ルートンの使い方
ルートンは、粉末をそのまま挿し木の切り口につける方法と、ペースト状にして切り口に塗布する方法の使い方があります。それぞれの手順を詳しく解説します。
使い方①粉末そのままを使う
粉末のルートンは、挿し木の切り口に薄くまぶすだけと簡単に使えます。まず、挿し木の切り口を水に浸し濡らします。容器から小分けしたルートンに切り口から2~3cmの部分だけを差し入れ、薬剤を付着させましょう。
つけ過ぎに注意
ルートンは切り口に薄くまぶすだけで十分効果があります。薬剤をつけ過ぎないよう気をつけましょう。つけ過ぎると発根効果が落ちてしまいます。
種には全体にうすくまぶす
ルートンを種に使用するときは、ほかの容器に小分けしたルートンに種を入れ、種全体にまぶします。ルートン20gで2kgの種に使用できます。このとき種が濡れているとルートンと種が塊になってしまい、種まきができません。ルートンは、乾いた種にまぶしましょう。
使い方②ペースト状にする
粉末を水に溶かし、ペースト状にしたルートンを塗布する方法もあります。切り口に凹凸がある場合、ペースト状のルートンのほうがきれいに塗布できます。
塗布の手順
- ルートンを水に溶かし、チューブ入りの歯磨き粉と同じ固さのペースト状にします。
- 挿し木の切り口に塗布します。粉末のルートンと同じように切り口の先2~3cmに、つけ過ぎないよう気をつけて薄くつけましょう。
- 直射日光はさけ、挿し木を日陰に置きペースト状のルートンを乾燥させます。
そのつど使い切る
ペースト状にしたルートンには、殺菌成分が入っておらず雑菌が繁殖したり成分が変質したりすることがあります。使用するときに、使いきれる量だけを水に溶かしましょう。
ルートンを使うときの注意点
ルートンは、植物ホルモンを含んでいる薬剤です。毒性は強くありませんが、取り扱いには注意が必要です。ルートンを使用するときは、次のことに気をつけましょう。
食用作物への使用は避ける
植物ホルモンは、人間の体の中に入るとどのような働きをするのかはっきりわかっていません。したがって、体に入る可能性がある食用作物への使用は避けましょう。
目に入らないように気をつける
ルートンは目に対する刺激性があります。メガネをつけて作業したり、作業後目を洗ったりするなど目に入らないように気をつけましょう。特に、粉末の状態で使用すると、飛び散ってルートンが目に入りやすくなります。使用後目に違和感を感じたときは、念のため眼科受診をおすすめします。
発根を助ける薬剤ということを念頭に
ルートンは挿し木の発根率を上げますが、挿し木の手順や時期を間違えると効果が十分に発揮できません。また、ルートンには挿し木を腐らせる雑菌を殺菌する効果は期待できません。挿し木を行うときは、雑菌が付着しないよう衛生に気をつけましょう。