育て方④植え付け
株間を十分にとり密植を避ける
ポリポットで苗を作った場合は、本葉が3~4枚の若苗の時期を逃さずに植えつけます。株間は早生品種で株間40cm、中晩生品種で50cm、条間は50cm以上で植え付け、根が傷まないように根鉢を崩さないように植えつけるのがポイントです。軟腐病などの原因になるので密植は避けるようにしましょう。直まきの場合の最終的な株間や条間もポリポットでの植え付けの場合と同様にします。
マルチングで保湿
ポリマルチや刈草でマルチングをしておくと、雑草の繁茂を抑え、保湿する効果があるので除草や水やりの労力を軽減することが可能です。特に刈草やワラなどの有機物のマルチは、地温の急激な上昇をやわらげるので、白菜の生育により適した環境に近づけることができます。
育て方⑤肥料(追肥)
こまめな追肥で栽培初期の成長を促す
即効性のある化成肥料や有機肥料であればぼかし肥を行います。初心者は液肥を使用するのもおすすめです。1回目は植え付けから約2週間程度で、除草しつつ株元に土寄せをして肥料を与えます。その後は2~3週間おきに、合計すると1~2回の追肥が必要です。注意点としては、結球が始まってからは肥料は与えないようにすることです。
ボタ爺
ボタニ子
結球までの期間が短いから、栄養不足は後で取り戻せないんだね!
育て方⑥水やり
畑の場合は頻繁な水やりは必要ありませんが、雨が少なく極端に乾燥する場合には水やりをします。白菜は結球するまでが勝負なので、萎れて成長や結球が遅れないように注意します。プランター栽培の場合は乾燥しやすいので、土が乾いたらこまめに水やりをします。
育て方⑦病害虫対策
蛾や蝶の幼虫による食害が多い
白菜はほかのアブラナ科と同様にアオムシ、ダイコンハムシ、ヨトウムシ、ハイマダラノメイガなどから食害を受けることが多く、高温下では特に顕著です。成長初期の外葉を食害されると、結球が遅れ、結球しないことがあります。これらの害虫は、アブラナ科の独特のにおい成分や過剰な肥料成分などに誘引されて集まってきます。
白菜の害虫対策
こまめに作物をみて害虫を捕殺するほか、種まきや定植直後に1mm程度の目の防虫ネットで覆い、害虫の飛来や産卵を防止します。雪が少ない地域では気温が下がってからも防虫ネットを残しておけば霜よけの効果も期待できますよ。農薬を使用する場合はBT水和剤を葉裏などにもかかるように散布します。農薬を使用する際には農薬のパッケージに記載されている使用方法や用量を守り、適切に使用しましょう。
コンパニオンプランツも害虫に効果的
白菜の畝の両側などにレタスやリーフレタスを混植すると、モンシロチョウの飛来や産卵が少なくなります。畝の中央にシュンギクの種をまいておき、シュンギクと混植しても同様の効果が期待できるので、こちらもおすすめです。また、赤クローバーで畝間を覆うと、ゴミムシやクモなどの天敵が増え、害虫を捕食してくれる効果があります。
白菜に多い病気
最も多いのが軟腐病(なんぷびょう)です。主に結球期に発生し、株が灰褐色となり、ぶよぶよになって腐敗し、悪臭を放ちます。窒素過多で軟弱に育った野菜に発生が多い傾向があり、発病すると治らないので予防が大切です。
白菜の病害対策
抵抗性品種を使用するほか、連作を避け、種まきの時期を極力遅くする。密植を避けて、水はけをよくするのも予防のポイントです。農薬を使用する場合は、発病前から、非病原性エルビニアカロトボーラ水和剤(バイオキーパー水和剤)を、株全体に散布します。農薬を使用する際には農薬のパッケージに記載されている使用方法や用量を守り、適切に使用しましょう。
次のページからは、白菜の収穫や保存方法のポイントや注意点について解説していきます。
栄養不足で結球までの成長が遅れないようにするのが大切なのじゃ。