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    液体肥料と活力液の違いとは?役割と使い方をわかりやすく解説 | 農業・園芸用語

    液体肥料とは

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    液体肥料とは、その名のとおり液体状の肥料です。園芸の世界では略して「液肥(えきひ)」または「水肥(みずごえ)」と呼ばれることがあります。固形や粉末でも、水に溶かして使用するタイプの肥料は液体肥料に分類されることが多いです。有機肥料と化成肥料の2種類があり、用途や植物の状態によって使いわけます。

    液体肥料の役割

    液体肥料のおもな役割は、草花や観葉植物、野菜や果物など植物全般の追肥です。追肥は草花や観葉植物、野菜や果物など植物全般の成長過程で不足しがちな栄養成分を補う役割を担います。そのため「植物が素早く栄養成分を吸収できる」「美しく立派な花を咲かせる、野菜や果実をおいしくするなど、目的に応じた栄養成分を含んでいる」といった効果が求められるのです。

    素早い効果と役割に応じた栄養成分

    固形肥料は水やりや降雨によって、土に溶け出すことで効果を発揮します。しかし、最初から液体である液体肥料はこの過程を省いて栄養成分を根に吸収させるため、効果が早く発揮されます。配合されている成分も夏バテなどで弱った植物の回復、花や実のつきや野菜・果実の味をよくしたりといった質の向上など、目的に応じて調整されたものがそろっています。追肥にうってつけの肥料です。

    活力液とは

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    活力液は「活力剤」「活力素」とも呼ばれている園芸用商品です。複数のメーカーから、さまざまな活力液が販売されていますが、名前が示すように、植物に活力を与えて成長をよくする効果に変わりありません。土に挿して使うアンプルタイプと、水で希釈して使用する液体タイプの2種類が一般的です。

    活力液の役割

    活力液の役割は植物の生育の補助です。「開花・収穫後や夏バテなどで弱った植物の回復」「観葉植物の葉の色ツヤをよくする」「野菜や果物の味をおいしくする」などの効果が求められます。一見すると液体肥料と同じ役割と効果に見えますが、実際は少し違うため注意が必要です。

    あくまでも補助が役割

    肥料は植物の生育の必須成分である窒素・リン酸・カリを含むため、液体肥料のみでも効果を発揮します。しかし、活力液はあくまでも植物の生育の補助を役割とする資材です。活力液のみでは効果を発揮できません。食事でたとえると、肥料が主食と副菜なのに対して、活力液は栄養を補助するサプリメントです。実際に活力液には、肥料の吸収をよくする効果もあります。

    液体肥料と活力液の違い

    出典:写真AC

    違い①役割

    液体肥料と活力液は、役割が違います。草花や野菜など、植物全般の生育を助けるという点は共通ですが、内容が違うのです。液体肥料は植物の生育に必要な栄養を与えるほか、土壌を改良してよりよく育つ環境づくりにも効果があります。一方、活力液は夏バテの予防・改善効果や、根の活着促進効果など、肥料だけでは対応しきれない状況を改善するサポート役を担っています。

    違い②配合成分

    配合成分の違いは、液体肥料と活力液との違いを表すのに、特に顕著で重要な部分です。メーカーや目的による違いはありますが、液体肥料は「肥料の三要素」と呼ばれる窒素・リン酸・カリのほか、マグネシウムやカルシウムなど、植物の生育に絶対必要な栄養成分を含んでいます。これに対して、活力液には肥料成分がほとんど含まれていません。かわりに「微量要素」と呼ばれる栄養成分を含みます。

    微量要素と肥料取締法

    微量要素とは、植物の生育に必要不可欠ながら、必要量は微量である栄養成分のことです。鉄や銅、亜鉛などが該当します。必要量を超えると逆効果になるため、活力液として与えるほうが安全です。また、日本には「肥料取締法」という法律があり、肥料成分の含有量も定められています。肥料と名のつく資材はすべて、この法律の基準を満たしたものです。基準を満たさない濃度の肥料成分を持つ資材も、活力液に分類されます。

    液体肥料の使い方

    出典:写真AC

    ①土壌散布

    土壌散布は、液体肥料の使い方として一般的な方法です。液体肥料を取扱説明書に従った量で希釈し、水やり代わりに与えます。植物の状態にもよりますが、7日~10日に1回のペースで与えるのがベターです。鉢植えの追肥として、一般的な使い方でもあります。もちろん、花壇や庭の植物にも使えますよ。

    ②葉面散布

    土壌散布以外の液体肥料の使い方としては、葉面散布もあります。気温や地中の温度が低くて、根の活動が鈍っているとき、根が傷んでいるとき、接ぎ木などで根がまだ未熟なときなど、土壌散布では栄養成分がうまく吸収されない場合に向いている方法です。薄めに希釈した液体肥料を、霧吹きなどで葉に散布します。葉緑素を生む働きを持つ窒素が多めの尿素肥料が、葉面散布向きです。

    ③水耕栽培の肥料

    液体肥料は水耕栽培にも用いられています。水耕栽培といっても、水だけで植物の生育に必要な栄養分の補給は不可能です。しかし、土を使用しない水耕栽培では固形肥料が使えません。そこで液体肥料の出番となるわけです。肥料の種類は、腐敗しにくく臭いも少ない化成肥料が適しています。用法・用量を守って使用しましょう。

    活力液の使い方

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    活力液は植物をしっかり育てたうえで、不足している活力を補うための補助剤です。植物が健康に育っているなら、与えなくても問題ありません。栽培環境、水やり、肥料、病気・害虫対策を正しくきちんと行っているのに、「葉色がよくない」「果実がすぐ落ちる」など、植物に元気がないときに活力液を与えます。使い方は種類によって違いがあるので、取扱説明書に従いましょう。

