海浜植物とは?海水の影響はないの?特徴や代表的な品種を詳しく解説

海浜植物とは?海水の影響はないの?特徴や代表的な品種を詳しく解説

森林や草原だけでなく、海辺でも植物が力強く生育しています。海岸付近に生育する植物は「海浜植物」といわれ、内陸の植物とは一線を画す独特な生態をもちます。この記事で、海浜植物の特徴や代表的な品種について詳しく見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.海浜植物とは
  2. 2.海浜植物の特徴
  3. 3.海浜植物の代表的な品種8選【①〜④】
  4. 4.海浜植物の代表的な品種8選【⑤〜⑧】
  5. 5.海浜植物を探してみよう

海浜植物の代表的な品種8選【①〜④】

品種①ハマヒルガオ

出典:写真AC

基本情報

学名 Convolvulus soldanella Calystegia soldanella
英名 Beach morning glory
科名 ヒルガオ科
属名 ヒルガオ属
形態 多年草
開花時期 5月〜6月

特徴

ハマヒルガオは「典型的な海浜植物」としても有名で、海浜植物の代表品種として親しまれています。葉の大きさは2cm〜4cmほどで、かわいらしいハート型をしており、ツヤと厚みがあるのが特徴です。色は濃い緑色で、黄緑色の葉脈模様がくっきりとついています。5月〜6月にかけて、4cm〜5cmほどの淡いピンク色の花を咲かせる植物です。

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品種②ハマエンドウ

出典:写真AC

基本情報

学名 Lathyrus japonicus
英名 Sea pea、Beach pea 
科名 マメ科
属名 レンリソウ属
形態 多年草
開花時期 4月〜7月

特徴

ハマエンドウは、日本各地の海岸に広く分布している植物です。開花時期の4月〜7月にかけてスイートピーによく似た、濃い紫色の花を咲かせます。葉は白みがかっており、楕円形の小さな葉が8枚〜12枚ほど連なっているのが特徴です。ハマエンドウは「ほふく性」のため、地面を這うように成長していきます。

品種③ハマボウフウ

出典:写真AC

基本情報

学名 Glehnia littoralis Phellopterus littoralis
英名 Beach silvertop、American Silvertop
科名 セリ科
属名 ハマボウフウ属
形態 多年草
開花時期 6月〜7月

特徴

ハマボウフウは、漢字で「浜防風」と表記されます。ハマボウフウは地面を這うように広がって、名前のとおり浜辺の砂が風で舞い散るのを防いでいるのが特徴です。潮風に耐えられるように、葉は肉厚で硬くなっています。花茎が立ち上がると50cmを超える場合がありますが、根がしっかりしているため、株が倒れる心配はありません。

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品種④ハマニガナ

出典:写真AC

基本情報

学名 Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia
英名
科名 キク科
属名 二ガナ属
形態 多年草
開花時期 4月〜10月

特徴

ハマニガナ(浜苦菜)はキク科ニガナ属の多年草で地下茎から長い葉柄で葉を地表に出します。葉は直径3〜5cmで厚みがあり、黄色の花を咲かせます。種には綿毛がありますが、飛ぶのは向かないため、海流散布が主な増え方です。開花時期は4月〜10月です。

海浜植物の代表的な品種8選【⑤〜⑧】

品種⑤ハマナス

出典:写真AC

基本情報

学名 Rosa rugosa 
英名 Ramanas rose、Rugosa rose、Japanese rose
科名 バラ科
属名 バラ属
形態 落葉性低木
開花時期 7月〜8月

特徴

ハマナスは、果実の見た目が茄子に見えたのが由来して「浜茄子(はまなす)」と名付けられました。また、ハマナスは別名「浜梨(ハマナシ)」とも呼ばれている落葉性低木です。ハマナスの果実は梨のように甘酸っぱいため「浜に実る梨のようだ」と例えられて「ハマナシ」と呼ばれています。ハマナスの果実は、ローズヒップとして食用にできるのが魅力です。

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品種⑥ハマゴウ

出典:写真AC

基本情報

学名 Vitex rotundifolia
英名 Roundleaf chastetree
科名 シソ科
属名 ハマゴウ属
形態 常緑性小低木
開花時期 8月〜9月

特徴

ハマゴウは「ハマハイ」「ハマボウ」とも呼ばれている常緑性小低木です。ハマゴウの葉は、線香の原料としても利用されており「浜香(ハマコウ)」がなまって「ハマゴウ」と呼ばれています。浜辺の砂地の上を這うように成長し、開花時期になると薄紫色の涼しげな花を咲かせるのが特徴です。

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品種⑦ハマウツボ

出典:写真AC

基本情報

学名 Orobanche coerulescens
英名 Orobanchaceae
科名 ハマウツボ科
属名 ハマウツボ属
形態 一年草
開花時期 5月〜7月

特徴

ハマウツボは「寄生植物」に分類されており、奇主であるキク科の植物の根に寄生する植物です。地下にある根茎から根を伸ばし、寄主の根に絡むように巻きついて寄生します。ハマウツボは漢字で「浜靭」と表記され、ハマウツボの花穂が矢を入れる「靭(ウツボ)」に似ているのが特徴です。

品種⑧オカヒジキ

出典:写真AC

基本情報

学名 Salsola komarovii
英名 Saltwort
科名 ヒユ科
属名 オカヒジキ属
形態 一年草
開花時期 7月〜10月

特徴

オカヒジキは、日当たりのよい海岸や砂浜に自生している一年草です。日本以外では、朝鮮半島や東アジアに生息しています。葉が多肉質で海藻の「ひじき」に似ており、海ではなく陸地(丘)に生えているため「オカヒジキ」と名付けられました。葉や茎が食べられるのが魅力で、おひたしや和え物などに利用されています。

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海浜植物を探してみよう

出典:写真AC

海浜植物は、海岸沿いで成長するために多肉質な葉をもち、地面を這うように成長して美しい花を咲かせる品種がたくさんあります。開花時期が異なるため、季節ごとにいつでも海浜植物の開花を楽しめるのも魅力のひとつです。浜辺に出かけたときには、海浜植物をぜひ探してみてください。

Alisa.
ライター

Alisa.

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