しめじについているカビは食べられる?
「しめじを購入したら、根本にカビのようなものがついていた」「冷蔵庫にしめじを入れていたら、綿のようにふわふわした白いものが生えてしまった」という、しめじにまつわるトラブルは少なくありません。きのこ類には、傘や根本にカビや白い胞子のようなものがついていることがあります。カビと思われる箇所や全体をよく観察してみましょう。食べられるか、食べられないかの判断ができます。
緑やピンクのカビは食べられない
しめじについた緑やピンク、赤などのカラフルなものは、カビと考えてよいでしょう。食べてしまうと、健康に悪い影響を与える可能性が考えられます。見つけ次第、速やかに廃棄するのをおすすめします。
カビが生えると柔らかくなる
傷んだしめじは、全体が柔らかくなってきます。柄がぶよぶよとして柔らかく、傘には張りがなくなります。このような状態になったら、口にするのは危険です。また、カビが生える前の傷みはじめたしめじも、全体に張りがなくなってきます。元気がないと感じたら、思い切って捨ててしまうのが安全です。
黒い粒状のものはカビではなく汚れ
しめじに黒い粒のようなものがついていることがあります。黒カビのようにも見えるでしょう。しかし、カビではなくしめじの汚れの場合があります。特に根本付近についているものは、石づきの汚れが移ったもので、気にする必要はありません。しめじについた汚れなので、カビとは違って食べられます。
白いものが気中菌糸なら食べられる
しめじにつくふわふわしたカビのようなものは、多くがしめじの「気中菌糸」というものです。気中菌糸はしめじの一部で、食べても問題ありません。傘の上につくことが多いため目立ちますが、廃棄しなくても大丈夫ですよ。
ボタ爺
とはいえ、すべてが食べられる気中菌糸とは限らんのじゃよ。カビかどうかの判断が大切じゃ。
ボタニ子
しめじに異変があったら、下のチェックポイントと照らし合わせてみてね。食べられるか判断できるよ!
食べられるしめじ
- 全体がシャキッとしていて、傘に張りがある
- カビのようなものがついているがふわふわとして白い、または粒状で黒い
- 香りに問題がない
食べられないしめじ
- 全体が柔らかく、湿っている
- ぬめりがあり、水が出ている
- カビのようなものが、緑色やピンク色をしている
- 腐ったような酸っぱい臭いがする
しめじの気中菌糸とは?
しめじの生態
しめじをはじめ、きのこは菌類に属しています。きのこの本体は、菌糸と呼ばれる糸くずのような菌の塊です。しかし成長したり生存できる環境が減ってきたりすると「子実体(しじつたい)」が生えてきます。これが「きのこ」です。子実体は、広い範囲に子孫を残すために胞子を出す役割を持っています。そのため頭に傘をつけたり、傘の裏にひだを持ったりして、効率よく胞子を出せる形になっています。
気中菌糸が出てくる原因
しめじにとって繁殖の必要のない快適な環境であったときに、気中菌糸が発生します。きのこは、菌糸の繁殖のために胞子を出す器官です。しかし暖かくなり菌糸の状態でも生存できるようになると、胞子を作る必要はなくなります。すると、きのこの栄養は分解されて菌糸が空気中に出てきます。きのこの上に現れた綿のような菌糸が、気中菌糸です。快適な環境におかなければ、気中菌糸は発生しないといえるでしょう。
しめじについた気中菌糸の落とし方
キッチンペーパーでふくと落ちる
気中菌糸は問題なく食べられますが、傘の上や根本に多くつくために見た目が気になって使いづらいものです。気中菌糸を取り除くには、乾いたキッチンペーパーで軽くふき取るだけです。また、気中菌糸同様、黒い汚れもふき取れば問題なく料理に使えますよ。
ボタニ子
加熱する際に濃いめのタレをかけたり、多めの油で炒めたりすることでも、気中菌糸が見えなくなります!
ひとつひとつふき取るのが面倒なときは、こういう料理がおすすめ!気中菌糸の量を考えて、いろいろ試してみましょう。
水で洗うと味が落ちる
しめじについた気中菌糸を流水で落とすこともできますが、洗うと食感が悪くなり、風味もおちてしまいます。市販されているきのこは「菌床栽培」という方法で栽培されています。菌床栽培で育ったきのこは非常に清潔で、本来洗う必要がありません。気中菌糸がどうしても気になるというときには、洗うよりも味や質の劣化を防ぐためにもキッチンペーパーを使いましょう。
ボタニ子
どうしても洗いしたいときは、サッと水にくぐらす程度でOKです!
ボタニ子
きのこが傷まないように、でも快適すぎないよう保存しなければいけないということね。次のページで見てみましょう。
出典:写真AC