カメリアとシャネルの関係
実は、世界的に有名なファッションブランド「シャネル」とカメリアにも深いつながりがあります。そして、カメリアはシャネルのデザインのなかの一つにも採用されるほどです。具体的にシャネルとカメリアには、どのようなつながりがあるのでしょうか。
ファッションブランド〈シャネル〉の誕生
ココ・シャネルの生い立ち
世界的に有名なファッションブランド「シャネル」の創業者ココ・シャネルは1883年にフランスで生まれました。ココ・シャネルが11歳の時に、母が病死し、また父にも捨てられたため、ココ・シャネルは孤児院で育ちます。
帽子専門店をきっかけに婦人服でブレイク
孤児院を出てから歌手を目指し挫折しますが、その後帽子専門店を開くようになりました。それがきっかけとなり、爆発的な人気を誇る婦人服の製作するようになったのです。ココ・シャネルはこれまでにないデザインの服、男性と同じように自由に活動できるシャネル・スーツを開発しました。
ココ・シャネルとカメリアの花
ココ・シャネルは恩人から白いカメリアをプレゼントされていた?
ココ・シャネルはカメリアの美しさに魅了されており、自分自身の肩や髪などにもカメリアの花を飾っていたそうです。その後、シャネルの様々な製品に椿のデザイン(カメリア・マーク)が使われるようになりました。ココ・シャネルがカメリアを好むようになったのは、彼女の才能を見出し、応援してくれたアーサー・カペルから、白いカメリアをプレゼントされたからだと言われています。
ココ・シャネルが遺した言葉
シャネルが世界的なブランドとなったのは、彼女の創り出す新しく美しいデザインに多くの人々が心を奪われたからですが、彼女の自由で凜とした生き方が人々を魅了したことも大いに関係があるのです。ココ・シャネルは彼女の生き方を象徴するたくさんの名言を遺しています。
人生がわかるのは、逆境のときよ。
私は好きなことしかしない。私は自分の人生を、自分が好きなことだけで切り開いてきたの。
美しさは、あなたがあなたらしくいると決めた時に始まる。
ココ・シャネルはカメリアの花を自分のブランドのシンボルとして取り入れてきました。カメリアのほかを寄せ付けない気高い美しさは、ココ・シャネルの美意識や生き方を象徴するものだといえるでしょう。
カメリア・マーク
アクセサリー
ダイアモンドの外側にカメリアの台をあしらったリングやココマークとカメリアマークをあしらったイヤリング、ネックレスなどがあります。
カメリアのバッグ
ハンドバッグやトートバッグなどに、カメリアの型押しがつけられていたり、カメリアのモチーフがつけられています。
ファッション全般
ほかにも様々な商品、例えばビーチサンダルにまでカメリアが使われています。
カメリアの育て方
日当たりと用土
鉢植え、庭植えともに日当たりのよい場所から日陰まで栽培できます。日なたでは西日の当たらない場所、日陰では明るい場所の方がよく育ちます。寒さや暑さを気にする必要もありません。日本の土は弱酸性ですが、カメリアは弱酸性でよく育ちます。原産が日本ですから、比較的育てやすい花木といえます。
水やり
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりあげて、じめっとした状態を保てるようにしましょう。庭に植えて2年以上たった木は普段は水やりは必要ありません。あまりに乾燥したときにたっぷり水をあげるようにしましょう。鉢植えの場合は、開花の時期には特にしっかり水を与えるようにしましょう。
病害虫
●病気:うどん粉をまぶしたように白いかびが生えるうどんこ病、円形の病斑ができる炭疽病などがあります。
●害虫:チャドクガなどのケムシが発生すると葉が食害され、生育が悪くなります。庭木では丸坊主になることもあります。カイガラムシが発生すると、吸汁されるため生育に悪影響を及ぼし枝枯れを起こすこともあります。
病害虫を見つけたら木が弱る前に、早めに薬剤を散布しましょう。
椿油(カメリア油)の歴史と特徴【補足】
平安時代において、椿(ヤブツバキ)の産地では、雑税として椿油(当時は「石榴油」と印されている)を朝廷に納めていました。また朝廷は遣唐使を使って、唐の国に銀や絹織物といっしょに椿油を献上していました。当時、唐の国では椿油は不老不死の薬として珍重されていたようです。
平安貴族の間では特に女性の髪油として使われていたと考えられます。長く真っ直ぐで艶があり、なめらかな髪は人々の憧れでした。椿油を使うことで、傷んだ髪も美しく艶めき、まとまった髪になるからです。
椿油(カメリア油)の効果
椿油はオレイン酸が85パーセント以上も含まれています。これはオリーブ油と同じか少し高い数値です。オレイン酸はコレステロール値を下げ、動脈硬化予防、便秘の解消という働きをもっています。そういう意味では昔、不老不死の薬と呼ばれたこともわかります。現在はヘルシーな食用のオイルがいろいろ出回っていますが、椿油もそのうちの一つだといえます。また、椿油はオリーブオイルよりべたべたしませんので、スキンケアにも向いています。
まとめ
日本で古くから親しまれてきた椿の花は、ヨーロッパに渡ってカメリアとして人気を博しました。美意識の高いココ・シャネルがカメリアを愛したのもわかりますよね。早春の庭に一つ一つ、まるでコサージュのように美しいカメリアの花が咲いていると、それだけで心が踊るような気持ちになれますので、ぜひ、みなさんも育ててみてはいかがですか?
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ヤブツバキ