萵苣とは
実は、萵苣(ちさ)とはレタスの和名の一つです。身近な野菜であるレタスは、ちぎってドレッシングをかければ食べられます。お手軽さも大きな魅力です。そんなレタスについて、まずは基本情報などをご紹介します。
基本情報
レタス(学名:Lactuca sativa)はキク科に分類される野菜です。起源は西アジアを含む地中海沿岸で、古代ギリシャ人もローマ人も食べていました。今では身近な野菜の一つで、農林水産省の統計によると、2017年には58万tものレタスが国内で収穫されました。
収穫量は58万3,200tで、前年産並みとなった。
さまざまなレタス
レタスには、丸い結球レタスの他に、リーフレタス、ロメインレタス、茎レタス(アスパラガスレタス)などがあります。見た目が大きく異なるため、根本的に違う種類に思えるかもしれません。しかし、学名は全てLactuca sativaで、同じ植物とされています。
名前の由来
実は、「萵苣」と書いて「ちさ(ちしゃ)」以外にも読み方があります。「ちさ」の由来とあわせて、もう一つの読み方や、「萵苣」という字の意味、由来などをご紹介します。
萵苣の語源
中国語で「萵」は古代の国名、「苣」は葉っぱを示します。つまり、「萵の国から来た葉っぱ」という意味にをもっているのです。萵の国がどこの地域にあった国なのかは、判明していません。読み方は「ワキョ」と「チサ(チシャ)」です。「ワキョ」は中国語由来ですが、「チサ」の由来は何でしょうか。
「ちさ」の語源
レタスを切ると、白くて粘りのある液体がにじみ出てきますよね。昔の人もこの習性からレタスを「乳草(ちちくさ)」と呼び、これが転訛して「ちさ」となりました。英語のレタスも、ラテン語のラク(「乳液」の意味)が語源です。この乳液は、同じキク科植物のタンポポやノギクでも出ます。
日本への伝来
日本へは、中国経由で奈良時代には伝来していました。ただし、このときのレタスは現在よく見る結球レタスではなく、画像のような茎レタスでした。結球レタスはヨーロッパで育成され、江戸時代末期に日本に導入されたのです。
萵苣を育てる
お庭でレタスが育てられたら嬉しいですよね。どの時期に、どのように育てるのがよいのでしょうか。結球レタスの家庭菜園での育て方について、ポイントをご紹介します。
萵苣の性質
レタスは根が浅いため、プランターでも育てられる野菜です。涼しい環境を好む植物で、高温下では栽培が難しくなります。そのため、初めて育てる方は秋からの栽培がおすすめです。
水やり
レタスは根の浅い植物で、土の乾燥には弱いため注意しましょう。ただし、水をあげすぎて過湿の状態が続いてしまうと、根腐れを起こしてしまいます。多すぎず少なすぎずの、適度な水やりが大切です。
害虫
レタスは葉っぱを食べる野菜ですから、害虫には気をつけたいですよね。主な害虫はアブラムシやハスモンヨトウ、ナメクジです。これらの害虫に有効な家庭園芸用農薬や忌避剤が、ホームセンターなどで販売されています。使用方法を守って、害虫からレタスを守りましょう。
まとめ
萵苣の読み方や由来を知っている方は少ないかもしれません。日本とヨーロッパ、遠く離れた地で同じように「乳液」由来の名前をつけていたとは、とても不思議ですね。身近な野菜ですが、驚きの宝庫でもあるといえそうです。
出典:写真AC