ブルーベリーの植え替え時期
鉢植えのブルーベリーは植え替えが必要?
はい、植え替えましょう。根も成長しています。鉢の中が窮屈になると根から空気を取り入れにくくなり、根詰まりは病気の原因にもなります。土も古くなっていますから2~3年に一度、一回り大きな鉢に植え替える必要があります。鉢を大きくしたくない場合も、新しい土に植え替えましょう。地植えにするのもいいですよ。土づくりについては後ほど説明します。
ブルーベリーの植え替えに最適な時期は?
冬の始めから春までの間がベストです。ブルーベリーは秋には美しく紅葉し、そのあと葉を落として休眠期に入ります。それからが植え替えの時期です。11月から12月。2月から3月頃が最適な時期でしょう。極寒期は避けます。お住まいの土地の気候を考えて判断してください。
鉢に植えるのがいい?地植えがいい?
一回り大きな鉢に植え替えることを鉢増しといいますが、鉢植えのブルーベリーは鉢増しすれば十分です。鉢植えでも新しい土で元気に育ってくれます。ですが、庭に日当たりのいい場所が空いているならば、庭への移植を検討してみてもいいでしょう。地植えにすると大きく育ち、収穫増が期待できます。ブルーベリーの木は低木ですから庭に移植しても適度に剪定していけば大きくなりすぎることはありません。
- 鉢植えのブルーベリーの植え替えは、冬の始めか終わりがベスト
ブルーベリーの好む土は酸性
ブルーベリーはツツジ科
ブルーベリーはツツジ科で、ツツジやサツキ同様に酸性の土を好みます。夏の蒸し暑さを嫌う品種もありますので育て方に気を配る必要がありますが、酸性がちな日本の土壌に合っているといえるでしょう。
ブルーベリーの基本情報
- 英名:Blueberry
- 学名:Vaccinium spp.
開花時期 4月~5月 収穫時期 6月~9月
- 主な品種と特徴
ハイブッシュ系:耐寒性がある
ラビットアイ系:暑さに強く寒さに弱い
ブルーベリーが好む酸性の土とは?
酸性の土にはどのような種類があるのでしょうか。
ピートモス
まずピートモスです。ミズゴケ類などが堆積し、腐植を経た泥炭から水分を取り除き、砕いて粉にしたもので酸性の性質を持っています。ピートモスを混ぜ合わせることによって土全体を酸性寄りに変えることができます。水持ちもよくブルーベリーに最適な土です。
鹿沼土
次に鹿沼土。サツキやツツジの栽培によくつかわれる酸性の土で、保水性にもすぐれています。名前が示す通り栃木県鹿沼市産出の軽石(総称)です。
市販のブルーベリー用土
お手軽なのは、市販のブルーベリー用土。ブルーベリー用に酸性に調整されています。商品によっては成長に必要なマグネシウムやイオウなどが配合されています。また、袋裏面に育て方の解説が書かれていることもありますので便利です。
ブルーベリー植え替え用の土づくり
植える前に土をつくっておきましょう。ピートモスは水をはじきますので、たっぷりの水に付け込んでおきます。赤玉土と水をしみこませたピートモスを、4:6の割合で混ぜます。市販されているピートモスは石灰で調整されているものもありますので、無調整のピートモスを選びます。赤玉土の替わりに鹿沼土を使うのもいいでしょう。
苦土石灰は使わない
土づくりには定番と思える苦土石灰ですが、ブルーベリーには必要ありません。苦土石灰は酸性に傾いた土を中性またはアルカリ性の土壌に変えるために使われます。ブルーベリーには不要です。市販されている野菜用培養土にはあらかじめ石灰を混ぜてあるものも多いので、成分を確認しましょう。ブルーベリー用と書かれた土を使うと安心です。
- ブルーベリーを植えるには酸性の土、ピートモスが最適
ブルーベリーの植え替え準備
植え替え前に軽く剪定しよう
鉢植えのブルーベリーの枝が込み合っていたら移植する前に少し剪定します。短くて細い枝や、内側に伸びている枝などを整理し、木のストレスを最小限にしておきます。休眠期は剪定にも適した時期です。植え付けてから3年までは木に勢いをつけるため、大きな剪定は必要ありません。4年目以降の剪定については、「植え替え後のブルーベリーの育て方」の項で述べることとします。
ブルーベリーを鉢から取り出そう
ブルーベリーを鉢から抜き出します。買ってきた苗木はまわりをトントンと叩くだけですっぽり取り出せますが、何年も鉢に植えていたものは少し手こずるかもしれません。根が回ってカチコチになっていたら、鉢の側面ぐるりに移植ごてなどを差し込んで隙間を空けると引き抜きやすくなります。鉢を少し横に傾け、片手で鉢を押さえて引き出します。枝が痛まないように気をつけて。側面の土を濡らしてもかまいません。
根のまわりをチェックしよう
もし植え替え前のブルーベリーの木に元気がなかったら、その原因は根詰まりかもしれませんが、虫がいる可能性もあります。鉢から出した時にチェックして、虫がいたら取り除きます。
取り出したら根をほぐそう
固まった根の側面をほぐします。2面だけ削いであとの2面は次の植え替え時にそぐやり方もあります。全面そぐのが不安なら、その方法がいいでしょう。底の根も1~2cmほどそぎ落とします。黒ずんだ古い根があれば切り取ってしまいましょう。新しい根がすぐに生えてきますから大丈夫です。同じ鉢(あるいは同じ大きさの鉢)に戻す場合は、やや多めにそぎ落とします。
- 移植前に枝や根を整理する
ブルーベリーの植え替え方法:鉢植え
植え替える鉢の大きさは?
一回り大きな鉢を準備します。プラスティック製、素焼き、グラスファイバー製などの種類があります。植え替え前に特に問題がなかったら同じ種類の鉢でいいでしょう。素焼きの鉢が通気性に優れていて最適ですが重くなりますので、悪天候の際に移動させることなどを考えるとプラスティック製の鉢は軽くて便利です。
さあ、鉢に植えよう
鉢に植える手順は簡単です。まず鉢底にネットを敷きます(ナメクジ侵入防止)。鉢底ネットがなければキッチンの排水口用ネットでもかまいません。鉢底石を2センチほど詰めて土を三分の一程度入れます。苗を鉢の中心に置き、正面から見て見映えのいい枝ぶりになるように確認してから、残りの土を入れましょう。棒をかるく土に差しながら押しこむと隙間なく埋まっていきます。油粕を表面に施します。そしてたっぷり水やり。
以上は鉢植えのブルーベリーをひとまわり大きな鉢に植え替える方法ですが、買ってきた苗を鉢に植える方法もほとんど同じです。その場合は根は少しほぐす程度で十分です。また、追肥時期については、「植え替え後のブルーベリーの育て方」の項で詳しく説明します。
- ひとまわり大きな鉢に植え替えよう
(※写真:ブルーベリーの紅葉)