モザイク病の代表的な症状と原因まとめ!予防・治療に効果的な対策は? | 病気・虫・雑草

学名Mosaic virus
別名ウイルス病
英名Mosaic

モザイク病とは

Photo by JIRCAS

モザイク病は別名ウイルス病とも呼ばれ、ウイルスが植物の中に侵入することで発生します。病原体となるウイルスはさまざまで、複数のウイルスが侵入して病気を引き起こすこともあり、あらゆる植物がかかります。

モザイク病の症状

植物内にウイルスが侵入すると、葉の緑色が部分的に黄色に変色し、モザイク状にみえることを理由に「モザイク病」と呼ばれます。葉がモザイク状になるほかには、葉の縮れ、株の萎縮、枯れなど全身にさまざまな症状がおこります。

感染すると成育・収量に影響

モザイク病に感染したためにおこる葉や茎の異常により、正常な株と比べて光合成量などが減少し、成育や作物の収量に影響がでます。

初期症状に特徴はある?

モザイク病の初期症状は、葉や花弁に黄色や褐色の斑点があらわれることです。この斑点が広がり、モザイクの模様のようになります。

モザイク病が発生する原因は?

Photo by harum.koh

モザイク病の主な原因はアブラムシとされており、アブラムシが汁を吸うためにあけた穴からウイルスが侵入して引き起こされます。すでに感染している植物の汁にはウイルスが無数に存在しており、この汁を吸ったアブラムシが別の植物の汁を吸うことでウイルスを媒介します。

アブラムシのほかの害虫にも注意

モザイク病のほとんどの感染はアブラムシを介して広がるとされていますが、ほかにもアザミウマ、コナジラミ、ハダニなどによっても媒介されます。

剪定バサミで病気が広がることも

アブラムシが感染を広げるのと同じ理由で、ウイルスに感染した植物を剪定したハサミを使いまわすことで、ウイルスが広がります。ほかにも感染した植物を触った手などが感染源となることもあります。

モザイク病が発生しやすい時期と作物

病気が発生しやすい時期は?

モザイク病を媒介するアブラムシは極端な暑さや寒さには弱く、活発に活動する時期は春~秋にかけてです。4~6月、9月上旬の穏やかな季節には繁殖が盛んになるため、この時期にモザイク病も発生のピークを迎えるといえるでしょう。

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
発生期間
発生のピーク

病気が発生しやすい植物は?

モザイク病はさまざまなウイルスが侵入することで引き起こされるため、非常に多くの植物が感染するといえます。家庭菜園などで人気の野菜のうち、かかりやすいものを下にまとめます。

モザイク病が発生しやすい野菜
シシトウ、トウガラシ、ジャガイモ、サトイモ、ブロッコリー、
ホウレンソウ、ピーマン、パプリカ、インゲン、トウモロコシ、
メロン、キュウリ、ズッキーニ など

モザイク病の症状と見分け方【作物別】

①ジャガイモのモザイク病

初期症状の特徴や見分け方

畝に何株も植えることの多いジャガイモは、ほかの株との比較が簡単にできるので、モザイク病を早期発見しやすい作物でもあります。モザイク病にかかると、ほかの株と比べて葉の色が悪く、成育も遅くなるため株は小さくなります。

②メロンのモザイク病

初期症状の特徴や見分け方

収穫まで時間がかかるメロンはモザイク病にかかりやすい作物でもあります。葉に黄色や褐色の斑点がみられるようになったときや、アブラムシが多く発生しているといった場合はモザイク病を疑いましょう。収量や作物の質に影響を及ぼすので対策が必要です。

③ズッキーニのモザイク病

初期症状の特徴や見分け方

ズッキーニは地面に這うように葉を広げるため、風通しが悪く、アブラムシが付きやすいです。そのため、モザイク病にかかりやすい作物といえるでしょう。初期症状はほかの作物同様、葉に黄色や褐色の斑点がでることです。実がなったとしても萎縮し、小さな実になることが多いです。

