トマトトーンの散布
では、トマトトーンを花に散布していきます。散布自体は難しくありませんが、散布する際に知っておくべき方法がいくつかあります。やり方によっては薬害を生じてしまいますので気をつけましょう。
散布前に花を確認
まず、開花している果房を見つけます。1本ごとに確認し散布することで、果房の見落としや重複を避けることができます。作業に慣れてくると、果房の位置を予測することができ、リズミカルに散布できるようになります。
散布は必要最低限にする
散布する際には、生長点と葉にトマトトーンがかからないようにすること、2度がけしないことに注意しつつ、確実に花に散布し着果させなければなりません。作業になれて使い方が荒くなると、芽の生長点や葉にかかってしまい、薬害を生じさせてしまいます。
花の向きを揃えて散布する
果房にに向かって散布するときは、片手は果房に添えてください。そうすることにより、トマトトーンが生長点や葉に掛かることを防ぐことができます。もう一つは、果房を散布する方向へ向かせることで、受粉する確率を高めることができます。
力を入れない
花の向きを強引に揃えようとすると折れてしまいますので、折れならないように力を入れず、揃えてください。花の向きが揃ったら、中心めがけて噴射します。1果房にシュッシュッと吹きかけてください。
食紅を使用する
トマトトーンの2度がけを防ぐ方法として、液体に食紅を混ぜて色を付けるやり方があります。2度がけしてしまうと、作物への薬害が生じてしまいますので、覚えきれない、または使用した確認をしたいという方は食紅を混ぜてみましょう。
スプレー缶の確認
噴霧器を使用していると、スプレー口にゴミが溜まり、噴射が悪くなることがあります。ときどき適切に噴射されているかを確認し、必要があれば掃除をします。また、スプレー缶を振ることで、トマトトーンの成分濃度の偏りを防ぐことができます。時間が経ったと思ったら2、3回容器を振ってみましょう。
トマトトーンによる作物への薬害
トマトトーンの薬害は可能な限り生じさせないよう努めます。トマトに薬害が生じた場合は、作業方法を見直しましょう。被害が大きな場合はトマトトーンの使用をしばらく控えた方がいいです。
薬害を生じさせないようにする
まず、希釈倍数以上の濃度にならないように気をつけてください。同じ果房の2度がけや所定濃度以上の液を使用すると薬害を生じさせてしまう恐れがあります。気温も変化するので、トマトトーンの散布液を作成後、速やかに散布しましょう。
作物への薬害
トマトトーンを2度がけをしてしまったり、葉や生長点に散布してしまうと、薬害の影響が表れてしまいます。薬害がひどい場合は、ホルモン障害を起こしてトマトが通常に育たなくなります。特に生長点に対してトマトトーンを散布してしまうと、薬害の影響で生長が止まってしまいます。高温時には少量でも薬害が出てしまうこともあります。
葉の影響
葉にかかり薬害が生じると、葉が縮れた状態になります。被害が1、2枚であれば、トマトの木はさほど影響を受けることなく成長していきますが、多くの葉が薬害を生じてしまうと、生長に悪影響をもたらします。また、薬害を受けることで他の病気を見分ける際にも難しくなってしまうので、可能な限り葉に散布しないように心がけましょう。
実の影響
トマトトーンは、トマトに受粉したと勘違いさせて着果させています。受粉は1度きりなので、仮に2回トマトトーンを散布してしまった場合、トマトは混乱し、実が通常の形ではなくなってしまいます。2度がけしないように何らかの目印をする、または上記に記載したように食紅を使用するなどしておく必要があります。
生長点への影響
トマトトーンを生長点に散布してしまった場合、トマトの木が正常に育たなくなります。葉や実に関しては、薬害を生じた箇所を除去する方法もありますが、生長点の場合、対処が難しくなります。生長点の近くに果房がある場合、その果房に散布することを控えるか、生長点にかからないよう工夫して散布する必要があります。
効果的なタイミングを見極める
トマトトーンは使い方の他に、時間や風速、気温や天候条件によって、生じる効果が大きく変わってきます。花の状態を確認したうえで、効果的なタイミングを見計らって散布することが大切です。そのため、散布する際は天気予報を頭に入れて作業予定を計画しなければなりません。
おすすめのタイミング
花は、夕方になると閉じてしまいますので、作業は午前中が望ましいです。また、露地栽培の場合、風がないまたは微風のタイミングで作業しましょう。気温は濃度調整で対応可能ですが、可能であれば20℃以上のときに散布しましょう。
このタイミングは避ける
トマトトーンが効果を発揮するためには、散布した後に乾く必要があります。雨の日に散布しても、トマトトーンの成分が雨で洗い流されてしまいますので、効果は薄くなってしまいます。高温の日は、トマトトーンの効果がきき過ぎてしまうことから、薬害の影響も出やすい環境となります。風の強い日も、散布した成分が飛び散ってしまいますので、避けましょう。
まとめ
トマトトーンの使い方やそれを必要とされる時期、効果的なタイミングについてまとめました。トマトトーンは毒性成分を含んでいないホルモン剤であり、適切な方法で使用すれば、実がつかないことはなく、効果的に収量を上げることができます。自分に合うトマトトーンを見つけてホルモン処理にトライしてみましょう。
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出典:https://www.takii.co.jp/tsk/bugs/atm/seiri/sakitogarika/