マンゴーの育て方!南国フルーツを日本で栽培するための条件・方法は?

マンゴーの育て方!南国フルーツを日本で栽培するための条件・方法は?

濃厚な甘味が特徴のマンゴー。トロピカルフルーツの王様ともいえるマンゴーですが、気温や環境など育て方のポイントを押えれば沖縄や九州でなくても枯れることなく栽培が可能です。マンゴー栽培の環境条件や挿し木での増やし方、特徴などマンゴーの育て方についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.マンゴーについて
  2. 2.マンゴーの種類
  3. 3.マンゴーの栽培環境
  4. 4.マンゴーの育て方
  5. 5.挿し木での増やし方
  6. 6.マンゴーの収穫
  7. 7.まとめ

マンゴーの栽培環境

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トロピカルフルーツの代表格であるマンゴー。インドやインドシナ半島が原産地で、現在ではメキシコや台湾、フィリピン、タイなどでも栽培されている南国の果実です。栽培に適した環境について、詳細をご紹介します。

マンゴー栽培に適した気候条件

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マンゴーは気温が高く、日当たりのよい場所を好みます。耐暑性には非常に優れており、成長した樹は強い日差しをうけてもほとんど枯れることはありません。一方で、冬は気温5℃を下回ると枯れることもあるので注意が必要です。

日本での産地は?

日本では主に沖縄県、宮崎県、鹿児島県といった気温が暖かい環境でよく栽培されています。ブランド化しているものも多く、1個数万円という高級品も贈答用として人気を集めています。

寒い環境での育て方は?

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マンゴーは南国の植物なので、寒い環境はあまり得意ではありません。寒い環境で育てる場合、冬場は枯れることのないよう暖房で温めて気温を高く保つ必要があります。暖房の燃料費等を考えると採算性に欠けるため、寒い地域で産地化しているところはあまりありません。しかし北海道で温泉を活用して気温を維持しマンゴーを栽培しているという事例もあり、工夫次第では栽培可能です。

室内でも栽培可能

マンゴーは本来40mほどの高さにもなる大変大きな木です。室内はおろか庭先で育てるのもはばかられるような高さですが、接ぎ木苗を利用したり、適宜剪定をしたりすれば高さ1.5mほどで留められます。寒い地域でマンゴーを育てたい場合は、鉢植えにして剪定をしっかり行い、気温を保ちやすい室内で育てるとよいでしょう。室内では窓際など日当たりのよい場所に置いてください。

マンゴーに適した土壌環境

マンゴー栽培には、ph4~5というやや酸性の土壌が適しています。phは0~14の数字で示され、7を中性とし、数字が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強いということです。日本の土壌は酸性のところが多いといわれています。

マンゴーの育て方

マンゴーの自宅栽培は、種から育てることも苗を買って育てることも可能です。種の採取方法から日々の樹の管理にまで詳しくご紹介します。

種からの育て方

マンゴーは、食べ終わった果実から種を採取して栽培することが可能です。種まきをして育てる場合、発芽から収穫できるようになるまでは4年~8年と非常に時間がかかるので、根気よく管理してください。剪定や植え替えといった作業も重要になるので、ポイントをおさえておきましょう。

種の採取方法

マンゴーの種は、硬い殻に覆われています。殻に覆われたままだとマンゴーは発芽できません。そこでハサミなどを使って殻を開くと、中から大きさ5cmほどの種の採取が可能です。

種まきの方法

マンゴーを種から育てる場合、水耕栽培である程度の大きさまで育てて植え替える、直接土に種まきして育てるか、の2通りから選べます。発芽に適した気温は20℃以上なので、その点をおさえていればどちらもさほど難易度は高くありませんが、水耕栽培のほうが水の管理はより簡単です。気温管理をしやすくするために、6~7月ごろの種まきをおすすめします。

水耕栽培で育てる場合

水耕栽培で育てるときは、容器に種を寝かせ、種の下半分が浸かる程度の水につけて育てましょう。濁った水でも枯れることはあまりありませんが、3日に1回ほど水の交換をするのがおすすめです。2週間ほどで発芽します。発芽してからも植え替えに適した大きさになるまでは水栽培が可能です。

土に種まきして育てる場合

苗を育てるためのポットや小さな植木鉢に赤玉土をいれ、種を寝かせます。発芽までに種を乾かしてしまうと枯れるおそれもあります。しっかりと水やりをしてください。こちらも水耕栽培同様、2週間ほどで発芽します。

苗木からの育て方

植物を育てた経験があまりない場合や早く収穫したい場合は、苗木の購入をおすすめします。中でも管理しやすいといわれているのが接ぎ木苗です。接ぎ木苗とは、2つの苗木をそれぞれ切断し、根っこの部分にあたる台木にもう一方の苗木の上部である穂木(ほぎ)を融合させた苗のことです。接ぎ木苗を購入すれば、大きくなりすぎず管理がしやすいでしょう。

よい接ぎ木苗の特徴

接ぎ木苗は、一般的に台木と穂木の融合部分が地面に近いものの方が大きくなりすぎず管理しやすいといわれています。冬場に寒くなる地域で育てたいときは気温によって室内にとりこむ必要があるため、この点に気をつけて選ぶとよいでしょう。また、穂木の性質によってできる実の品質がかわるため、苗木を購入するときに収量や品質についてお店に確認するのがおすすめです。

育て方のポイント①植え替え

種から育てた苗が育ったら、あるいは苗を購入してきたら、鉢植えか地植えにする必要があります。植え替えに適した時期は5~7月で、冬の屋外気温が8℃を下回るようなら鉢植えがおすすめです。鉢植えの場合は観葉植物の土かブルーベリー栽培用の培土を使用するとよいでしょう。冬も屋外気温が下がりづらい地域では地植えも可能です。日当たりのよい場所を選んで植え替えてください。

定期的な植え替えも必要

鉢植えで育てる場合、根が張りすぎて詰まってしまうことがあります。また成長にあわせて鉢を大きくしてあげることも大切です。2年に1回程度植え替えてあげるとよいでしょう。

育て方のポイント②水やり

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夏場は乾かさないよう頻繁な水やりが必要です。鉢植えなら、鉢の表土が乾いていたらたっぷりと水を与えてください。一方で冬はやや乾燥気味にしておいたほうが、花芽がつきやすいといわれています。

育て方のポイント③肥料

4月~9月の成長時期に、2ヶ月に1回ほどのペースで肥料を施しましょう。肥料はリン酸が多めのものがおすすめです。化成肥料でも有機肥料でもかまいません。有機肥料を使用したい場合は、骨粉が配合された肥料をつかうとよいでしょう。窒素分の多い肥料を与えすぎると葉が茂って風通しを悪くする場合があります。肥料の成分はしっかり確認してください。

肥料のあとは特に日当たりが大事

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肥料を施したあとは、光合成によって栄養を吸収し生成する必要があるので、日当たりが重要になります。マンゴーは日ごろも日当たりのよい場所においておくことが重要ですが、肥料を与えるときはいつも以上に気をつけておくとよいでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

次のページでは、マンゴーがかかりやすい病気や害虫、枝の選定方法、挿し木での増やし方、収穫方法について詳しく解説します。

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挿し木での増やし方

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