④シシトウのモザイク病

初期症状の特徴や見分け方

シシトウは育てやすく、つぎつぎと実をつけるため家庭菜園でも人気の作物ですが、モザイク病にかかりやすいといわれています。収量も大きく減ってしまうため、発見次第、株を引き抜きましょう。

モザイク病の予防方法

モザイク病の原因はアブラムシです。モザイク病の原因であるアブラムシを駆除すること、発生をなるべく抑えること、ウイルスに感染した苗を持ち込まないことが有効な対策といえます。

モザイク病の予防効果が期待できる薬剤・農薬

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レンタミンは天然成分シイタケエキス使用をしたウイルス予防薬なので、有機JAS規格(オーガニック栽培)でも使用可能な薬剤です。植物の消毒はもちろん、使用する剪定バサミや手指の消毒にも使用できます。

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モザイク病の原因・アブラムシの防除方法

シルバーマルチの利用

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アブラムシは太陽の反射光を嫌うため、マルチシートの利用は効果的です。マルチシートを敷けば雑草や乾燥からも苗を守れます。黒のマルチシートも販売されていますが、反射光をつくるためにシルバーのマルチシートを選びましょう。

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長さ200m
厚さ0.22mm
135cm

虫よけネットの利用

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マルチシートの利用とともにおすすめな対策が防虫ネットの使用です。アブラムシだけではなく、ほかの害虫も防げるため作物の管理がしやすくなります。

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目の大きさ1mm
2m
10m

農薬の利用①オルトラン

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オルトランはアブラムシをはじめとした食害性害虫に効果がある薬剤です。地面にパラパラとまくだけで効果が持続するので使いやすく、使用できる作物の種類も豊富です。

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容量200g

農薬の利用②ベニカマイルドスプレー

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ベニカマイルドスプレーは小さな子どものいるような家庭や、少しでも自然な環境で家庭菜園を楽しみたい人には、植物成分使用の薬剤がおすすめです。直接アブラムシなどに薬剤をスプレーします。野菜や果実の収穫前日まで使用可能で、使用回数の制限もありません。

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容量420mL
ボタニ子

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アブラムシの防除についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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健康な苗を選ぶ

モザイク病にかかった苗を畑に持ち込んでしまうと、ほかの健康な作物も病気にかかるリスクがあがるため、健康な苗を選ぶことは有効な対策です。苗を選ぶ際は、葉に斑点がないか、葉や茎が縮んでいないかなどをよく観察しましょう。

病気抵抗性品種も検討しよう

モザイク病に強い抵抗性をもつ品種も誕生しています。毎年のようにモザイク病にかかってしまうというような場合は、以下のような抵抗性品種の検討もおすすめです。

ウイルス病抵抗品種YRくらま【タキイ種苗】

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YRくらまはモザイク病や萎凋病(いちょう病)に抵抗性をもつ品種です。肉質もよく、大根によくある「ス」も入りにくいという特徴があります。

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モザイク病の治療方法

モザイク病に使用できる農薬や、効果的な治療方法は残念ながらありません。発病した株は早期に引き抜いて処分します。感染をそれ以上広げないように、ほかの株の消毒や剪定バサミなどの器具、手指の消毒を心掛けましょう。

モザイク病のよくある質問

モザイク病にかかった野菜を食べても大丈夫?

モザイク病にかかると見た目が悪くなり、口にしてもよいか心配になるでしょう。モザイク病にかかった野菜は、口にしても問題ないといわれています。ただし、味の面では落ちることもあります。

初期症状は?その対策は?

モザイク病の初期症状の多くは葉にあらわれます。葉に黄色や褐色の斑点がではじめると注意が必要です。ほかの作物に感染を広げないために株を引き抜きましょう。

感染した作物は株ごと引き抜かいないとダメ?

初期のうちに発見すると、症状があらわれている葉だけを切りとればいいかと思うかもしれません。ウイルスは植物体に侵入した後、増殖しながら植物全体へ広がっています。株ごと引き抜きましょう。