白菜の概要
白菜は7世紀ころに中国の華中、揚州付近でカブとツケナ(チンゲンサイなどの仲間)の交雑によって生まれた不結球白菜がその原型とされています。その後、品種改良などにより、半結球型や結球型の白菜が育成されました。現在では結球型が一般的となっています。全国各地で生産されていますが、特に茨城県や長野県の生産量が多いのが特徴です。
白菜の基本データ
科名 | アブラナ科 |
学名 | Brassica campestris L. |
原産地 | 西アジア・地中海沿岸(育成地は中国) |
栽培適地 | 日当たりと水はけがよい肥沃な土壌。土壌酸度(pH)は6.5~7.0 |
生育適温 | 低温性で寒さにはやや強いが暑さに弱い |
相性の良い作物 | シュンギク、レタスなど |
相性の悪い作物 | 共通の害虫(ヨトウムシ・コナガ)に食害されやすい野菜 |
種子 | 他家受粉、寿命2~3年 |
白菜の栄養価や効能
中国では大根、豆腐とあわせて養生三宝(ようじょうさんぽう)と呼ばれ、体調を崩しがちな冬の時期の風邪予防や免疫アップにも効果的な野菜です。特に芯葉の黄色っぽい部分は甘味があり、ビタミンCもたっぷり。余分な塩分を排出して高血圧予防が期待できるカリウムなど健康維持に欠かせないミネラル類も含んでいます。家庭菜園で育て、免疫の落ちる冬の時期に新鮮な白菜を食べるのもいいですね。
白菜の栽培適期
冷涼な気候が栽培の適期
白菜は暑さに弱く、冷涼な気候を好む特徴があります。家庭菜園では夏に種まきをして、初冬の時期に収穫する育て方が一般的です。春まきは結球しにくく、花が咲いてしまうこともあり難易度が上がります。夏まきの場合でも種まきの時期が遅れると結球しないまま冬を迎えてしまい、早すぎると暑さで病害虫の被害を受けやすくなるので注意が必要です。
標高が高い地域では早い時期に栽培ができる
長野県の高原などの標高が高い地域では、夏の気温が低く、早い時期に涼しくなります。この気候を活かして、一般的な地域よりも早い時期に白菜の栽培が始まり、全国に出荷されます。長野県での白菜の生産量が多く産地化しているのはこのためです。
白菜の育て方と栽培のポイント
白菜の栽培では、種まきのや植え付けの時期がとても大切です。その他にも、日当たりのよい場所を選び、丁寧な土作りで初期の栄養不足を防ぐなど、いくつかの栽培のポイントがあります。白菜の育て方と栽培のポイントや注意点などについて解説します。
育て方①植えつけ場所を選ぶ
栽培に最適な場所は「日当たり」と「水はけ」がポイント
植えつける場所は日当たりがよく、水はけのよい場所を選ぶのがポイントです。また、白菜は土壌に細かい根を浅く伸ばしながら成長し、水はけのよい環境であれば根がよく広がります。水はけの悪い粘性土などの土壌に植える場合は、土作り後に15cm以上の高畝にして水はけのよい環境を確保する方法もよいでしょう。
植えつけ場所の注意点
白菜は連作障害がおきやすいので、連作障害を避けるために前作に同じアブラナ科の野菜を栽培していない場所を選びましょう。アブラナ科の野菜を栽培した場所であれば、できれば2~3年程度あけて栽培するのが望ましいです。家庭菜園では、面積が狭いことも多いので難しい場合もありますが、なるべく期間をあけるようにしましょう。
いい場所が見つからない場合はプランター栽培で
住宅地の中など、日当たりのよい場所が見つからない場合は、プランターで栽培する方法もおすすめです。野菜用のプランターに培養土を入れて栽培します。ベランダなど日当たりのよい場所へ移動させることができるのがメリットです。育て方は畑の場合とほぼ同じ方法ですが、プランターは乾燥しやすいのでこまめな水やりが必要です。土が乾いたら水やりをしましょう。
次のページからは、白菜の土作りと種まきのポイントや注意点について解説していきます。
出典:筆者撮影