レンリソウ(連理草)とは?絶滅危惧種なの?特徴を詳しくご紹介

レンリソウ(連理草)とは?絶滅危惧種なの?特徴を詳しくご紹介

レンリソウは「マメ科レンリソウ属」に分類されている多年草です。開花時期になると、蝶のようなフリルがかわいらしい形の花を咲かせます。そんなレンリソウの名前の由来や絶滅危惧種に指定されているのか、花や葉の特徴などをみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.レンリソウとは
  2. 2.レンリソウの特徴
  3. 3.レンリソウの近似種
  4. 4.レンリソウを探してみよう

レンリソウとは

Photo byYvonneHuijbens

レンリソウは、5月〜7月にかけてピンク色や紫色の花を咲かせます。日本の本州や九州に分布しており、絶滅危惧種に認定されています。レンリソウは、マメ科レンリソウ属に分類され、川岸などの湿った場所に自生している多年草です。

基本情報

学名 Lathyrus quinquenervius
英名 Perennial pea
科名 マメ科
属名 レンリソウ属
形態 多年草
原産地 日本(本州、九州)

名前の由来

Photo bySanduStefan

レンリソウは漢字で「連理草」と表記されます。連理草の「連理」は「連理木(レンリボク)」という植物が元になってつけられました。連理木は、2本の枝が1本に癒合したものや、一旦分かれた枝がもう一度結合したものをさします。レンリソウの葉は、小さな細い葉が対生しているのが特徴です。その様子を連理木に例えたのが名前の由来です。

連理木の歴史

連理木は、1つの枝がほかの枝と結合した状態をさし、自然界でも少なからずみられる現象です。また、違う品種同士で連理木を形成する場合もあります。連理木の「理」とは「木目」を意味する言葉です。連なった木目は縁起がよいとされ「夫婦和合」や「縁結び」の象徴とされており、日本では献上品として利用されていた歴史があります。

花言葉

レンリソウには「門出」「思い出」「男女の深い契り」という花言葉がつけられています。レンリソウの名前の由来にもなっているとおり、葉が向き合ってついている様子を、仲睦まじい男女に見立てて「男女の深い契り」という花言葉がつけられました。

レンリソウの特徴

Photo byYvonneHuijbens

レンリソウはやや湿り気のある場所を好む植物で、本州や九州の川岸や湿地に自生しています。秋田県や山形県、埼玉県や群馬県など、地域によっては「絶滅危惧種」に指定されている植物です。しかし、群生している場所では一斉に咲き誇るレンリソウが楽しめます。

特徴①葉

出典:写真AC

レンリソウの葉は3cm〜5cmほどの大きさで「偶数羽状複葉」という形状をしています。偶数羽状複葉とは、鳥の羽のような形をしている葉をさし、葉の中軸から小葉が対生しているのが特徴です。小葉は2枚〜6枚で、色は鮮やかな黄緑色です。小葉の先端は線形や披針形で、両面に小さなやわらかい毛が生えています。

葉の中軸は先端が巻きひげ状になる

レンリソウの葉の中軸部分は先端にいくにつれて細くなっており、内側にクルンと巻きひげ状になるのが特徴です。巻きひげの長さは3cm〜10cmほどで、茎から外側に向かって伸びていき、分岐はしません。

特徴②花

出典:写真AC

レンリソウは5月〜7月にかけて、ピンク色や紫色の花を次々と咲かせます。レンリソウの花は2cmほどの大きさで、フリルのついた蝶のような形をしています。レンリソウは「葉腋(ようえき)」と呼ばれる、葉と葉の間から出ている茎から花茎を伸ばすのが特徴です。花茎の先端に、4個〜8個程度の花房を咲かせます。

特徴③実

レンリソウは、花後に「豆果(とうか)」というマメ科特有の細長い果実をつけます。レンリソウの豆果は2cm〜4cmほどの大きさで、縦長の線形をしているのが特徴です。レンリソウはマメ科に分類されているため、豆果はキヌサヤエンドウのような見た目をしています。

毒性がある

レンリソウ属に分類される植物には、「オキサリルジアミノプロピオン酸」という有毒成分が含まれているため注意が必要です。種子を大量に摂取すると「ラチルス病」という病気を発症する恐れもあります。小さな子どもやペットがいる場合は、誤って大量に摂取しないように気をつけてください。

特徴④絶滅危惧種に指定されている

埼玉県

埼玉県では、レンリソウは「レッドリスト絶滅危惧ⅠB類」に分類されています。レッドリスト絶滅危惧ⅠB類とは、近い将来に野生での生息が難しくなり、絶滅する恐れがある植物です。レンリソウを増やそうと多くの人が見守っていましたが、アブラムシの被害にあったり上手に開花しなかったりして、数はあまり増えていません。

京都府

京都では、レンリソウは「絶滅寸前種」とされている植物です。近畿地方では京都でのみ野生のレンリソウが確認されており、京都府南部の木津川河川堤に自生しています。

レンリソウの近似種

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レンリソウは「レンリソウ属」に分類されている植物です。レンリソウ属にはスイートピーやグラスピーなどがあり、花色が豊富なためガーデニングにも利用されています。レンリソウ属にはおよそ160種類の植物が属しており、ほかの植物や木を支えに成長していく「つる性」の性質を持っているのが特徴です。

スイートピー

出典:写真AC

スイートピーは和名で「麝香連理草(ジャコウレンリソウ)」と呼ばれています。開花時期になると、花から麝香のように甘い香りがするのが特徴です。スイートピーは、古くから式典や晩餐会に利用されていました。花色が豊富で、白色や紫色、ピンク色や赤色など、自分好みのスイートピーを探すのも楽しみの一つです。

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グラスピー

グラスピーは「ガラスマメ」や「ラチルスマメ」とも呼ばれている食用植物です。インドでの栽培が盛んで、後作や混栽などに利用されています。グラスピーはそのまま煮たり練ったりして食べられており、価格が安いため貧民の食糧とされる植物です。しかし、大量に食べるとラチルス病気にかかる恐れがあり、現在では毒性の少ないグラスピーが育成されています。

ヒロハノレンリソウ

ヒロハノレンリソウは漢字で「広葉の連理草」と表記されます。ヨーロッパが原産で、世界中の温暖地域に自生している帰化植物です。草丈は2m以上になり、5月〜9月にかけてピンク色や白色の花を咲かせます。別名「宿根スイートピー」とも呼ばれ、見応えのある花弁が人気の品種です。

イタチササゲ

イタチササゲは「豌豆草(エンドウソウ)」「山豌豆(ヤマエンドウ)」とも呼ばれている、ササゲによく似た多年草です。日本以外にも、朝鮮半島や中国の日当たりのよい山地や草原に生息しています。花色が黄色から茶褐色に変色していくのが特徴で、イタチの毛色に似ているため「イタチササゲ」と名付けられました。

レンリソウを探してみよう

出典:写真AC

レンリソウは絶滅危惧種に指定されており、近い将来レンリソウが身近で見られなくなる恐れがあります。湿地や川辺に行ったときには、かわいらしい花を咲かせるレンリソウをぜひ探してみてください。

Alisa.
ライター

Alisa.

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