ラズベリーリーフティーとは?
ラズベリーリーフティーは「妊婦のためのお茶」とも言われていて、妊娠している女性に人気のハーブティーです。ヨーロッパでは出産準備の際に飲むお茶として古くから愛されており、近年日本でも人気が急上昇しています。使われているのは「ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)」です。花が咲く前の、まだ柔らかい新芽を摘み取って乾燥させたものを使って作ります。
ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)
ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)はバラ科の多年草です。寒さに強く涼しい場所が好きな植物で、栽培も比較的簡単なので、ガーデニング初心者にも人気があります。5月から6月ごろに咲く、白くて小さな花もかわいらしいです。ちなみにカフェのデザートやカクテルでよく聞く「フランボワーズ」は、このラズベリーを指すフランス語です。
一般名 | ラズベリー |
原産地 | ヨーロッパ |
和名 | ヨーロッパキイチゴ |
仏名 | フランボワーズ |
種別 | バラ科キイチゴ属 |
成分 | フラガリン、ビタミン、鉄分、タンニン |
ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)のいい伝え
ラズベリーは古い歴史を持っていて、ギリシャ神話にもその名前が登場します。ある日イーデーという女神が、ラズベリーの実を摘み取ろうとしてトゲで指を刺してしまいました。そのときに流れた血で、もともとは真っ白だったラズベリーの実が赤く染まり、それ以来ラズベリーは現在のような色になったとされています。
ラズベリー(ヨーロッパキイチゴ)の花言葉
ラズベリーの花は3月4日の誕生花となっています。花言葉は「愛情」と「深い後悔」です。かわいらしい形と甘酸っぱい味の果実から、「愛情」という花言葉が添えられているのでしょうか。同時に、前述の女神イーデーの指も傷つけた鋭いトゲによって、「深い後悔」というネガティブなイメージもつけられているようです。見た目はたいへんかわいらしいですが、プレゼントにする場合には注意が必要ですね。
ラズベリーリーフティーの特徴
名前にラズベリーとあることから「甘酸っぱいお茶なのかな?」と想像するかもしれませんが、ラズベリーリーフティーには果実は使われていないので味はすっぱくありません。あっさりしていて飲みやすく、ほんのり漂う甘い香りが癒しの効果をもたらします。
ノンカフェインだから妊娠中も安心
くせの少ない飲み口は、どちらかと言えば緑茶やほうじ茶に似ています。食事の邪魔をしない味ですので、毎回の食事のタイミングで飲んでもいいですね。また、ラズベリーリーフティーはノンカフェインで、妊婦さんの摂取もOKです。コーヒーのように眠れなくなることもありませんので、寝る前に飲むのもおすすめです。
ラズベリーリーフティーの効果
ラズベリーリーフティーは安産に効くハーブティーだと言われていますが、妊娠中以外にも女性をサポートしてくれる作用がたくさんあります。ここからは含まれている成分や、それによって期待できる効能をひとつずつご紹介します。
ラズベリーリーフティーの効果①安産
ラズベリーリーフティーを飲んでいると、出産がスムーズに進んだり、陣痛がやわらいだりといった効果があります。これはラズベリーリーフに含まれている「フラガリン」という成分が、子宮を健康な状態に保つためです。安産になれば分娩にかかる時間も短縮されるため、出血量も抑えられるというメリットもあります。
ラズベリーリーフティーの効果②緊張をやわらげる
温かくしたラズベリーリーフティーを飲むことは、リラックスにも繋がります。体を中から温めると、気分がとても落ち着きますよね。特に出産後期は不安も多くてデリケートな時期です。ホットのラズベリーリーフティーを飲んで、心身の緊張をほぐしてあげましょう。
ラズベリーリーフティーの効果③母乳の質の向上
ラズベリーリーフティーは出産の後にも大活躍です。豊富に含まれている鉄分やビタミンといったミネラル成分は、母乳がよく出るように手助けをしてくれます。おいしくて栄養たっぷりのお乳なら、赤ちゃんも喜んで飲んでくれそうですね。
ラズベリーリーフティーの効果④産後の体調サポート
ラズベリーリーフティーで鉄分が補給できることも、産後に貧血になりがちなお母さんには嬉しい効果です。また、前述の「フラガリン」という成分は骨盤のまわりの筋肉の収縮を調節する作用があります。子宮の収縮も助けてくれるため、子宮が妊娠前の大きさに戻ろうとする動きもサポートしてくれますよ。
ラズベリーリーフティーの効果⑤PMSや生理痛の軽減
「フラガリン」による子宮の収縮作用は、月経前症候群(PMS)や生理痛にも力を発揮します。月経の2週間前、排卵日の後くらいから月経開始までの時期に飲むと、つらい症状の軽減に期待できますよ。
ラズベリーリーフティーはいつから飲む?
