて変えてみるのもよいでしょう。

配合例
基本的な配合 赤玉土(小粒):ピートモス:腐葉土=4:3:3
酸性度が高い配合 ピートモス:鹿沼土:パーライト=6:2:2

育て方③水やり

クランベリーは湿った環境を維持する必要がありますが、常に同じ水が停滞することも嫌います。上手に新鮮な水を供給し続けることがポイントです。

鉢植えやプランターの場合

表面の土が乾いたように見えたら、底から出るまでたっぷりと与えます。古い水を流し、新鮮な空気を送りましょう。受け皿には水を溜めたままにしないよう注意します。

地植えの場合

土の表面が乾きすぎないように、雨が少ないときは様子をみながらたっぷりと水を与えます。スプリンクラーなどで常に新鮮な供給できるのが理想的ですが、家庭ではなかなか難しいのが現実です。乾燥が強い場合はピートモスで株元をマルチングするなども有効です。

育て方④肥料

植え付け時にしっかり腐葉土や堆肥を混ぜておけば、土壌中の養分だけで十分育ち、基本的に施肥は不要です。植え付けから一年経過した株には、秋にマルチング代わりとして、ピートモスや堆肥を株回りに追加するだけ問題ありません。鉢植えも同様です。

やや生育が弱い場合

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やや生長が弱い株には、寒肥として12月~1月に、油かすなどの有機質配合肥料をごく少量の与えます。降雪地帯では雪解け後の3月に施肥してもよいでしょう。鉢植えには、早春に液体肥料を1000倍に薄め、2週間おきに3~4回ほど与えるのも有効です。

育て方⑤植え替え・植え付け

時期

鉢植え、地植え両方とも温暖地では3月か11月、寒冷地では3月を目安に行います。鉢植えは根詰まりを起こしやすいため、2年に1度は植え替えをしましょう。

地植えの場合

直径40cm、深さ30cmくらいの植穴を掘り、掘り上げた土にしっかり堆肥や腐葉土、ピートモスをすきこみます。苗を配置し、深植えにならないように土を埋め戻します。数本植える場合は50cmほど間隔をあけましょう。たっぷりと水を与え、土を落ち着かせます。

鉢植えやプランターの場合

鉢植えの場合は、直径20cm程度(6号~7号鉢)の鉢に1株が目安です。プランター(65型)で栽培する場合は、将来的に広がることを考えて、2~3株程度で植え付けます。植え付け後は底から透明な水が出るまでたっぷり水を与え、細かい微塵を排出します。

根の処理を忘れずに行う

画像出典:筆者作成

購入したポット苗や、長年植え替えていなかった株は、底に根が回っている場合があります。その場合は、底の部分を3cmほど切り落とすと新しい根が発生しやすく、株の勢いがよくなります。あまり張っていない場合は、根鉢を崩さずに植えこみましょう。

育て方⑥剪定

剪定に適した時期

適期は5月です。しかし、この時期はすでに枝の先端に花芽を持っているため、先端部分は刈り込まないよう注意します。果実の生育期も避けます。

剪定の仕方

画像出典:筆者作成

基本的に剪定はあまり必要ありません。ただし、地植えであまりに茂りすぎた場合は、混みあった枝を根元から間引くように剪定します。ひこばえも多く出るため、弱い枝は根元から剪定し取り除きます。

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