マンゴーについて
マンゴー栽培をより楽しむために、まずはマンゴーの基本的な情報や歴史、特徴、種類についてご紹介します。さまざまな特徴に注目して育てると、より栽培が楽しくなります。
マンゴーの基本情報
目 | ムクロジ目 |
科 | ウルシ科 |
属 | マンゴー属 |
種 | マンゴー |
原産地 | インド |
マンゴーの歴史
マンゴーの栽培は、紀元前のインドでスタートしたといわれています。仏教やヒンドゥー教でも大変重要な樹とされていることから、古くから人々に親しまれ大切にされてきた果樹であることがうかがえます。
マンゴーの特徴
花の特徴
マンゴーは枝の先端に花を咲かせます。マンゴーは柄のついた小さな黄色の花が、軸に房のようにつく「総状花序(そうじょうかじょ)」と呼ばれる花の形をしています。開花時期は生育環境や地域によって異なりますが、4~5月頃です。
香りの特徴
マンゴーの花の香りは非常に特徴的です。開花すると非常に強い腐敗臭を発することで知られています。植物はよく受粉の際にミツバチの力を借りますが、マンゴーが育つ熱帯の環境ではミツバチはあまり存在しません。そこでミツバチの代わりにハエに受粉を補助してもらうため、腐敗臭を放っているといわれています。室内での栽培は、開花時期に要注意です。
葉の特徴
マンゴーは、細長く緑色の葉を茂らせます。近年の研究で、マンゴーの葉に老化予防に役立つ成分があることが発見されました。今後の食品や化粧品への活用に期待が高まっています。
樹の特徴
マンゴーは放任で育てると20m~40mほどにもなる、たいへん大きな植物です。剪定するとよく枝分かれするので、自宅で育てる場合は、高さや形など自宅のスペースや好みにあわせて剪定するとよいでしょう。また、マンゴーは剪定した枝先を使って挿し木をし、樹を増やすこともできます。増やし方の手順についてはのちほどご紹介します。
成分の特徴
マンゴーはウルシ科の植物です。ウルシ科の植物の多くにはウルシオールという物質が含まれており、この物質はかぶれの原因になるといわれています。マンゴーにはこのウルシオールに似た「マンゴール」という物質が含まれているため、扱うときは注意が必要です。
マンゴーの種類
マンゴーにはさまざまな種類があり、色も形もさまざまです。それぞれの種類の種や苗を入手し、育ち方の違いを比べるのも楽しいでしょう。種類によっては発芽しにくかったり、挿し木では発根しづらかったりというものもあります。
種類①アルフォンソマンゴー
マンゴーは世界三大フルーツにも数えられていますが、中でも「キングオブマンゴー」と呼ばれているのがアルフォンソマンゴーです。インドでさかんに栽培されており、高級品として知られています。
種類②アップルマンゴー
果実が赤く色づく品種を総じてアップルマンゴーと呼びますが、中でもアーウィン種と呼ばれる種類が代表的です。日本で栽培されるマンゴーの95%以上がこのアーウィン種であるといわれています。丸くてかわいらしいフォルムと強い果実の香りが特徴的なマンゴーです。
種類③メキシカンマンゴー
メキシコでは、アップルマンゴーの一種「ケント種」がよく栽培されています。見た目は他のアップルマンゴーと同様ですが、なめらかで繊維の少ない果肉が人気です。
種類④グリーンマンゴ―
グリーンマンゴ―は、その名の通り熟しても果皮が緑色のマンゴーです。一見すると熟していないように見えますが、手触りや芳香で食べごろを見極めましょう。十分に熟したものは非常に濃厚な味わいで、強い甘味が特徴的です。
種類⑤ペリカンマンゴー
マンゴーの中では淡泊でバランスのよい味わいと評されるペリカンマンゴー。果皮は黄色く、ペリカンのくちばしに似た見た目をしています。イエローマンゴーやゴールデンマンゴーと呼ばれることもあり、フィリピン産が多く出回っています。
ボタニ子
次のページから、マンゴー栽培に適した環境条件や育て方について、詳細を紹介していきますよ。