ハオルシアという植物
ハオルシアはハオルチアとも呼ばれる多肉植物です。ロゼッタ状に密集する葉が特徴で、透き通るような葉が人気の時に高額で取引されることもある多肉植物です。葉先が透明な窓になるものも多く、窓植物の代表といえます。愛好家やコレクターの多い人気の植物でもあります。多肉植物に花が咲くのか、と首をかしげる人もいるかもしれませんが、ハオルシアには白く小さな花が咲きます。今回の記事では、初心者にも育てやすいハオルシアの種類や栽培のコツをご紹介します。
ハオルシアの基本情報
科 | ツルボラン科 |
属 | ハオルシア属 |
原産地 | 南アフリカ |
近縁種 | アロエ ガステリア |
耐陰性 | あり |
種類 | 約300程度 |
南アフリカが原産のハオルシアは種類も多く、なかには驚くほどの高額で販売されるものもあります。「ジュエルプランツ」と呼ばれるほど美しく透き通る葉が、愛好家の人気を集めている多肉植物です。しかし高額で取引されるものと安価で手に入るものにはさほど違いはありません。白やブラックなどの色が違う、または斑入りであったり姿かたちが美しいものであったりするというほんの少しの違いで、高額かどうかが決まります。
ハオルシアの特徴
ハオルシアはおおまかに葉が硬い「硬葉系」と、透き通るような葉で軟らかい「軟葉系」の二種類に分けられます。それぞれ違いはありますが、共通しているのは美しい幾何学的な模様と、太陽に透けるような葉をもっているということです。なかには宝石のように輝くような葉を持つ品種もあります。肉厚の美しい葉がハオルシアの特徴です。
ハオルシアは多肉植物
ハオルシアは多肉植物です。通常の観葉植物と多肉植物の違いは、茎や葉の構造にあります。葉や茎、根の部分に水をためているのが多肉植物であり、その性質上乾燥に強い植物です。また水分が蒸発しにくいようにもなっています。そのため乾燥地帯に自生していることが多く、逆に過湿になるとすぐに根腐れを起してしまいます。水やりの必要があまりなく、育てるのに手間がかからず初心者向けの植物でもあります。
種類が多いのも特徴
ハオルシアは種類が多いのも特徴です。どれも透き通る葉をもつのに違いはありませんが、青雲の舞や玉緑、万象などさまざまな種類があります。特に万象という種類などは斑入りのものは百万を超える価格になることもあります。どれだけ払っても手に入れたい、という愛好家やコレクターの多い多肉植物です。ネットでもよく見かけます。価格は低くても宝石のような美しさには変わりません。自分だけのハオルシアを購入して大きく育てたらぜひ、写真を投稿してみてくださいね。
ハオルシアの花言葉
ハオルシアにはさまざまな種類があります。しかし、どの種類であってもハオルシアの花言葉は一つです。水やりに注意すれば初心者にも育てやすい、透き通る葉が特徴のハオルシアには、「小さな愛」というとてもかわいらしい花言葉がつけられています。宝石のような多肉植物は、恋人や大切な人への贈り物などにもおすすめです。
ハオルシアの種類
品種 | 特徴 |
オブツーサ | ・丸くてぷっくりした葉が特徴 ・葉先が光を取り込んで輝くように見える |
青雲の舞 | ・透き通った葉 ・葉にギザギザが付いている |
ブラック | ・黒いオブツーサ ・高額で取引される希少品種 |
玉緑 | ・葉がとがっている ・ロゼッタ状に成長する |
雫石 | ・オブツーサの仲間 ・雫石は先端がとがっている |
万象 | ・外敵から身を守るため本体は土の中 ・土から出た葉の部分で光を集めて生きているのが特徴 |
ボタニ子
ハオルシアにはいろんな種類があるんだね。でもどれが高額でどれが安いのかな?
ボタ爺
ふむ、一般に流通しておる青雲の舞や玉緑などは手に入れやすいのう。しかし雫石もオブツーサの仲間だったりと種類が多いせいか、ややこしいところもあるんじゃ。
愛好家の多いハオルシアは、園芸用に交配された品種も多くあります。そのため一見すると同じオブツーサに見えても、色の違いやちょっとした特徴の違いから紫オブツーサ、ブラックオブツーサ、雫石などそれぞれ名前が付けられています。
品種①オブツーサ
ぷくぷくでキラキラしたハオルシアオブツーサは、ハオルシアの中でも人気の高い品種です。軟葉系品種の代表のようなものです。ハオルシアのなかでも特に葉が美しく透き通るような品種です。しかし、変わり種の紫オブツーサやブラックオブツーサとは違い、価格も安いため一株が千円以下でも入手ができます。
オブツーサには高額なものもある
手ごろな金額で手に入れることができるオブツーサですが、実は高額な品種もあります。オブツーサ・錦・マリンという品種は安くても7~8万円、株の状態や美しさによってはそれ以上の価格がつけられます。また、オブツーサ・マリンといった透き通る白い葉が特徴の、珍しい品種もあります。また、このあと紹介するブラックオブツーサや雫石といった品種もあり、オブツーサだけでも多様な種類があります。
品種②青雲の舞
青雲の舞は、透き通る葉がガラスのように美しいハオルシアです。青雲の舞は葉にギザギザがあるため、触ると痛そうなイメージもあります。青雲の舞はブラックオブツーサや変種などとは違い、比較的安価で手に入ります。そのため、これから多肉植物を育ててみたい、という初心者などでも簡単に手に入れられる品種です。
品種③ブラックオブツーサ
ブラックオブツーサは、葉がブラックに見えるために名付けられたオブツーサのことです。交配を繰り返しているオブツーサは、ブラック以外にも紫のものや白いものなどがあります。同じオブツーサであるのに黒っぽい色というだけで、価格は一気に10倍近くまで跳ね上がります。紫オブツーサやブラックオブツーサは珍しい色合いである、ということで高額になるのです。このブラックオブツーサもまた愛好家に人気の品種の一つです。
品種④玉緑
とがった葉がロゼッタ上に展開する、かわいらしい品種が玉緑です。玉緑は宝石の名にふさわしく透き通った葉がキラキラ輝いて見えます。金額も手ごろで一般に流通しているため、玉緑はネットでも簡単に手に入れることができます。ただしネットでは細かな違いなどは分からないため、購入には注意が必要です。
品種⑤雫石
雫石という品種もよく見かけます。この雫石も実はオブツーサの仲間です。一見するとオブツーサも雫石も違いが判りませんが、よく見ると全体が丸い葉のオブツーサに対し、雫石は雫のような形の葉が特徴で、先端が少しとがっています。雫石もまた愛好家にも人気のある、低価格で手に入れることができるハオルシアです。
品種⑥万象
ハオルシアの中でも万象は独特の葉をもつ品種です。見た目も他の品種と少し違う万象は希少性が高く、一般に流通しているものでも数千円はします。愛好家などのハオルシアが大好きな人たちは数万円で取引することもあります。ちなみに万象の最高価格は、200万円もしたようです。同じ万象という種類であっても葉に斑が入っていたり、他と違う特徴的な形だったりした場合には高額で取り引きされます。
盗難にあうことも?
ハオルシアのなかでも、万象などは小さな鉢に100万を超す額がつけられることもあります。そのため盗難にあう園芸店もあります。万象を手に入れたら、ぜひ増やしてみましょう。希少品種を一から育ててみるのもまた、ガーデニングの楽しみの一つです。
次のページでは、ハオルシアの育て方をご紹介します。
出典:写真AC