しだれ梅の概要
しだれ梅とは、バラ科サクラ属の植物で、春先にピンクや白のかわいらしい花をつけます。樹高は5~10mほどにまで成長し、たくさんの枝を下に向かって垂れ下げるように咲くことから「枝垂れ梅(しだれうめ)」と名付けられました。数ある梅のなかでも花を観賞するのに向いている「花梅」の一種で、庭木はもちろん、鉢植えや盆栽としても人気です。
しだれ梅の育て方【栽培スケジュール】
季節ごとにすること
寒い冬のうちに植え付けを
冬はしだれ梅の植え付け時期です。12月~3月までの休眠期ならいつでも構いません。元肥を施し、苗を鉢や地植えで植え付けましょう。初年度は花が咲きませんが、次年度以降はうまくいけば、冬の終わりから開花時期を迎えます。植え替えは花後の3月が理想的です。
春には開花を楽しみ剪定を
しだれ梅の開花時期は冬の終わりから春先にかけての2月~4月ごろです。鉢植えで育てている場合に限り、開花後には来季の花芽を育てるためにも剪定をしましょう。花が完全に咲き終わる5月ごろには、夏の成長期に向けて追肥を施します。
夏には追肥を忘れずに
梅雨が終わった後は、株の疲れを取り成長を促すためにも、追肥を忘れずに施しましょう。真夏を迎える前に、枝や葉を整え通気性をよくするためにも、軽く剪定をするのもおすすめです。
秋には剪定と追肥を
しだれ梅の剪定の適期は10月~11月です。来季の花芽を育て、さらに樹形を整えるためにも、しっかりと剪定してください。暑い夏を乗り切るのには植物も体力を消耗します。追肥を与えて夏の疲れをケアしましょう。
しだれ梅の育て方【準備】
必要な道具
- しだれ梅の苗
- 植木鉢
- 用土
- 鉢底石と鉢底ネット
しだれ梅は、地植えでも鉢植えでもよく育ちます。鉢植えで育てる場合は、7~8号鉢ほどの大きさのものを選びましょう。それより大きい鉢でも育てられますが、初めから大きい鉢に植え付けると、栄養や水分をうまく吸収できずに成長しにくい場合があります。7~8号鉢である程度の大きさまで育てた後に、大きめの鉢植えに植え替えるのがおすすめです。
苗の選び方
しだれ梅の花色は品種によって白や薄いピンク、濃いピンクなどがあり、花の大きさも小さいものから大きなものまでさまざまです。咲き方も一重咲き、半八重咲き、八重咲きのものがあるため、好みの花姿で選びましょう。側根が多く根の張りのよいもので、幹が太いものが丈夫で育てやすいです。
土作り
鉢植えの場合
しだれ梅は水はけのよい有機質を多く含む用土を好みます。自作する場合は、赤玉土(小粒)6に、完熟腐葉土か樹皮堆肥を4の割合で混ぜて準備しましょう。自作が難しい場合は、元肥入りの市販の草花用培養土を使うのが簡単でおすすめです。
地植えの場合
地植えの場合は、まず植え付ける場所の土を掘り起こします。次に掘り起こした土2に対して完熟堆肥や腐葉土1の割合で混ぜ混んだら完了です。植え付け時までに土を落ち着かせるためにも、植え付け2週間前までには土作りを済ませましょう。
しだれ梅の育て方【植え付けと植え替え】
植え付け
鉢植えの場合も地植えの場合も、初めに苗木よりひと回り大きめの穴を開けます。次に苗木をポットから取り出したら、根についている土を軽く落とし、穴の中に植え付けましょう。上から土をかぶせて表面をならしたら完了です。根が安定するまでの1~2週間の間は、明るい日陰で管理してください。
ボタ爺
植え付け時期は、12月~3月までの間ならいつでもいいぞ!休眠期の寒い時期に済ませるんじゃよ!
しだれ梅に支柱は必要ですか?
基本的に、しだれ梅に支柱は必要ありません。。ただし根がしっかりと張り枝が太く成長するまでの間は、強風で倒れたり枝が折れたりしやすいため、強風に当たる場所に植える場合(主に地植え)は支柱を立てることをおすすめします。支柱の高さは、苗木の大きさにあわせて調整してください。
植え替え
しだれ梅は根の張りが強い植物で、鉢植えの場合は根詰まり防止のためにも、2~3年に1回を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は花後の3月ごろです。植木鉢から株を取り出し、根についている土を取り除きます。傷のある根や黒ずんでいるもの切り落としたら、植え付け時と同じやり方で一回り大きめの鉢に植え替えてください。
鉢植えのしだれ梅を小さいまま育てたいのですが、どうしたらよいですか?
鉢植えのしだれ梅を小さいまま育てたいのであれば、植え替え方法に気をつけましょう。基本的には一回り大きめの植木鉢に植え替えますが、同じサイズの鉢に植え替えても構いません。ただし、根詰まりすると枯れる原因になるため、植え替え時には古い根をしっかりと切り落とし、コンパクトに整えてください。
ボタニ子
次も引き続き、しだれ梅の育て方について説明していくよ!
出典:写真AC