アスパラ栽培③立茎と管理
支柱を立てて立茎
アスパラ栽培では、立茎作業が重要です。茎と擬葉で光合成をおこない、養分を根に蓄えて発芽を促進します。支柱とネット(または麻紐など)で茎が倒れないように支えます。
定植1年目
株を育てる
収穫せずに、発芽した茎をすべて育て、途中で間引いていきます。茎が伸びてきたら、畝の四方4か所に(長い畝は途中にも)支柱を立て、園芸ネットや麻紐を渡して倒れないように支えます。
- 50cmの位置に、園芸ネットを被せるようにかけるか、周囲を麻紐で囲む。
- 成長するに従い、曲がった茎やか細い茎は株元でカットし、風通しをよくする。
- 鉛筆より少し太めのまっすぐな茎を1株につき5~6本ほど残す。(寒冷地は10数本)
- さらに伸びてきたら100cmの位置で、ぐるりを麻紐で囲む。
- 150cm前後で上部を摘心してもよい。
- 水やりを忘れず、月に1度追肥する。
- 紐の位置は目安です。
- プランター栽培は、草丈低めに摘心してもかまいません。
定植2年目
種まきから育てた株は、収穫せずに茎を育てます。市販のポット苗が2年目の株なら、太い芽も出てきますが、収穫は記念の1本程度にして株を太らせましょう。根株から育てた株は、収穫できます。水やりし、定期的に追肥します。
定植3年目以降
苗から育てた株も収穫できるようになります。毎年豊かに収穫できるように収穫は1か月ほどにとどめ、その後は立茎して根に養分を蓄えます。雑草はこまめに取り、枯れかけた茎があれば、株元から切り取って処分します。追肥と水やりも忘れずに。
アスパラ栽培④収穫
収穫時期
収穫時期は4月~5月頃です。収穫するのは3~4週間にして、そのあとは立茎して養分を根に蓄えましょう。養分が回ると、夏にも発芽してきますので、再び収穫できます。
収穫の目安
長さ25cm前後を目安に、鋏を使って収穫します。伸び始めると成長が早いので、できれば毎日チェックしてください。取り逃すとすぐに長く伸び、固くなってしまいます。
細長い茎しか出てこないのは?
最初の2年間は、か細い芽がよく出てきます。その後も、細いものが出てきますが、太い芽が出てこない場合は、肥料不足か、養分が十分に蓄えられていないケースが考えられます。肥料の量、追肥や水やりの頻度、日照状況を確認してみましょう。
アスパラ栽培⑤追肥と水やり
追肥
追肥時期
2月~11月まで、月に1度追肥します。化成肥料を1株につき1握りが目安です。発芽を始める4月と収穫後の6月頃には多めに(2倍弱が目安)追肥しましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、水やりします。水切れを嫌いますので、水やりを忘れないようにしましょう。冬は控えめにします。
アスパラ栽培⑥病害虫対策と冬越し
病害虫対策
ナメクジ
ナメクジが、発芽したばかりの茎をかじることがあります。プランターや鉢の下に気をつけましょう。米ぬかトラップ(水溶きの米ぬかを入れた器)や乾燥させたコーヒー殻(忌避効果のみ)などで対策します。
茎枯病
梅雨や雨が続く時期に発生する、茎が茶色に枯れる病気です。泥はねで菌が付着して感染します。泥はねを防ぐには、敷き藁が効果的です。早期に見つけ、他に感染しないように株元から刈り取ります。
茎と擬葉を刈り取る
晩秋になると擬葉が黄色く枯れてきます。こちらは自然な現象です。株元で刈り取り、茎や擬葉の切れ端が畝に残らないようにていねいに片づけましょう。放置すると病原菌が湧きやすくなります。
自治体の案内に従って、ゴミに出すのがいいですね。
土を盛って冬越し
土を盛る
畝の掃除ができたら表面を浅く耕し、土を盛って冬越しします。暖地は軽い盛り土で十分ですが、冬の寒さが厳しい地域は多く土を盛ります。
アスパラ栽培⑦増やし方
増やし方①株分け
掘り起こして株分け
増やし方は、株分けです。スコップで広めに掘り起こします。掘り起こしの際に、できるだけ根を痛めないように気を付けましょう。掘り起こしたら、2~3芽で1株を目安に手で分けます。植え方は、根株の植え付けと同じです。掘り起こしと株分けの適期は、10月末~3月初旬ですが、真冬は避けましょう。
増やし方②収穫量を増やす
収穫量の増やし方は、立茎で養分を蓄えることです。日照と肥料、水やりが十分であれば養分が回り、春先だけでなく夏にも太い芽が出てきます。夏の芽は取り尽してかまいません。
アスパラ栽培⑧ホワイトアスパラ
ホワイトアスパラは遮光して育てる
ホワイトアスパラは、発芽前から遮光して育てます。砂質の土地であれば土を盛る方法で、ホワイトアスパラガスができます。3月頃に、追肥を行った後で土を約30cm盛ります。育ち具合をチェックしながら、土を掘り起こして収穫します。
まとめ
収穫まで時間がかかる野菜ですが、それだけに初収穫の喜びは大きなものです。植え方はそれほど難しくなく、小さな花や赤い実をめでることもできます。新鮮なアスパラガスが家庭菜園でとれたらうれしいですよね。
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出典:写真AC