育て方③定植
地植え・プランターともに、苗と同じくらいの穴をあけ、苗を軽く手で押さえながら根鉢を崩さないように浅く植え付けます。植え付けたあとは、水やりをしてください。プランター栽培の場合は、ツルの誘引のために4本支柱を立て、上部を麻紐などで結びましょう。あんどん仕立ての支柱をはじめから立てておくのもよい方法です。ツルが伸びてきたら、麻紐や支柱に絡みつかせてあげましょう。
育て方④水やり
小玉スイカは砂漠原産で、高温と乾燥を好みます。多湿に弱い性質があるため、地植えで育てるときは土が乾燥したら水を与えましょう。プランターの場合は、土が乾いたら鉢底から水が流れるまで水やりしてください。また、梅雨時期は雨による泥はねが病気を引き起こす原因になります。バーク堆肥などを表層に敷くと防げるでしょう。
育て方⑤整枝
小玉スイカの手入れで欠かせないのが、ツルの摘心や切り戻しをする「整枝」です。主茎を親ヅル、親ヅルから伸びるツルを子ヅル、子ヅルから伸びるツルを孫ヅルとしましょう。まずは、親ヅルに本葉が5枚~7枚ついたら親ヅルを摘芯し、子ヅルになる脇芽を育てます。子ヅルや孫ヅルに雌花が咲きやすく、それらの生育を促すために親ヅルを摘芯するのです。伸びた子ヅルは元気なものを3~4本残して、あとは切り戻します。
育て方⑥追肥
小玉スイカの追肥の時期は、1番目の実が鶏卵大になったころです。小玉スイカの実が大きくなるときは株に大きな負担がかかるため、このタイミングで追肥をし、健康な状態を保ちましょう。しかし、追肥を与えすぎると葉やツルばかりが伸びる「ツルぼけ」になります。実が育たないまま、やがて枯れるため、与えすぎには注意しましょう。
育て方⑦人工授粉
小玉スイカは自然に実をつけます。しかし、人工授粉を行えば結実の確率はグッと高まります。人工授粉は、気温が上がりはじめる朝9時前までに行うのが理想です。気温が高い30℃以上の日や、雨で気温が低い10℃以下の日などは避けてください。小玉スイカが受粉障害を起こし、奇形のスイカを誘発してしまったり、赤く実の詰まったスイカができなくなったりしてしまいます。急激な天候の変化には気をつけましょう。
育て方⑧収穫
小玉スイカは、授粉から収穫までの日数が品種によって違います。育てている小玉スイカの品種をよく確認しておきましょう。一般的には、人工授粉から35~40日が収穫の目安時期です。人工授粉したときの日付のタグをつけておくと、収穫の際に便利です。適期より早いと甘味が少なく、遅いと実の食感が悪くなります。へたの付け根からハサミで切り取って収穫しましょう。
小玉スイカ特有の病気
ツルぼけ病
ツルぼけ病とは、作物の茎や葉が伸び過ぎることです。肥料成分の窒素が、成長のメカニズムに強く影響を与えるために起こります。植え付け初期の窒素過多はツルぼけ現象を引き起こし、茎葉の発育は促進されますが、地下の塊根(かいこん)の形成は抑制されてしまうのです。塊根の成長促進には、カリウムが重要な働きをします。ツルぼけ気味のときは、カリウムの施肥を増加してください。
ツル割病
小玉スイカは、連作すると土壌病害のツル割病が発生しやすくなってしまいます。葉が萎れ、すぐに枯れるのです。その場合は回復が見込めないため、株ごと引き抜いてしまいましょう。ツル割病をふせぐためには、4~5年の輪作か、病気に強い接ぎ木苗での栽培を試みます。また、発病すると土壌に病原菌が残ってしまうため、土壌の消毒が必要です。
まとめ
小玉スイカは、天候が悪い日が続いてしまうと実が真っ白になってしまった、ということもあります。加えて摘心や切り戻しが面倒であるとされ、中級者向けといわれることもありますが、ポイントを押さえれば初心者の人でもチャレンジできます。水やりの頻度も少なく、日々の手間もそれほどかかりません。ぜひ、小玉スイカの栽培にチャレンジして、おいしい実を食べてみてください。
- 1
- 2