キセログラフィカはどんな植物?
キセログラフィカは、チランジア・キセログラフィカとも呼ばれるエアプランツの一種です。チランジアの中でも大型になるタイプで美しい銀の葉をもっており、人気のある植物です。エアプランツであるため、育てる手間もほとんどかかりません。もともとキセログラフィカは絶滅の危機に瀕していたほど数の少ない品種でしたがグアテマラの人が薬品を使い、大繁殖させることに成功したために一般に流通するようになりました。
キセログラフィカの基本情報
科 | ブロメリア科 |
属 | チランジア属 |
原産地 | メキシコ・グアテマラなど |
耐暑性 | 強め |
耐寒性 | 弱い |
開花時期 | 不定期 |
キセログラフィカの特徴
キセログラフィカは2500種以上もあるチランジアの中でも大型化するのが特徴です。その葉は長く伸びるうえにくるんと丸まった特徴的な可愛らしい姿で、エアプランツの中でも人気があります。また長く伸びる葉はトリコームと呼ばれる銀色の細かい毛に覆われ、日を浴びると美しく輝きます。また、葉の付け根の部分に水をため込む場所があるのも特徴の一つです。南米原産のため耐寒性は弱いです。
銀葉種と緑葉種
キセログラフィカのように長く伸びるトリコームが特徴のエアプランツは銀葉種とよばれます。乾燥地帯に自生するエアプランツはこの銀葉種がほとんどです。長く伸びるトリコームで少ない水分や栄養を効率よく取り込むためです。逆に湿地などの湿度が高い場所に自生するエアプランツは水分を取り込み過ぎないためにか、トリコームが短くなるのが特徴でその緑の葉から緑葉種と呼ばれます。
エアプランツの根
エアプランツの根は他の植物とは違う特徴があります。その特徴とは栄養や水分を取り込むためではなく、樹木や岩肌に着生することにあります。大きく育てる場合にはきちんと発根させましょう。エアプランツは着生植物のため、家で栽培するときも土は必要ありません。ただしツルツルしたものには着生できないため、着生させるなら流木かゴツゴツした岩を選ぶといいでしょう。
キセログラフィカに花は咲く?
ボタニ子
キセログラフィカって花が咲くの?エアプランツは観葉植物よね。あまり花が咲くイメージはないんだけど。
あら、そんなことはないわよ。花が咲くエアプランツは多いのよ。キセログラフィカにも美しい紫や黄色の花が咲くわ。中心部から長い茎が伸びると、そこからつぼみを出して花を咲かせるの。
ボタニ子
そうなんだ!楽しみだね。でも花が咲くのは不定期なんでしょ?何かコツとかあるのかな。
そうね、キセログラフィカの花を咲かせるには大きく育てることね。小さいうちは花は咲かないわ。ある程度の大きさにならないと花を咲かせるための茎が伸びることはないの。ちなみに一度花が咲くと2週間~1ヶ月は楽しませてくれるの。ぜひ、大きく育てて花を咲かせてみてね。
キセログラフィカの育て方
キセログラフィカは初心者にも栽培しやすいのが特徴で、特別難しい作業はありません。しかし水やりの仕方や肥料をあげる時期や枯れるのを防ぐための注意点、適切な気温など知っておくべきことがあります。しっかり知識を身に着けて枯れないよう注意して栽培してみましょう。
キセログラフィカの育て方①植えつけ
キセログラフィカは土に植え付ける必要がありません。逆に土に植えると枯れる原因にもなります。そのため流木や岩、コルクボードなど飾り方によって好きなものを用意しましょう。おしゃれなガラス容器などに入れて天井に吊るしたり、ハンギングボードを使って飾るやり方もあります。部屋のインテリアに合わせて飾り方や入れ物が選べるのが、キセログラフィカの特徴です。
植えつけの手順
- ヘゴ板、水苔、アルミの針金などを用意しましょう
- 水苔はしっかり水に浸けて水分を含ませておきます。乾いたままではうまく着生できません。
- 植える直前に水苔から余分な水分は絞っておきます。
- キセログラフィカの根を優しく水苔で包みましょう。
