椿の種類18選!種類や特徴を詳しく紹介、似ている花との見分け方も!

椿の種類18選!種類や特徴を詳しく紹介、似ている花との見分け方も!

椿は日本原産で非常に種類豊富な花木です。シンプルな赤や白い椿以外にも、色柄模様や特徴的なめずらしい咲き方などもあって大変魅力的な植物です。そんなつばきにはどのような種類があるのか、人気の古典椿を中心に紹介します。似ている花との見分け方も見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.椿は意外に種類が多い
  2. 2.一重咲きの椿の種類8選
  3. 3.八重咲き椿の種類10選
  4. 4.椿と似ている花との見分け方
  5. 5.椿の種類は多種多様!

椿は意外に種類が多い

出典:写真AC

椿は日本原産の花木で、日本の品種数は2200種以上もあります。椿は日本から世界に広まり、世界の品種の数は6000種を超えるといわれています。春の到来を告げる花でもあり、古来、日本で愛されてきた植物です。椿の花形は一重咲き、八重咲きの種類があります。さらに花の色柄模様と独特なおしべの組み合わせが加わるため、バリエーションが豊富です。

一重咲きの椿の種類8選

種類①白侘助(しろわびすけ)

凛とした姿が美しい白い椿の白詫助は、猪口咲きで侘び芯(おしべの芯が退化、変形したもの)が特徴です。猪口咲きはワビスケ咲きとも呼ばれ、4cm以下の極小輪サイズ(筒・ラッパ・抱え咲きも含める)の花の呼び名です。白侘助の花びらは不揃いで5枚あり、ほのかに香りがあります。花期は11~3月です。

茶席の象徴的な花

一重咲きの侘助は「わび」と「さび」の象徴的な花として茶席でよく登場する椿です。千利休がもっとも愛した花ともいわれており、茶道との関係が深い植物とされます。

ボタニ子

ボタニ子

茶席の花で一番人気のある花っていわれてるのよ。

種類②玉霞(たまがすみ)

玉霞は抱え咲き(玉咲き)という品種で、おしべを抱え込むように玉状の花型に咲くかわいらしい希少品種です。花は4~10cmくらいの小~中輪で、花期は11~4月です。玉霞の花色は白~あわい桃色地で、吹掛け絞りと呼ばれます。

花の色柄は一種の突然変異

絞りとは紅の模様のことで、吹掛け絞りはふきかけたような紅色の模様のことです。生物学的には一種の突然変異のことを指します。花びらの形成期に、白色品種が紅色の色素を部分的に作ることが出現のメカニズムです。早い時期に出現したものは大きな縦絞り(たてに絞りの線の模様)に、遅い時期に出現したものは吹掛け絞りになると考えられています。

種類③夜光杯(やこうはい)

咲ききると花びらの端が反曲する

玉でできた中国のめずらしいワイングラスと同じ名前の夜光杯は、シンプルな一重のラッパ咲きです。花色は朱を帯びた鮮やかな紅色をしています。花期は3~4月で7~10cmの中輪の椿です。一重咲きではよく見られる現象ですが、ラッパ咲きは咲ききると花びらの端が反り曲がります。夜光杯のおしべは筒しべという形状で、おしべが筒状になっています。

種類④以津の夢(いつのゆめ)

以津の夢はキキョウ咲きというめずらしい椿です。上から見ると星形にも見え、花びらの端が強く中折れしてとがっているため、剣弁咲きとも呼ばれます。花径4~7cmの小輪で、3~4月ごろの春咲きの品種です。長めの筒しべが特徴的でつぼみ、花、葉のバランスがよく魅力あふれる花形のひとつです。

淡い桃色のぼかしが入るうるわしい色あい

以津の夢は名前の雅さもさることながら、とても上品な色あいです。白地の花びらの端にあわい桃色のぼかしが入り、思わず見とれてしまいそうな美しさでしょう。

種類⑤東方朔(とうぼうさく)

東方朔は筒咲き(横から見たとき、咲ききってもV字形を維持する咲きかた)~椀咲き(花底が少し深めで丸みがあり椀のような形の咲きかた)の花の形です。筒しべで花径は7~10cmの中輪サイズ、10~4月に咲きます。

中国の仙人と同じ名前をもつ椿

日本品種のつばきでありながら、中国の歴史に出てくる仙人の東方朔という人物と同じ名前の椿です。西王母という椿のこどもであることも由来しているようです。桃紅色がとても美しく、樹形は放射状に広がります。

種類⑥炉開き(ろびらき)

炉開きの呼び名は、茶道で使う茶道具の「風炉」から「炉」の季節に変わる11月ごろの時期にちなんだものといわれます。炉開きは平開咲き(花びらが全開する咲きかた)で、ユキツバキ・肥後ツバキによく見られる形です。花径は4cm以下と小ぶりですが、凛とした奥ゆかしさが漂う魅力的な椿です。

椿とお茶のめずらしい交配種

炉開きはユキツバキとお茶の交配種で大変まれな椿です。葉のようすも、椿よりお茶の葉に似ています。椿は古くから茶道や華道と関係が深く、炉開きも茶席で飾られる花としても有名な椿です。

種類⑦糊こぼし(のりこぼし)

糊こぼしは、赤い花びらに白い糊をこぼしたような白斑の模様がある風流な椿です。平開咲きで筒しべですが、同じ平開咲きの炉開きと比較すると色もおしべの形も違い、与える印象はまったく違います。

奈良の東大寺のお水取りで有名な椿

糊こぼしは奈良の東大寺開山堂に原木があります。糊こぼしの花期は3~4月です。3月に行われる有名なお水取りの行事に糊こぼしの造花が堂内に飾られ、奈良の和菓子屋では糊こぼしの菓子が店頭に並びます。奈良三銘つばきのひとつです。

ボタ爺

ボタ爺

奈良三銘つばきとは「東大寺・糊こぼし」「伝香寺・散り椿」「白毫寺・五色椿」のことなんじゃよ。

種類⑧旭の湊(あさひのみなと)

肥後ツバキ特有の梅花のようなおしべ

旭の湊は平開咲きで3~4月に咲きます。中輪サイズで花色は鮮やかな紅色~濃い紅色をしており、ウイルス性の白班が入ると日月星と呼ばれる別の品種になります。旭の湊は肥後ツバキの古典品種です。肥後ツバキはおしべが梅芯といって、梅の花のようなところが特徴で、大きくきれいなものほどよいとされています。

ボタニ子

ボタニ子

「炉開き」「糊こぼし」「旭の湊」同じ平開咲きでもおしべの形や色柄によって、全然違うつばきに見えるのねぇ。

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八重咲き椿の種類10選

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