はじめに
最近、健康食品業界で注目されている「ビルベリー」をご存じでしょうか。「目の疲れ、かすみに」等の目に関するサプリメントの成分として話題になっています。ぱっと見た感じブルーベリーのようにも見えますが、ブルーベリーとは何が違うのか、どこがすごいのか、どんな人におすすめなのかについて見ていきましょう。
ビルベリーの特徴とは?
基本情報
まずはビルベリーの基本情報についてみていきましょう。ブルーベリーとは違うのか、どんなところで採れるのかなどを紹介します。
ブルーベリーに近い仲間
ビルベリーとは、ツツジ科スノキ属のセイヨウスノキ、クロマメノキといった、20~60cmの落葉する低木種を指す総称です。マウンテンベリーやホワートルベリー、ヨーロッパブルーベリーと呼ばれることもあります。春頃に赤く小さい花をつけ、夏頃に濃い青紫色をした7mm程度の実がなります。
原産は北欧で、現在は南ヨーロッパの標高の高いところに広く分布しています。アメリカ原産の野生種はビルベリーではないことには注意が必要です。広い意味ではブルーベリーの仲間に含まれますが、いわゆるブルーベリーよりも実が小さいことや、実をつける際に房状ではなく、対になったり単一でなったりすることが特徴です。
そのほとんどが野生種
ビルベリーは育てるのが大変難しいため、ほとんど栽培が行われていません。そのため、ビルベリーの多くは野生から収穫したものです。また、ブルーベリーの多くは流通しやすいように、野生種を品種改良された栽培種です。特に原産である北欧は太陽が一日沈まない白夜の日があるので、強い紫外線から身を守るため、実の中まで有効成分が詰まっています。ブルーベリーに比べて厳しい環境で育ったからこそ、成分量にも差が生まれています。
日本での栽培
現在北欧原産のビルベリーの苗を日本で手に入れるのは、やや難しいようです。とはいえ、虫や病気、寒さに強いので、ブルーベリーよりも育てやすいと言う人もいます。花の芽をつけるためには、7℃以下の環境に800時間以上さらす必要があるので、沖縄以外なら育てられます。
苗を植えてから実をつけるまで2,3年かかりますが、潰れやすいビルベリーを新鮮な状態で食べることができるのは、育てた人の特権でもあるので、ガーデニングが好きな方は挑戦してみましょう。
ビルベリーの利用方法
加工食品としての利用
ビルベリーは実が小さいこと、柔らかく潰れやすいこと、酸味が強いことから、実をそのまま食べるのではなく、ジャムやジュースのように加工食品として利用することが多いです。また地域によっては、パイやタルト等のデザートや、リキュールやワイン等のお酒にして楽しんでいます。
医薬品としての利用
ビルベリーは古くから薬としても用いられていました。ビルベリーの実は整腸薬として、葉から作るお茶は糖尿病対策として使用され、その効き目が穏やかなことから、子供への治療にも利用されていました。また、第二次世界大戦中にビルベリーのジャムを毎日食べていた空軍パイロットが「夜でも物がよく見えた」と証言したことから、目の治療薬として現在もヨーロッパで使われています。
ボタニ子
次ページからはビルベリーの気になる効果についてみていきましょう。