ゆずは用途が広い柑橘類
ゆず(柚子)は冬に旬を迎える柑橘類として、親しまれてきた果物です。その歴史は古く、飛鳥・奈良時代にはすでに日本で栽培されていたという記録が残されています。食物が少なくなる冬の貴重なビタミン源で、おかず料理やお菓子などの食用としてはもちろん、日常生活でもさまざまな使い方をしてきました。また、耐寒性と耐病性が強く、自家結実性に優れているため、栽培がしやすいのも特徴です。
皮ごと使う料理やお菓子が人気!
ゆずは独特の芳香と酸味が好まれ、おかずやお菓子に幅広く利用されてきました。近年は果肉や果汁だけではなく、皮やわたも丸ごと使うレシピが人気です。ゆずには柑橘類に多いビタミンCやクエン酸のほか、リモネンやヘスペリジンなど、さまざまな栄養素が含まれています。果肉や果汁よりも皮やわたに多く含まれている栄養素もあるため、丸ごと食べられるレシピが注目されるのです。
リモネンは免疫力を高める効果、ヘスペリジンは血流改善効果が確認されているよ。これらは皮やわたに多く含まれているんだ。
近年は環境保護の観点から、食材の無駄を減らす運動が盛んなことも、皮ごと食べる料理に人気が集まる理由です。
ゆずのおすすめの使い方
使い方①柚子風呂
冬至の風習として有名な「柚子(ゆず)風呂」は、ゆずの使い方としても理に適った方法です。ゆずを丸ごと湯舟に入れるため、ゆずの皮に含まれているリモネンの血流改善効果によって体が温まり、湯冷めしにくくなります。ゆずのさわやかな香りも、精神をリラックスさせるのに効果的です。ゆずを湯船に入れるだけと、簡単に実行できる点も魅力といえるでしょう。
柚子風呂は健康によいけど、人によっては肌が刺激されて、痛みを覚えたり、かゆみが出たりするんだよ。
肌の弱い方や肌荒れなどで調子のよくない方は、柚子風呂の使用は避けましょう。
使い方②化粧水
捨ててしまうことが多いゆずの種で、化粧水が作れます。ゆずの種には食物繊維であるペクチンが豊富で、保湿性が高く美肌効果が期待できますよ。作り方もゆずの種を焼酎に漬けるだけと、簡単なのも魅力でしょう。雑菌が繁殖しないように、使用する瓶はよく洗浄して煮沸消毒し、完成した化粧水は冷蔵庫で保存して1カ月以内に使いきりましょう。
ゆずの種化粧水の作り方
【材料】
- ゆずの種:40個~50個(ゆず約3個分)
- 焼酎(ホワイトリカー):200mL
- 蓋つきガラス瓶(種と焼酎が入るサイズ)
- 保存用の瓶(好みで選ぶ)
【手順】
- 使用する蓋つきガラス瓶をよく洗浄し、煮沸消毒する
- ゆずから種を取り出し、焼酎と一緒にガラス瓶に入れて蓋をする
- 冷暗所で7日~10日保管する
- 保管の間はガラス瓶をときどき振り混ぜて、中身をなじませる
- 淡く色づき、とろみが出たところで、ザルでこして種を取り除いたらできあがり
- できあがった化粧水を、保存用瓶に詰め替えて冷蔵庫で保存する
使い方③薬酒
芳香成分や栄養成分をたっぷりと含むゆずは、美容効果や健康効果が期待できる薬酒にもぴったりの柑橘類です。風呂に利用されるゆずの保湿効果と温熱効果は、薬酒にしても十分に発揮されます。冷え性に悩む方に特におすすめの薬酒です。作り方は簡単で、アルコール度数の高い焼酎やホワイトリカーに数カ月漬け込むだけです。ゆずを大量消費したいときにも使えますよ。
ゆず酒の作り方
材料 (瓶4L)
ゆず小ぶりなもので9個程
氷砂糖700g
ホワイトリカー1.8L
- ゆずは丁寧に洗浄し、水気を取って皮をむく
- 皮や実についている白いわたの部分は、丁寧に取り除く
- アルコール消毒した瓶にゆずと氷砂糖を交互に入れ、最後に皮を入れる
- ホワイトリカーを注ぎ入れてから蓋をして、1週間保存する
- 皮を取り除き、さらに3カ月保存する
- 3か月後、ゆずを取り除いたらできあがり
使い方④料理やお菓子
ゆずは古くから料理やお菓子で利用されてきました。柑橘類特有の香りと酸味は、味の濃いおかずや、バターの風味が強いお菓子によくあいます。果肉や果汁のほか、本来は捨てる皮やわたも使える点もゆずの長所です。皮が持つ強い芳香と、わたが持つ苦味はよいアクセントになります。料理やお菓子に取り入れることで、皮やわたに含まれる栄養成分まで摂取できるため、栄養面でも理に適った活用方法といえるでしょう。
ボタニ子
次は「ゆずの皮ごと使える簡単レシピ4選」だよ。
ゆずは柑橘類がかかりやすい「そうか病」「かいよう病」に耐性があるため、無農薬栽培も可能なんですよ。