妊婦さんの強い味方であるラズベリーリーフティーはいつから飲むのが効果的なのでしょうか?一般的には、妊娠28週目(8ヶ月)から39週目(10ヶ月)の妊娠後期にスタートさせるのがおすすめとされています。
妊娠後期から飲み始めるのがおすすめ
飲み始めるのは妊娠後期、1日に2杯から3杯を目安に飲むようにしましょう。飲むタイミングはいつでも構いません。ノンカフェインのラズベリーリーフティーは目が冴えてしまうといった心配もありませんので、夜眠る前でも大丈夫です。
臨月からでも遅くはない
おすすめは妊娠後期に入ったら飲み始めることですが、出産が直前に迫った臨月でも、ラズベリーリーフティーを飲むのがまったくの無駄というわけではありません。子宮の働きを整えて少しでもスムーズに出産するために、そして心身ともにリラックスしてお産に臨むためにも、臨月からでもラズベリーリーフティーを飲むのはおおいに効果がありますよ。
ラズベリーリーフティーの飲み方
ホットで飲む場合
ティースプーンで1杯程度の茶葉をポットに入れて、お湯を注ぎます。10分ほど待つと、葉が開いて成分がたっぷりと抽出されたお茶の完成です。ローズヒップやカモミール、レモングラスなどの他のハーブとのブレンドにすると、味わいやまろやかさの調節ができます。ミルクやはちみつを入れてもおいしいですよ。
水出しの場合
ハーブ特有の渋みが苦手だったり、まろやかな口当たりがお好みだったりする場合は、水出しにするのもおすすめです。分量よりも少し多めに茶葉を入れて、常温水を注ぎます。味がしっかり出るように、じっくりと時間をかけて抽出しましょう。
ラズベリーリーフティーを飲む際の注意点
嬉しい効果がたくさんのラズベリーリーフティーですが、飲む際に注意しなくてはならない点もあります。量やタイミングを守って、適切に楽しむようにしましょう。
ラズベリーリーフティーを飲む際の注意点①飲む量
多くても1日に3杯くらいまでにしましょう。ラズベリーリーフティーは子宮の収縮を助けることでお産を楽にしてくれますが、あまりに摂りすぎてしまうと必要以上に子宮が収縮し、子宮けいれんを起こしてしまう可能性があります。また、切迫早産の診断を受けていたり、おなかが強く張っていたりする時は、かかりつけのお医者さんに確認したうえで飲むようにしましょう。
ラズベリーリーフティーを飲む際の注意点②飲む時期
妊娠初期や妊娠中期は摂取を避け、妊娠後期の8ヶ月ごろから飲み始めるのがおすすめです。飲み始める時期については諸説あり、妊娠中期(3ヶ月以降)からとする見解もあります。しかしながら妊娠初期の「フラガリン」摂取は子宮けいれんを誘発する恐れがありますので、避けた方が無難でしょう。
まとめ
海外、特にヨーロッパではたいへんメジャーなハーブティーのラズベリーリーフティー。「妊婦のためのハーブ」「安産のおまもり」という評判に違わず、女性の健康を助けるたくさんの効能がありましたね。そんなラズベリーリーフティーの特徴と、いつから飲むと効果的か、飲む際に注意する点はなにかなど、飲み方についてもご紹介しました。ビタミンや鉄分も豊富に含んでいるラズベリーリーフは、妊娠している女性以外にもおすすめです。毎日の健康のために、ラズベリーリーフティーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC