セダムとは?
セダムは園芸品種として大変人気があり、種類も豊富です。自生種や園芸種を一覧にし18種を紹介します。ぜひ参考にしてください。マンネングサ属(セダム属)の「セダム」は広い意味での多肉植物を含んだ名前どして使われます。キリンソウは現在はキリンソウ属ですが、それ以前はマンネングサ属に含まれていました。
基本情報
学名 | Sedum |
和名 | マンネングサ(万年草) |
科名 | ベンケイソウ科 |
属名 | マンネングサ属(セダム属) |
多肉植物
セダムは多肉植物で、植物自身が茎や葉に水を貯め、育てやすいのがポイントです。多肉植物はサボテン科、アロエ科、ハマミズナ科、ベンケイソウ科など多くの科に分けられます。セダムはベンケイソウ科に含まれます。ベンケイソウ科の植物は世界中に分布し、その数約300種類といわれているのです。
マンネングサ属(セダム属)
セダム属はベンケイソウ科のなかで一番大きな属で、世界に400種類以上ある植物です。一年草、二年草、多年草に分かれます。日本ではマンネングサ(万年草)の名前で知られ、道ばたなどに20種類ほど自生しています。海外から入ってきて野生化しているセダム属の植物もあるのです。
分布
セダム属は世界各地に広く分布している植物です。アジアに140種ほど、ヨーロッパ、中東、アフリカには100種ほどあります。南北アメリカ大陸には約170種程度分布しています。日本でも広く分布していますが、北海道では自生していません。
名前の由来
和名は万年草(マンネングサ)です。学名「Sedum」はラテン語の「sedum」からで「sedere(座る)」が語源です。岩や壁にはりつきながら育つことが多い生態からきています。はりついて広がる様子から、地面を這っていきグランドカバー向きの植物です。
花言葉
セダムの花言葉には「静寂」「私を思ってください」「落ち着き」「星の輝き」などがあります。「私を思ってください」は地面に沿って小さな花が咲く姿からでしょうか。また「星の輝き」は星を思わせる花が満開になった様子が、満天の星空をイメージさせるのかもしれません。
セダム特徴
セダムは日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。多肉植物のため、セダム自身で茎や葉に水を貯められます。常緑性、落葉性、葉が美しいカラーリーフ、盆栽に向いているものまで種類がたいへん豊富です。初心者でも育てやすいところが嬉しいポイントでしょう。
特徴①葉と茎
セダムは、基本的に地面を這って繁殖する性質でグランドカバー向きのものが多いです。しかし、なかには立ち上がるものや、つる性でハンギング向きのものもあります。全体的にベンケイソウ科の中では小さく、よく枝分かれします。葉はぷっくりとした形のものが多く、粒状や棒状などいろいろな形をしています。
特徴②花
セダムの花の開花時期は種類により違いますが、おおむね2月~11月頃です。色は黄色や白色の花が多いです。ピンク色や、赤色などの色が咲く種類もあります。花の形は可愛らしい星の形をしています。
特徴③環境
セダムは日なたを好む植物です。地植えなら、日当たりと水はけがよい場所を選んで植えましょう。種類により、耐寒性、耐暑性が変わるため、地植えにするか鉢植えにするか確認してください。葉や茎に水分を貯める性質のため、水を与えすぎると枯れてしまいます。
特徴④増やし方
セダムは葉が落ちたものや、剪定したもので簡単に増やせます。切った葉や茎を地面に挿すだけで増やせるため、枝や葉は捨てないで地面に挿してみてくださいね。もちろん株分けもできます。
セダム種類一覧
セダムは種類が豊富な植物で、似ているものもたいへん多いです。画像を確認しながら、それぞれの特徴や見分け方を紹介していきます。購入するときなどの参考にしてください。
種類①日本自生のセダム一覧
日本には20種類ほどの自生しているセダムがあり、北海道以外に広く分布しています。日本での名前は万年草です。野草として道ばたなどで見かける機会もあり、目を楽しませてくれています。
マルバマンネグサ(丸葉万年草)
マルバマンネングサの見分けるポイントは、葉っぱです。その名前のとおり可愛い丸い形をしています。写真でもわかるように、黄色い花は星形です。似た花がたくさんあるため、花だけで見分けるのは難しいです。
ツルマンネングサ(蔓万年草)
ツルマンネングサは朝鮮半島、中国東北部が原産ですが、日本で野生化し道ばたや河原などで見かけることがあります。見分け方は名前や画像でもわかるように、茎がつる性で赤褐色です。葉っぱは尖った形をし、星形の黄色い花が咲きます。花のみで見分けるのは難しいです。
コモチマンネングサ(子持ち万年草)
コモチマンネングサの見分け方も葉っぱですが、ツルマンネングサに似ています。葉っぱの付け根部分に小さい葉っぱを付けている姿が子持ちをイメージさせることから名付けられました。こちらも星形の黄色い花が咲くため、花のみでは見分けが難しいです。
タイトゴメ(大唐米)
タイトゴメは、葉っぱの形の特徴で見分けます。名前にもある大唐とは中国のことで、中国の米の意味です。米粒に似た葉っぱの形で、秋から冬に紅色に色づきます。星形の黄色い花を咲かせますが、花のみでは見分けが難しいです。
メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)
メキシコマンネングサも日本で野生化したセダムです。見分ける部分は葉っぱで、写真からもわかるように細長く棒状をしています。この花も黄色の星形で、花のみで見分けるのは難しいです。
ハママンネングサ(浜万年草)
ハママンネングサは別名シママンネングサといいます。九州南部から沖縄の海岸の岩の上で生育しています。茎が立ち上がり、日本で一番大きくなるセダムです。見分け方は葉っぱの形状で、画像でわかるようにロッゼト状になっています。5月ごろ黄色い星形の花を咲かせます。花のみで見分けるのは難しいです。
種類②茎がが立ち上がっているセダム一覧
茎が立ち上がるセダムの代表種は虹の玉です。耐寒性があり、耐暑性暑さにもやや強く、とても育てやすい多肉植物です。ジェリービーンズに似た可愛い葉っは寒い季節には色づきます。
虹の玉:オーロラ
虹の玉のオーロラは斑入り種で、筋が薄っすらあります。虹の玉の特徴であるジェリービーンズに似た葉っぱは、冬に赤から薄いピンク色に変わっていきます。
虹の玉:乙女心
写真でもわかるように、虹の玉の乙女心は、秋には葉先が赤く染まります。ほんのり色づく姿から、この名前が付けられました。色づいたジェリービーンズに似た葉っぱがとても可愛く、人気があるセダムです。
薄化粧
薄化粧は葉っぱの膨らみが少なく、多肉質な感じではありません。色は薄く白っぽい緑色です。生育はゆっくりで、枝分かれして上に大きくなります。葉っぱの形はロゼット状で、大きくても5cmです。春には黄色い花を咲かせてくれます。寒くなると葉っぱが薄いピンク色に紅葉します。
ミドリレンゲ
ミドリレンゲは、緑化資材用に寒さと暑さに耐性を持った交配種です。写真のように、寒い季節に葉っぱが紅葉します。春から秋は緑色をしています。ミドリレンゲは焼けつくコンクリートの温度を20℃下げるといわれているのです。氷点下3℃の温度にも耐えられるともいわれています。
出典:写真AC