    おすすめの液体肥料5選

    ①ハイポネックスストレート液肥

    ハイポネックスストレート液肥

    参考価格: 528円

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    「ハイポネックスストレート液肥オールパーパス用」は、肥料メーカーのハイポネックス・ジャパンが販売している液体肥料です。液体肥料は希釈するタイプが多いですが、この商品は水で薄めずそのまま使えます。この商品は草花、鉢花、野菜などほとんどの植物に使える万能タイプです。このほか、観葉植物に特化した「観葉植物用」があります。

    おすすめ度★★★☆☆

    ②ハイポネックス原液

    ハイポネックス原液 800ml

    参考価格: 601円

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    「ハイポネックス原液」は、水で希釈して使う原液タイプの液体肥料です。栄養成分をバランスよく含んでいますが、ややリン酸多めの配合で植物を大きく成長させ、花つきをよくします。植物にあわせて250倍~2000倍に希釈して使うため、草花、野菜、果樹、洋ラン、芝生、庭木、盆栽と、ほとんどの植物に対応できる万能タイプです。

    おすすめ度★★★☆☆
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    ③ハイポニカ液体肥料

    ハイポニカ液体肥料 1L(A・Bセット)

    参考価格: 1,889円

    出典: Amazon
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    「ハイポニカ液体肥料」は、協和株式会社が販売している液体肥料です。水耕栽培用ですが、鉢植えや地植えなど、土耕栽培でも問題なく使えます。A液とB液の2種類の液体肥料で構成されているのが、商品の特徴です。使用する際はA液とB液を同量用意し、水で希釈します。草花、野菜、樹木と、あらゆる植物に対応しています。

    おすすめ度★★★☆☆

    ④花工場原液

    花工場原液 1200ml

    参考価格: 814円

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    「花工場原液」は、住友化学園芸が販売している液体肥料です。原液タイプで、使用する際は植物にあわせて規定量を希釈します。肥料の三要素のほか、カルシウムや各種ビタミンをバランスよく配合しているため、植物が元気よく育ち、花つきや葉色がよくなる追肥にぴったりの肥料です。

    おすすめ度★★★☆☆

    ⑤ハイポネックス観葉植物の肥料アンプル

    観葉植物の肥料アンプル

    参考価格: 396円

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    「ハイポネックス観葉植物の肥料アンプル」は、珍しいアンプルタイプの肥料です。この商品は観葉植物専用で、ほとんどの観葉植物に対応しています。使い方も先端部分を切り離した後、土に挿すだけと簡単です。挿すときの注意点としては、株元から少し離すこと、土が乾燥していたら、少し湿らせてから挿すことがあげられます。

    おすすめ度★★★☆☆

    おすすめの活力液5選

    ①フローラ植物活力剤HB-101

    フローラ 植物活力剤 HB-101

    参考価格: 2,400円

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    「フローラ植物活力剤HB-101」は、プロにも愛用されているロングセラー商品です。水で希釈して使います。スギ、ヒノキ、マツ、オオバコなどの植物から抽出した天然成分を原料とする安心・安全な活力液です。植物の活性化を助けるほか、免疫活性効果や防虫効果もあり、病気や害虫への耐性を高めます。天然由来で、ほとんどの植物に使える点も魅力です。

    おすすめ度★★★☆☆

    ②植物活力素メネデール

    メネデール 500mL

    参考価格: 1,102円

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    「植物活力素メネデール」は、メネデール株式会社が販売している活力液で、看板商品でもあります。根の栄養分吸収率の向上および、植物の切り口や傷口を保護し、発根を促す作用があることが、この商品の大きな特徴です。この特徴から、弱った株の回復だけでなく、挿し木や植え付け・植え替えにも利用されています。

    おすすめ度★★★☆☆
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    ③ハイポネックスリキダス

    ハイポネックス リキダス 800ml

    参考価格: 873円

    出典: Amazon
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    「ハイポネックスリキダス」は、ハイポネックス・ジャパン社が販売している活力液です。カルシウムなどの各種ミネラルのほか、有効成分コリン、フルボ酸、アミノ酸の3種類を配合しています。3種類の有効成分の働きにより、各種ミネラルの吸収率が高められているのがこの商品の特徴です。特にカルシウム欠乏症の予防・改善に効果を発揮します。

    おすすめ度★★★☆☆

    ④トヨチュー熟成木酢原液

    トヨチュー 熟成木酢原液 1500ML

    参考価格: 710円

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    「トヨチュー熟成木酢液」は、園芸・農業用品製造メーカーの中島商事が販売している活力液です。備長炭を焼く際に採取する木酢で作られた天然原液タイプの商品で、水で希釈して土壌散布または葉面散布します。特筆すべきは植物の活性化以外にもさまざまな効果があることでしょう。土壌改良、防虫、犬猫忌避と幅広い効果を発揮します。

    おすすめ度★★★☆☆

    ⑤ヨーキ産業観葉植物用活力剤

    ヨーキ産業 観葉植物用活力剤

    参考価格: 132円

    出典: Amazon
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    「観葉植物用活力剤」は、園芸製品メーカーのヨーキ産業が販売しているアンプルタイプの活力液です。植物の成長と活力の回復に必要な栄養成分をバランスよく含み、先端部分を切って土に挿すだけで、植物に元気を与えます。新芽ができる時期や開花時期など、通常よりも活力が必要なとき、夏バテからの回復、植物に元気がないときに使いましょう。

    おすすめ度★★★☆☆
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