癒合剤(ゆごうざい)とは
癒合剤の「癒合(ゆごう)」とは、傷ついたところが治って傷口がふさがることを意味する言葉です。園芸店やホームセンターの薬品コーナーなどで販売されている「癒合剤(ゆ合剤)」は、剪定した切り口や枯れたり傷んだりした樹木に塗って使います。植物の傷ついたところを保護する、ばんそうこうのようなものです。
剪定や接ぎ木には欠かせない薬剤
剪定作業が欠かせない植物といえば、バラや果樹を思い浮かべる方が多いでしょう。実は今や世界中から注目されている「盆栽」にも欠かせないアイテムが癒合剤です。剪定と整枝で樹木の形を整える盆栽の道具として発展してきた、とても歴史のあるアイテムでもあります。接ぎ木の切り口の保護や、病気で傷んだ樹木にも癒合剤が最適です。
癒合剤の役割とは
傷ついた樹木に癒合剤を塗ることには、どのような意味や目的があるでしょう。具体的な癒合剤の働きと役割についてわかりやすく解説していきます。
役割①剪定した切り口を保護する
癒合剤は傷そのものを治す薬ではなく、植物の治癒力を高めるものです。癒合剤を塗ることで樹木の切り口から栄養が流れ出るのを防ぎ、カルスと呼ばれるかさぶたのようなものを作るまで、保護膜の代わりになります。果樹やバラなどの花木は、毎年の剪定作業が欠かせませんね。特に鉛筆よりも太い枝を切る場合(もちろんそれ以下でも)は、切り口に癒合剤を使いましょう。
役割②接ぎ木のワックスとして
接ぎ木は台木に別の枝を挟み込んで、連作障害の出ない野菜や病害虫に強い果樹を育てる育成方法です。繋いだ箇所を乾燥から守り、早く結合させるときにも癒合剤が役立ちます。上の画像のような接ぎ木テープや専用のワックスなどもありますが、接ぎ木の切り口に癒合剤を塗るという方法もおすすめです。
役割③傷んだ箇所を治していく
春の花・桜につきやすいコウヤク病やテングス病などの病気になった枝には、花がつかなくなってしまいます。家庭の庭木でも病気や害虫の被害で、枝枯れや胴枯れなどの症状が発生することがありますね。傷んだところを切り取って癒合剤を塗ると、カルス(かさぶたのようなもの)を形成して、傷口をふさぐのを助けます。
癒合剤おすすめ5選
商品 | |||||
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商品名 | 住友化学園芸 殺菌剤 トップジンMペースト 100g | 富士商事 カルスメイト 150g | 新キヨナール(チューブ入)100g | ハナゲン カットパスターHi 雑木用 190g 盆栽庭木切口被覆塗布材 | カットパスターペースト30g |
価格 | 607円 | 743円 | 990円 | 1,476円 | 880円 |
商品リンク |
癒合剤には種類があり、薬品として登録された殺菌剤と切り口の保護剤に分かれています。使い方はほとんど同じですが、病気で傷んだ箇所には、殺菌剤のトップジンMペーストが最適です。
住友化学園芸・トップジンMペースト【殺菌剤】
住友化学園芸 殺菌剤 トップジンMペースト 100g
参考価格: 607円
トップジンMペーストは剪定した切り口や接ぎ木だけでなく、病気で傷んでしまった樹木にも最適です。使い方は枯れて切った部分や、削り取ったりした部分の表面に均一に塗りつけます。オレンジ色をしたやや柔らかいペースト状の殺菌剤です。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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容量 | 100g |
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ボタニ子
次は富士商事の「カルスメイト」を紹介します!
出典:Unsplash