- 長い葉の根元の部分にうまく針金を通しながら、ヘゴ板と密着させていきます。
- キセログラフィカがヘゴ板からはがれないようしっかりしばったら植え付け終了です。
キセログラフィカの育て方②肥料
実はキセログラフィカには肥料はほぼ必要ありません。肥料がなくても元気に育つのも特徴の一つです。しかし、もし早く大きく育てたいときや、花を咲かせたいときなどは1,000倍~2,000倍ほどに薄めた液肥を霧吹きに入れ、水やりのとき水のかわりに薄めた液肥を吹きかけます。液肥を霧吹きで定期的にやることによって大きく育ち、花を咲かせるための茎が伸びるようになります。肥料を与える頻度としては、2週間に1度程度で十分です。夏と冬は避け、春と秋にあげるようにしましょう。
キセログラフィカの育て方③置き場所
キセログラフィカは、室内栽培の場合は日照不足になりがちです。日光が不足すると葉がきれいに伸びることなく徒長してしまいます。そのため室内栽培でもできるだけ日光が当たり、風通しのよい場所に置きます。しかしいくら日光が必要といっても直射日光にさらしてしまうと葉焼けを起こすため、明るい日陰が望ましいでしょう。
室内では窓辺
室内栽培であれば、窓辺の風通しがよく日当たりもよいところに置きます。レースのカーテンなどで遮光するといいでしょう。たまにはと直射日光を当ててしまうと、美しい銀の葉が台無しになってしまうので気をつけてくださいね。
屋外は木漏れ日で
屋外の場合には、大きな庭木がある場合などは木の枝などに吊るすといいでしょう。たくさん育てている場合などは台を作って並べるてみてはいかがでしょうか。いろいろな飾り方が選べるエアプランツならではの飾り方を楽しめます。ただし、屋外でも屋根のある所か明るい日陰に置きましょう。直射日光が当たる場合は屋外で栽培するのはやめておくといいでしょう。
キセログラフィカの育て方④温度管理と湿度管理
キセログラフィカは高い湿度を好みます。空気中の湿度があまりに低すぎる日が続くと枯れる危険もあります。そのため、湿度があまり低くなりすぎるようなら霧吹きを使って空気中の湿度をあげてみてくださいね。温度は上が40度ほど、下は10度くらいです。気温が40度以上になることはあまりない上に耐暑性は強いので夏の暑さはそこまで気になりませんが、耐寒性はあまり強くないため冬は気温が下がりすぎるまえに保温をしましょう。
キセログラフィカの耐寒性と耐暑性
キセログラフィカは耐暑性は強いのが特徴のエアプランツです。もともと亜熱帯地方に原生している植物だからです。とはいえ、森林などに自生していることが多く、直射日光には慣れていません。また、耐寒性は弱く日本では沖縄などの温暖な地方しか冬の屋外は耐えられません。冬は耐寒性が弱くても過ごせる屋内に移動します。
キセログラフィカの育て方⑤水やり
キセログラフィカは空気中から水分と栄養を取り込むエアプランツだから水やりは必要ないのでは、と考える人もいるようですが実は定期的な水やりは必要です。他の観葉植物で葉水をあげるときのように霧吹きに水を入れ、葉から水が滴るくらいに吹きかけましょう。間隔は3~4日に1度くらいで大丈夫です。夏は乾きやすいため霧吹きで水を挙げる頻度を多少増やし2~3日間隔、冬はそこまで水を必要とさしないため霧吹きでの水やりも1週間に1度くらいで十分です。霧吹きは清潔なものを使用しましょう。
腰水管理は必要?
キセログラフィカには、ソーキングと呼ばれる腰水管理は必要ありません。そこまで水を必要としないためです。通常は霧吹きの水やりで十分対処できます。しかしあまりに元気がなく水不足が疑われるときなどには、腰水管理をします。そのまま霧吹きだけで水をあげ続けていると、枯れる危険もあります。腰水管理をするときには大きめのバケツに水を入れ、5~6時間ほど株ごと浸けておきます。耐寒性の弱いキセログラフィカに冷たすぎる水はよくないので水は常温にしてから浸けましょう。
出典:写真AC