かぶの旬
まるくて真っ白な根が美しく、食べるとそのみずみずしさや、くせのないやさしい甘みが美味しい、かぶ。スーパーでは一年中出回っていますが、旬の季節はいつなのか気になりませんか?かぶには様々な産地や種類があること、またその特徴についても学びましょう。
旬は春と秋!
かぶの旬は春の3~5月、また秋の10~12月の2回あります。かぶは暑すぎず寒すぎない冷涼な気候を好む野菜だからです。春にとれる春かぶと、秋にとれる秋かぶでは味わいや歯ごたえもことなり、季節が変わるごとにそれぞれの美味しさが楽しめます。
春かぶはみずみずしく生食むき
春かぶは、育つスピードがはやいので、根の部分がみずみずしくやわらかく、甘味が強いのが特徴です。かぶは火を通すもの、という認識が強いですが、春かぶは生食に適正があり、サラダやマリネにおすすめです。葉も茎ごと食べられるほど柔らかいため、葉ごとすべて使い切りましょう。
秋かぶは滋味ゆたかで旨みたっぷり
秋かぶは寒さのために育つのに時間がかかるのでじっくり育ち、かぶ本来の風味やしっかりした歯ごたえが特徴です。また霜がおりたり寒さが厳しくなると、凍らないように甘味や旨みをたくわえるようになります。お出汁もよく出るのでポトフなど煮込み料理が美味しいです。
産地は千葉など関東近県が主
旬の春かぶ、秋かぶは主に千葉、埼玉などの都市近郊が産地になっています。千葉県では特に東京に近い柏市、東庄町、松戸市で多く栽培されています。関東近郊におおいのは、大正時代に東京下町の漬物需要を満たすために、栽培がはじまったためとされています。
ボタニ子
夏は涼しい北海道で生産
かぶの旬は春と秋ですが、夏でも涼しい北陸や北海道なら、かぶをつくることが可能です。また寒さの厳しい冬は主に関東でハウスやトンネル栽培をし、加温して育てられています。そのためスーパーでは産地を変えながら、一年を通して販売されています。
かぶの特徴
ボタニ子
かぶは春の七草のひとつとして、昔から日本人に親しまれてきました!
原産地
かぶの原産地については、アフガニスタンを中心とした地域、またはヨーロッパ南部、西部の海岸地帯を原産とする二通りの説があります。どちらの場合も日本へは華中、シベリア方面から渡来したといわれています。また、日本への伝来の時期は縄文時代といわれています。
日本での利用
日本では昔から春の七草のひとつ、すずなとして重用されてきました。日本に伝来してから全国にひろがり、現在は各地に在来種が残っています。日本は世界の植物学者から「かぶの第二の原産地」といわれるほど種類がたくさんあり各地で栽培されています。
かぶの種類
かぶは白くてまるい、というイメージですがなかには細長いかぶや、赤い皮の赤かぶなど種類がたくさんあります。日本各地にひろがったかぶは、やがて地域に根付いた独自の変化をとげました。なかでも特徴的な二種類の在来種について見てみましょう。
滋賀の伝統野菜、日野菜かぶ
ボタニ子
かぶなのに細長い!大根みたいですが葉っぱはちゃんとかぶの形です。
滋賀県でつくられている日野菜かぶは細長いのがユニーク!地面から飛び出た頭部分だけが日にあたり、綺麗な赤紫色をしていて地面に隠れている下部分は真っ白です。独特の辛味や旨みがあり、漬物にむいています。特に塩漬けは桜漬けとよばれ、親しまれています。
北海道の真っ赤な大野紅かぶ
真っ赤な皮が特徴的な紅かぶは、ほかのかぶよりも寒さに強いとされています。紅かぶの一種である大野紅かぶは、北海道の道南地方で栽培されてきた在来種です。本種は茎も真っ赤ですが、根の部分も中がわずかに赤く、皮ごと酢漬けにすると全体が綺麗な赤にそまります。
かぶは軸の部分!
かぶのまるい部分は、実は根っこではなく胚軸とよばれる部分です。胚軸とは子葉と根っこの間の茎の部分。ここが肥大して育ったのが、かぶの実のようにみえている部分です。畑では完全に土にうまらずに頭部分がでていて、単に根っこではないというのがよくわかりますね。
東京など消費都市に近く、冬でも温暖な千葉県ではかぶがとってもつくりやすいんです!